更新日: 2023.02.08 その他家計

国民医療費のランキング。1番高い県と低い県は? 1番かかる病名は?

国民医療費のランキング。1番高い県と低い県は? 1番かかる病名は?
年間に使う医療費に、地域による差はあるのだろうかと気になっている人もいるのではないでしょうか。また、どのような病気に医療費が多くかかるのか知りたい人もいるでしょう。
 
そこで本記事では、厚生労働省が発表した調査結果をもとに、都道府県別の国民医療費や傷病分類別の医科診療医療費を紹介します。最新のデータをチェックして、国民医療費の現状をイメージしてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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国民医療費が1番高いのは東京都・低いのは鳥取県

 
厚生労働省「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」によると、都道府県別の国民医療費が最も高いのは東京都で4兆2972億円、最も低いのは鳥取県で1984億円です。両者の差は非常に大きく、20倍以上の開きがある計算になります。
 
都道府県別国民医療費の上位5都府県、下位5県とそれぞれの国民医療費の金額は、図表1のとおりです。
 
【図表1】
 

上位5都府県 下位5県
都道府県 国民医療費 都道府県 国民医療費
東京都 4兆2972億円 鳥取県 1984億円
大阪府 3兆2991億円 島根県 2595億円
神奈川県 2兆7925億円 福井県 2600億円
愛知県 2兆3524億円 山梨県 2727億円
埼玉県 2兆1903億円 徳島県 3030億円

 
出典:厚生労働省 令和2(2020)年度 国民医療費の概況 結果の概要
 
上位5都府県、下位5県がいずれも都道府県別人口でも上位、下位にあたる都府県であることから、都道府県別医療費の総額には人口の大小が大きく関係していると考えられます。
 

一人あたりの国民医療費は高知県がトップ

 
「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」をもとに、都道府県別の人口一人当たり国民医療費を比較してみましょう。人口一人当たり国民医療費が最も高いのは高知県で45万7600円、最も低いのは埼玉県で29万8200円です。
 
人口一人当たり国民医療費の上位5県、下位5都県はそれぞれ図表2のとおりです。
 
【図表2】
 

上位5都府県 下位5県
都道府県 国民医療費 都道府県 国民医療費
高知県 45万7600円 埼玉県 29万8200円
鹿児島県 42万6700円 千葉県 29万9700円
長崎県 42万1000円 神奈川県 30万2300円
徳島県 42万900円 東京都 30万5900円
大分県 41万4100円 滋賀県 30万6700円

 
出典:厚生労働省 令和2(2020)年度 国民医療費の概況 結果の概要
 
厚生労働省が国民医療費をもとに分析し、まとめた「令和2年度(2020年度)医療費の地域差分析」によると、人口一人当たり国民医療費の上位5県では診療種別医療費のうち入院費用がほかの都道府県に比べて高く、下位5県では低い傾向がみられます。このことから、一人あたりの入院費の大小が人口一人当たり国民医療費に影響を与えていると推測されます。
 
また、人口一人当たり国民医療費の上位5県はいずれも、全国平均と比べて高齢化が進行している県でもあります。そのため、高齢化の度合いも人口一人当たりの国民医療費に影響する要素のひとつと考えられるでしょう。
      

最も医療費がかかる傷病は循環器系の疾患

 
「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」によると、医科診療医療費が最も高い傷病は「循環器系の疾患(※)」で、国民医療費は6兆21億円です。
※心臓系の疾患、脳血管系の疾患など。代表的な疾病に不整脈、心臓弁膜症、脳卒中などがあります。
 
傷病分類別医科診療医療費の上位は図表3のとおりです。
 
【図表3】
 

傷病名 医科診療医療費
循環器系の疾患 6兆21億円
新生物(腫瘍) 4兆6880億円
筋骨格系及び結合組織の疾患 2兆4800億円
損傷,中毒及びその他の外因の影響 2兆4274億円
腎尿路生殖器系の疾患 2兆2733億円

 
出典:厚生労働省 令和2(2020)年度 国民医療費の概況 結果の概要
 
また、年齢別に見ると、65歳未満では「新生物(腫瘍)」が最も高く1兆5816億円、65歳以上では「循環器系の疾患」の4兆7908億円が最も高い結果です。男女別では、男女ともに循環器系の疾患が最も国民医療費が多くなっています。
 

国民医療費の地域格差は大きい

 
令和2年の都道府県別の国民医療費でトップは東京都、一人あたりの国民医療費のトップは高知県です。都道府県ごとの金額を比較すると、全体、一人あたりの金額のいずれも、上位と下位に大きな差があります。地域の人口や診療種別ごとの医療費の傾向、高齢化などの影響により、国民医療費の地域差が生じていると考えられます。
 
また、医科診療医療費が最もかかる傷病は、循環器系の疾患だという結果です。このほか、循環器系の疾患、腫瘍の医療費は、どの年齢層や性別でも上位を占めています。
 

出典

厚生労働省 令和2(2020)年度 国民医療費の概況 結果の概要

総務省統計局 日本の統計 2022 第2章 人口・世帯

厚生労働省保険局調査課 令和2年度(2020年度)医療費の地域差分析

国立研究開発法人国立循環器病研究センター 病気について 患者の皆様へ 病気について

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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