更新日: 2023.01.25 働き方
日雇労働求職者給付金ってどんな制度? 受給できるのはどんな条件?
しかし、日雇い労働者の人が失業してしまった場合には、日雇労働求職者給付金という制度があります。そこで今回は、日雇労働求職者給付金とは一体どのような制度なのか、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも日雇い労働者の失業とは?
まず、そもそも日雇い労働者には、失業はないのではないかと思う人もいるかもしれません。日雇い労働はその名のとおり、その日限りの労働契約を結ぶことだからです。
しかし、日雇い労働者が派遣会社に予約登録していたものの、派遣されなかったというのであれば、日雇い労働者も失業したということになります。労働者自身の意思で仕事をしないわけではないからです。
そのような場合、日雇い労働者に失業保険はありませんが、失業認定を受けることで失業給付を受給できます。ただし、そのためには雇用保険に加入していなければなりません。
日雇い労働者が加入できるのは一般の雇用保険ではなく、雇用保険法で定められている日雇い労働者向けの雇用保険です。この雇用保険には、ハローワークで日雇労働被保険者手帳を交付されることによって加入できます。
日雇労働被保険者手帳の交付を受けて、手帳を登録している派遣会社に提出すると、給与から雇用保険印紙保険料として保険料が控除されます。等級と印紙保険料はそれぞれ以下のとおりです。
・第1級…賃金が日額1万1300円以上。印紙保険料は176円(事業主と労働者でそれぞれ半額の88円を折半)
・第2級…賃金が日額8200円以上1万1300円未満。印紙保険料は146円(事業主と労働者でそれぞれ半額の73円を折半)
・第3級…賃金が日額8200円未満。印紙保険料は96円(事業主と労働者でそれぞれ半額の48円を折半)
日雇労働求職者給付金とは
雇用保険に加入している日雇い労働者が失業した場合、要件を満たしていれば何歳であっても、日雇労働求職者給付金を受給できます。給付金は日雇い労働者の生活の安定を図るとともに、常用就職に向けた支援を行うための制度です。
受給要件は、失業した月の前月と前々月の2ヶ月間に、通算して26日以上印紙保険料を納めていることです。この要件を満たしていれば、日雇労働求職者給付金が普通給付として支給されます。
雇用保険法第3章第3節第48条によって定められた給付金額はそれぞれ下記のとおりです。
・日額7500円…第1級印紙保険料を24日以上納めている場合
・日額6200円…第1級、あるいは第2級印紙保険料を合計24日以上納めている場合。あるいは、24日間に納めた印紙保険料の平均額が第2級印紙保険料の日額以上である場合
・日額4100円…それ以外の場合
給付される日数は、印紙保険料の納付日数によって変わります。雇用保険法第3章第3節第50条に定められた日数とその条件は以下のとおりです。
・納付枚数が26枚以上31枚以内…13日
・納付枚数が32枚以上35枚以内…14日
・納付枚数が36枚以上39枚以内…15日
・納付枚数が40枚以上43枚以内…16日
・納付枚数が44枚以上…17日
日雇労働求職者給付金の受給方法
給付金を受給するためには、失業した日から一定の期間に 、自ら選択したハローワークへと赴き、求職の申し込みを行う必要があります。
その後、日雇労働被保険者手帳、労働者派遣契約不成立証明書(本人が派遣されることを辞退した場合は、証明書は発行されません)、失業の認定に関する届書を提出しなければなりません。
この手続きとハローワークでの職業相談を経て失業の認定を受けると、給付金が支給されます。ただし、各週の被保険者が就労しなかった最初の日は給付金が支給されません。これは、その日が一般的な失業給付における「待期 」に相当するためです。
日雇い労働者の人は日雇手帳を交付してもらおう!
日雇い労働者の人でも、雇用保険に加入していれば、失業時に日雇労働求職者給付金を受けることができます。しかし、そのためにはまず、日雇労働被保険者手帳をハローワークから交付してもらい、派遣会社に提出しなければなりません。
そうして給与から雇用保険の印紙保険料を納めることで、日雇労働求職者給付金の受給資格が得られます。日雇い労働者の人は、まずは日雇労働被保険者手帳の交付を受け、給付金受給のための要件や手続きをしっかり把握しておきましょう。
出典
厚生労働省・三重労働局 日雇派遣労働者の方へ ~日雇労働求職者給付金について~
e-Gov法令検索 雇用保険法
厚生労働省 第14章 日雇労働被保険者の給付について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部