更新日: 2022.11.30 その他家計

物価の上昇で「収入より支出が多い人」が2割弱。しかし、購買意欲は高い?

物価の上昇で「収入より支出が多い人」が2割弱。しかし、購買意欲は高い?
物価が高騰しており、この10月には、今年最多の6700品目が値上げされました。その後もモノの値上げのニュースが相次いでいます。さらにこの冬は暖房などで電気代・ガス代の値上がりが家計に大きく響きそうですね。
 
報道によると、東京都庁ではウォームビズを掲げ、暖房費の節約を目指して、出勤時にはタートルネックのセーターの着用を呼びかけているようです。
 
さて、物価は上昇するものの賃金は上がらないため、実質賃金は下がっています。厚生労働省が発表した9月の毎月勤労統計調査の結果によると、実質賃金は2022年4月以来、6ヶ月連続でマイナスであり、9月はマイナス1.2%となっています。
 
一方、消費者物価指数も4月にプラス3.0%と前月の1.5ポイントから急上昇して以来、高めに安定しており、9月ではプラス3.5%となっています。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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物価の上昇で、収入より支出が多いという人が2割弱

このように、賃金が上がらないのに物価が上昇すると、収入に対する支出の割合が増えそうです。「Job総研」を運営する株式会社ライボは「2022年収入と支出の実態調査」を実施し、収入と支出のバランスなどを調査しました。
 
現在の収入と支出のバランスを聞いたところ、「圧倒的に収入の方が多い」(7.6%)、「収入の方が多い」(24.3%)、「少しだけ収入の方が多い」(29.0%)となっており、6割以上が収入の方が多いと回答しました。一方、「圧倒的に支出の方が多い」(6.3%)、「支出の方が多い」(7.3%)、「少しだけ支出の方が多い」(4.2%)で、2割弱が収入より支出が多く、家計が赤字であることがわかりました。
 
なお、調査対象者の毎月の平均収入額は42.3万円で、中央値は37.5万円でした。直近の月間支出額の平均は22.7万円で、中央値は20万円となっています。
 
今年の年収が上がったか聞いたところ、「とても上がった」(3.1%)、「上がった」(10.6%)、「少し上がった」(32.6%)を合わせた4割以上が「上がった」と回答。基本はベースアップ等があるため、年収が昨年より上がった人が半数近くでした。
 
一方、「少し下がった」(5.0%)、「下がった」(6.2%)、「とても下がった」(2.8%)を合わせた14.0%が「下がった」と回答しており、年収が下がった人も1割以上いました。
 

物価の上昇で支出が増え、家計への打撃が大きい

今年の支出は増えたか聞いたところ、「とても増えた」(9.0%)、「増えた」(25.2%)、「少し増えた」(32.6%)と、7割近くが「増えた」と回答しました。具体的には「買うものは変わらないのに毎月の支出が3万円ほど増えた」「家族が多いとその分物価高騰は家計への打撃が大きい」といった声が寄せられ、物価の上昇が家計に与える影響が大きいことがうかがえます。
 
一方で、「少し減った」(4.9%)、「減った」(3.5%)、「とても減った」(1.1%)と、「減った」という人は1割未満にとどまりました。 
 
支出額が増えたのは物価高騰の影響かと尋ねたところ、「とても影響している」(30.2%)、「影響している」(33.0%)、「少し影響している」(27.6%)と、9割以上が「影響している」と回答しています。やはりほとんどの人が物価の上昇を肌で感じているようです。
 

物価が上昇しているにもかかわらず、購買意欲は高い

支出額が増え始めた時期を聞くと、「4月」が19.1%で最も多く、先に述べた消費者物価指数が急騰した時期と一致します。以下は「6月」(13.2%)、「8月」(12.7%)、「7月」(12.3%)、「9月」(10.4%)となりました。
 
最後に年収が上がった時期を聞いたところ、「1年未満」が53.0%、「1~3年未満」が33.1%、「3~5年未満」が9.1%となりました。8割以上がこの3年のうちに年収が上がったと回答しています。年収が上がったきっかけについては、「人事評価で上がった」が45.1%で最も多く、次いで「転職で上がった」が23.7%、「ボーナスが増えた」が19.2%となりました。
 
現在の消費意識を聞くと、「とても高い」(6.9%)、「高い」(21.0%)、「どちらかといえば高い」(39.1%)を合わせて67.0%が「高い」と回答しました。物価が高騰しているにも関わらず、購買意欲は高いようです。
 
コロナ禍で長らく消費を控えていたので、買い物したいという気持ちが高まっているのかもしれません。年末に向けてますます消費意欲が高まると思われますが、消費が活発になって、少しでも景気が良くなるといいですね。
 

出典

厚生労働省 毎月勤労統計調査令和4年9月分結果確報

Job総研 2022年収入と支出の実態調査
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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