更新日: 2022.10.21 働き方
今月から最低賃金引き上げ! 都道府県別の新最低賃金は? 扶養を外す時給ラインは?
賃金変動の実態や新最低賃金など、各調査結果を元にチェックしてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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最低ラインの引き上げにともない、賃金UPの企業が多数
まず、エン・ジャパン株式会社が2022年9月22日に発表した、最低賃金引き上げに関する調査結果を見てみます。これは同社が運営する人事向け情報サイト「人事のミカタ」を利用する企業(有効回答数:432社)を対象に行われたもの。
今月の最低賃金引き上げにともない、賃金の変動はどのようになっているのでしょうか。
1位:最低賃金を上回っているため、賃金の引き上げは行わない 36%
2位:最低賃金を下回るため、最低賃金額まで引き上げる 24%
3位:最低賃金を下回るため、最低賃金額を超えて引き上げる 17%
4位:最低賃金は上回っているが、賃金を引き上げる 14%
すでに改定後の最低賃金を上回っているところがちょうど半数。その大半は特に賃金に変更はないものの、一部の企業は最低賃金のラインを越えて引き上げるということのようです。賃金が上がれば、特に時給制で働く人は変化が目に見えやすくてモチベーションもアップしますよね。
扶養枠で働く人たちの本音! 理想的な最低賃金は?
この調査結果で気になったのが、最低賃金が引き上げられることによって「扶養限度がある社員の勤務時間が減る」ということ。扶養を外れないように調整しながら働く人にとっては、ちょっと厄介な面もあるといえるでしょう。
さて、扶養枠で働く人にとって、どれくらいの最低賃金が理想的なのでしょうか?
「時給が何円を超えたら扶養枠を外すか」という側面から読み解いてみましょう。「しゅふJOB総研」を運営する株式会社ビースタイル ホールディングスが2021年6月21日に発表した調査結果(働く主婦・主夫層対象/有効回答数:655件)を見てみます。
1位:1500円 24.6%
2位:2000円以上 12.7%
3位:2000円以上でも扶養枠に収めて働く 11.0%
4位:1200円以上 8.4%
5位:1300円以上 8.1%
上位5つはこのような結果に。割合的に見て、時給1500円がひとつの目安になりそうです。中には時給2000円を超えても扶養枠に収めて働くという人も。勤務時間の調整が比較的自由にできる環境であれば実現できそうですね。
具体的な意見としては、「社会保険料などを引いた手取りで20万は欲しいから」(1500円以上)、「5時間以上働きたいから」(1300円以上)、「短時間で稼げないと家事や育児の時間が取れないので時給は高いほどいい」(2000円以上)などさまざまな声が。
賃金が引き上げられても扶養枠で働くには、働く日数や時間を減らすしかありませんよね。週に何日以上働きたい、なるべく長い時間働きたいという場合は、より時給の低い仕事を探さなければならないケースもありそうです。
主な都道府県の最低賃金一覧
最後に、厚生労働省が発表した最低賃金の詳細をいくつかピックアップして見てみましょう。
・北海道 920円
・宮城 883円
・東京 1072円
・愛知 986円
・大阪 1023円
・広島 930円
・香川 878円
・福岡 900円
・沖縄 853円
全国の加重平均額は961円。昨年から30円から33円の引き上げとなっています。加重平均額とは、最低賃金を各都道府県の労働者数で重み付けしてならした額のことです。
働き方改革において、国は全国平均1000円を目指しているとのこと。これからも徐々に引き上げが行われると考えられます。企業の負担になりすぎない範囲で、うまくバランスを取りつつ引き上げていくことが、今後の課題となるでしょう。
出典
エン・ジャパン株式会社 最低賃金改定に関するアンケート調査
株式会社ビースタイル ホールディングス 扶養枠と時給に関するアンケート調査
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧 令和4年度地域別最低賃金改定状況
厚生労働省 賃金 (賃金引上げ、労働生産性向上)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部