更新日: 2022.10.12 働き方
リモートワークで「カラ残業」し放題!?残業代はどうなるの?
中には完全リモートワークを実施する企業もあり、通勤の必要がなくなったことで地方に移住する人も増えてきています。また、「リモートワークならカラ残業をし放題なのではないか」と考える方もいるようです。
今回は、リモートワークで“カラ残業”は可能なのか、もしバレた時はどうなるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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カラ残業とは?
「カラ残業」とは、残業を行った事実がないのに、何らかの方法で「残業時間を水増し」して、不正に残業代を受け取る行為です。
リモートワークがなかった時代でも、タイムカードの不正打刻を行ったり、仕事をするふりをして職場にとどまっていたりなどの方法でカラ残業をしている人はいましたが、リモートワークの普及により、よりカラ残業をしやすい状況となってしまいました。
リモートワークでは、自宅やカフェなどの事業所以外で業務を行うことになります。タイムカードや上司の目視によって就業状況が確認しにくいため、労働時間管理が適切にできていない会社の場合には、カラ残業をしてもバレない可能性があります。
カラ残業は違法行為
実際には仕事をしていないのにもかかわらず、虚偽の申告をして時間外手当を受け取るのは違法行為です。残業代を不正請求する行為は悪質性が高く、会社に損害を与える行為といえるでしょう。そのため、“カラ残業”が発覚した場合は、懲戒処分の中で最も重い懲戒解雇という判断が下されるおそれがあります。
さらに、会社を欺いて財産上の利益を得る行為は詐欺罪に該当し、カラ残業の申請を行っただけでも「詐欺未遂罪」の構成要件を満たすことがあります。仕事を失うだけでなく、詐欺行為として処罰の対象となることを考えれば、カラ残業をすることにはデメリットしかありません。
どんなに少額であっても、カラ残業は違法行為に当たるため、決して行わないようにしましょう。
企業が行っているリモートワークのカラ残業対策
企業には「労働時間管理の義務」があります。労働時間管理は、カラ残業対策だけでなく社員の健康管理のためにも重要だからです。リモートワークの普及により、企業側は今まで以上にカラ残業対策に力を入れています。そのため、カラ残業自体ができない企業も少なくありません。
労働時間を管理するために、自宅から遠隔操作でタイムカードを打刻、クラウドアプリによるタイムカード管理などの対策を行う企業が増えてきました。ほかにも、残業は命令したものしか認めない、残業を事前申告制にするなどの対策も行われています。
このようにカラ残業対策を行っている企業の場合、カラ残業をすることは難しいでしょう。もし十分な対策を行っていなかったとしても、カラ残業はいずれバレる可能性が高いため、絶対にカラ残業を行わないようにしてください。
カラ残業は違法行為! 懲戒解雇や詐欺罪で訴えられる可能性も
リモートワークの普及により、労働時間管理に頭を悩まされる企業は少なくありません。クラウドアプリによるタイムカード管理などを導入している企業であればカラ残業はしにくいものの、対策を講じていない企業であれば容易にカラ残業ができる可能性があります。
しかし、たとえできる環境であったとしてもカラ残業は犯罪です。最悪の場合、会社をクビになるだけでなく、刑事罰(懲役10年以下)を受ければ、その後の再就職が困難になるおそれもあります。
出典
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部