更新日: 2022.09.30 働き方

政府は副業を推進している? 企業の「副業禁止」がなくなる可能性を解説

政府は副業を推進している? 企業の「副業禁止」がなくなる可能性を解説
2018年1月に厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定されました。内容を見ると、副業・兼業は労働者や企業にとってメリットがあるものとして記載がされています。
 
本記事では、副業・兼業の促進や企業の「副業禁止」が今後どうなるかを解説します。

執筆者:辻本剛士()

政府の副業推進について

政府は、副業推進の理由として成長分野や産業への円滑な労働移動を進めるためとしており、副業を禁止している企業、特に従業員1000人以上の大企業の副業や兼業の解禁が遅れていることを問題視しています。
 
副業推進は厚生労働省から始まったものの、政府が掲げる「新しい資本主義」の施策の1つとして位置づけられ、現在は政府全体の方針になったと考えられます。
 
副業や兼業を希望する人は増加傾向にあり、「収入を増やしたい」「1つの仕事だけでは生活できない」「自分が活躍できる場を広げたい」などさまざまな理由があります。厚生労働省のガイドラインでは、労働者と企業それぞれのメリットについても紹介しています。
 

労働者の副業するメリット

労働者の副業メリットは、「スキルアップやキャリア形成につながる」「自己実現の追求」「所得の増加」「将来の起業や転職の準備ができる」の4つがあります。
 
副業によって本業では得られないようなスキルアップや経験を積むことができ、定年を迎えた後に起業や転職を考えている場合に生かせます。何よりも本業とは別の収入を得られるため生活も豊かになります。
 

企業が副業推進するメリット

企業が副業を推進するメリットは、「会社で得られないスキルの獲得」「労働者の自主性の確立」「競争力の向上」「新たな人脈から事業機会の拡大」の4つです。企業が積極的に副業を推進することで、労働者一人ひとりの能力の向上や新たな事業機会を得られる可能性があります。
 

副業を禁止している企業は多い

副業を禁止している企業は、「本業への集中がそがれること」や、「業務上の秘密が漏洩(ろうえい)する危険性」「労働者の健康管理」を懸念していることがあります。
 
副業によって、本来休むべき時間を他の仕事に充てているため、労働時間が長くなり、心身に負担がかかることで本業に影響する可能性が高まります。また、業務上の秘密を漏らすことを懸念して禁止することも多いです。
 
企業は「労働者の安全」「業務上の秘密保持」「業務上の競業回避」「就労先の名誉や信頼関係を損なう危険性」のどれかに当てはまれば副業の禁止や制限が可能であるとされています。
 
しかし、厚生労働省のガイドラインでは、原則として副業が行えることとして、しっかりと企業と労働者の双方でコミュニケーションを取ることが重要としています。
 

企業の副業禁止がなくなる可能性

厚生労働省のガイドラインや内閣官房に設置された新しい資本主義実現会議の施策から、今後企業の副業禁止がなくなる可能性が進んでいくでしょう。
 
人生100年時代といわれる今日において、定年退職を迎えた後に起業や転職する人もいます。今のうちから、副業でスキルアップや知識をつけておくことでセカンドライフに備えることが可能です。
 
ただし、本業に加えて副業をする上では、心身に負担がかかることに注意する必要があります。うまく両立させるためには、自分自身の健康管理の維持やストレスを発散させるように休息を入れることも大切です。
 

出典

厚生労働省 副業・兼業の促進に関するガイドライン
内閣官房 新しい資本主義実現会議 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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