更新日: 2022.08.02 家計の見直し
【高騰】電気料金による家計へのダメージを抑えるための「4つの見直し」
東京電力エナジーパートナー株式会社が毎月発表する「電気料金の燃料費調整について」によると、260kWh/月の電力を消費する平均モデル家庭における電気料金は、4月の8359円から5月に8505円へアップ。その後も、6月8565円、7月8871円と上昇基調が続いています。
電気料金の上昇が家計に与えるダメージを軽減するためには、何らかの対策を講じる必要があります。
本記事では、電気料金を抑える4つの方法を紹介します。
執筆者:鳥谷威()
「家電の買い替え」で節電
有効な節電の手段の1つとして、家庭で使用している古い家電製品の買い替えが挙げられます。
冷蔵庫を例に、考えてみましょう。2010年製と2020年製の冷蔵庫を一定の条件下に置いて比較した国の調査結果では、2010年製の電力消費量は470~520kWh/年、2020年製の冷蔵庫は294kWh/年と、約37~43%もの差が開きました。
省エネ家電の普及や電力効率の向上が背景にあると考えられます。同じ理由で冷蔵庫に限らず、エアコンや照明、電子レンジやテレビなどさまざまな家電で、最新式に切り替えることによる電力量削減の効果が見込まれます。
「契約事業者の見直し」で節電
また、東京電力や九州電力などの一般電気事業者から、新電力へと契約先を変更することも、電気料金の軽減につながる可能性があります。
「新電力」とは、2016年4月の電力の小売全面自由化によって生まれた新しい電力会社のことです。新電力には、業者によって異なる料金体系で電気を販売するという特徴があります。
例えば「ONEでんき」では、基本料金が0円のプランを提供しており、家庭で過ごす時間の短い層などから一定の支持を得ています。また、ENEOS株式会社が運営する「ENEOSでんき」は、系列のガソリンスタンドでの給油料金が割引されるプランがあります。
このように各社のプランを比較することで、電気料金だけでなく移動費などを含め、自分のライフスタイルに合わせて総合的に生活費を抑える工夫ができるようになるでしょう。
「住まいの断熱性向上」で節電
住まいの断熱性を向上させることも、電気料金の削減につながります。
壁の中に詰められている断熱材や、外部とつながる窓、サッシを断熱性能の高いものに交換することで、太陽の熱で温められた外部の熱気が内部に伝わりづらくなり、エアコンなどの冷暖房機器の効率が上がります。国土交通省が実施している「こどもみらい住宅支援事業」を利用すれば、実質的な負担を軽減して断熱性能の向上を図ることも可能です。
賃貸住宅にお住まいの場合も、エアコンの掃除、遮熱カーテンや窓に貼るタイプの遮熱シートの設置など、できる範囲で熱を遮る工夫に取り組んでみましょう。
「ライフスタイルの見直し」で節電
最後に、ライフスタイルの見直しも電気料金抑制に効果を発揮します。空調の効いた図書館で過ごす時間を楽しんだり、山や川、海などに出掛けて、自宅の設備を使わずに体を冷やしたりというのも手です。
ただし、外出した結果、熱中症で病院に運ばれ、医療費が高くつくという可能性もあります。ライフスタイルの見直しは、無理のない範囲で挑戦するようにしましょう。
できることから始めよう
電気料金の値上げは、電気を生み出すための原料である原油や天然ガスの価格高騰が主な要因です。また、他の要因も複雑に絡み合っているため、すぐに解決して値下がりするのか先行きは不透明な状況となっています。
一方で、本記事で紹介した通り、電気の使用量を減らすことで電気料金を抑える方法はあります。できる範囲で、節電のための工夫に取り組んでみましょう。
出典
東京電力エナジーパートナー株式会社 2022年5月分電気料金の燃料費調整について
東京電力エナジーパートナー株式会社 2022年6月分電気料金の燃料費調整について
東京電力エナジーパートナー株式会社 2022年7月分電気料金の燃料費調整について
環境省 2020年 VS 2010年 最新家電と10年前の家電どのくらいおトク?
経済産業省 電力の小売全面自由化って何?
株式会社グランデータONEでんき 基本料金0円
ENEOS株式会社 ENEOSでんき ENEOSカード割引
国土交通省 こどもみらい住宅支援事業リフォーム
執筆者:木元泰徳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士