更新日: 2022.07.29 家計の見直し
商品の値上がりで我が家の支出はどれくらい増える? 今後に備えて家計の見直しポイントを解説!
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
2022年値上がりするのはどんなもの?
2022年は食品や光熱費、紙製品や電力など身近な商品が数多く値上がりしていると同時に、今後の値上がりも発表されています。
特に3月以降は日本水産のサバ缶などが約5%~18%、ティッシュペーパーなどは製品によって15%以上、東京電力は平均モデルの世帯において146円の値上げなど私たちの生活に欠かせない重要な商品が対象となっています。
年 | 事業者 | 主な対象製品と価格上昇幅 |
---|---|---|
2022年3月 | マクドナルド | ハンバーガーを110円~130円に値上げ |
2022年3月 | 大王製紙 | トイレットペーパーやティッシュペーパーなど紙製品を15%以上値上げ |
2022年5月 | 東京電力 | 平均モデルの世帯において電気代146円の値上げ (3月に283円の値上げを実施済み) |
2022年5月 | 東京ガス | 平均モデルの世帯においてガス代90円の値上げ (3月に222円の値上げを実施済み) |
2022年6月 | 日清製粉 | 小麦粉類を25キログラム当たり351円~415円の値上げ |
2022年6月 | ミツカン | 家庭用の穀物酢など約3%~10%の値上げ |
2022年7月 | 日本水産 | 缶詰・瓶詰めがおよそ約5%~18%の値上げ |
2022年7月 | 伊藤園 | ペットボトル、缶の野菜飲料製品が4~8%値上げ |
2022年9月 | 江崎グリコ | 菓子、飲料、スポーツサプリメントなど157品目 3~24%の値上げ |
2022年10月 | スシロー | 10円~30円の値上げ(郊外型店舗の場合) |
2023年3月頃 | JR東日本 | 山手線など首都圏のきっぷ、IC運賃 10円値上げ |
※東京新聞 「<値上げ一覧・更新>モスバーガーも、ほんだしも、タイヤも、電気代も…2022年」より筆者作成
上記表はあくまでも2022年3月以降に値上がりした商品の一例です。上記表を見るだけでも、今年1年既にどれだけの商品が値上がりし、今後も値上がりが予定されているかが簡単にイメージできます。
今後家計の支出はどうなっていくのか
総務省の家計調査報告によれば2人以上の世帯における消費支出は2022年2月から3月にかけて前月比で実質4.1%増、3月から4月にかけては1.0%増と、じわじわ値上がりの影響が家計に反映されてきています。また、名目での数値とはなりますが、昨年4月と本年4月とでは、支出が1.2%増加しています。
ライフスタイルや家族構成によっても異なりますが、このまま値上げが続き、今までどおりの生活をしていると、前年比で毎月1%から4%程度、世帯によっては月に5%以上本年中の家計の支出が増えることが予想されます。
今後に備えて家計をどう見直すべきか
今後も続く値上げラッシュの中、支出を抑えるためには家計の見直しが大切です。特に固定費と買い物の仕方、この2点を重点的に見直すことで値上げラッシュを乗り切るだけの準備が十分にできる可能性があります。
固定費を見直し
家計の見直しにおいて重要なのは固定費です。その中でも本年値上げの対象にもなっている電気代とガス代の見直しを重点的に実施してみましょう。
電気代は電気の付けっぱなしを止めたり、電力会社やプランを変更したり、簡単なことでも年間数千円の削減が可能なこともあります。また、エアコンを利用する場合、定期的に掃除して効率よくエアコンが稼働するように心掛けることでも電気代は安くなります。
ガスにおいても電気代のように会社やプランを切り替えることで簡単に安くなることがあります。中には電気とガスでセット割りをしている会社もあります。それに加えて、お風呂は沸いたらすぐに入るようにしたり、家族で続けて入ったりすることでもガス代を減らすことができます。
それ以外にも、これを機に保険料の見直しや携帯電話料金の見直しなども並行して行うと、家計の支出を減らすことができます。
買い物の仕方を見直す
買い物の仕方を見直すことでも支出を大きく減らせる場合もあります。買い物を週に何度も頻繁に行くような場合は買い物の回数を減らしてみてください。買い物に行くと意外と必要なもの以外も買ってしまっていることもあります。そういった状況ではちりも積もれば……という形で無駄な支出がかさんでいきます。
また、車で買い物をしている場合、買い物の回数に応じてガソリン代も発生するため、買い物の頻度を減らすことはガソリン代の抑制にもつながります。その他、コンビニでの買い物が多い場合はスーパーやドラッグストアで買い物するようにすることでも余計な支出を減らすことができます。
商品の値上がりで支出が増える分、家計の見直しが大切
2022年は多くの商品が値上がりをする年になりそうです。収入を増やすことが容易ではない以上、何とかして家計を見直すなどして値上げに備えていかなければなりません。固定費や買い物の仕方という観点から家計の見直しを進め、値上げに備えていくようにしてみてください。
出典
東京新聞 <値上げ一覧・更新>午後の紅茶も、ほっともっとも、やよい軒も…2022年
総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯)2022年(令和4年)5月分
執筆者:柘植輝
行政書士