更新日: 2021.04.03 働き方
ハローワークの「職業訓練」ってどんな制度?給付金がもらえるって本当?
職業訓練
仕事を探している方のための無料のハローワークの職業訓練。目的は、スキルアップを通じた早期の就職。雇用保険の状況により2つの訓練に分類されます。
1つは、雇用保険の失業給付を受給している求職者向けの【公共職業訓練(離職者訓練)】。もう1つは、雇用保険を受給できない求職者向けの【求職者支援訓練】。
後者は、フリーランス、自営業の方、就職先が決まらずに卒業した人、会社を辞めて一定期間経過した方、長期間失業状態の方が対象です。主婦(夫)の方も含まれます。
今回はこの【求職者支援訓練】の訓練の概要、申し込み方法について紹介します。
求職者支援訓練
【訓練の概要】
訓練の概要は以下のとおりです
●訓練の分野は、IT/営業・販売・事務/医療事務/介護福祉/デザイン/その他、など
●訓練期間は3ヶ月~6ヶ月が一般的
●受講料は無料(教材費等実費の自己負担あり)
●対象者は以下のすべてを満たす人
(1)ハローワークに求職申し込みをしていること
(2)雇用保険被保険者や雇用保険受給者でないこと
(3)労働の意識と能力があること
(4)職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークに認められていること
【コースの種類】
コースは基礎コースと実践コース、2つの区分があります
1.基礎コース
社会人としての基礎的能力および短期間で習得できる技能を習得するコース
2.実践コース
希望する職種において、職務を遂行する上で必要とされる実践的な技能を習得するコース
【申し込み方法】
受講までの手順は以下のとおりです。まずは住所地を管轄するハローワークで求職申し込みをする必要があります。
(1)ハローワークに求職申し込み
ハローワークに求職申し込みを行い、求職者支援制度の説明を受けます。
(2)訓練コースの検討
ハローワークの職業相談を通して適切な訓練コースを選びます。
(3)ハローワークへ受講申込書を提出
ハローワークの窓口で、受講申し込みの手続きを行います。その後ご自身で、ハローワークで受付印を押印した受講申込書を訓練実施機関に提出します。
※受講申込書には、職業訓練の受講を希望する理由、求職活動の状況、訓練後に就きたい職種など記載項目あり
※郵送や代理人による提出は不可
(4)面接・筆記試験の受験
訓練実施機関で選考(面接・筆記など)を受けます。
(5)合格通知をハローワークへ提出
訓練実施機関から合否通知がご自宅宛てに届きます。「合格」の通知が届いたら、訓練開始日の前日までにハロー ワークに来所し、「就職支援計画書」の交付を受けます。
(6)受講開始
職業訓練受講給付金
一定の条件を満たす場合には、訓練期間中に以下の給付が受けられます。求職者の方の職業訓練期間中の生活を支援することを目的としています。
【給金の内容】
(1)職業訓練受講手当
給付額:月額10万円
(2)通所手当
給付額:訓練施設までの通所経路に応じた所定の額(上限あり)
(3)寄宿手当
給付額:月額1万700円(訓練を受けるために寄宿している人が対象)
【支給要件】
次の1〜7すべてを満たすことが支給の要件になっています。
1.本人収入が月8万円以下
2.世帯全体の収入が月25万円以下
3.世帯全体の金融資産が300万円以下
4.現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
5.すべての訓練実施日に出席している
6.世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
7.過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
(出典:厚生労働省ホームページより)
まとめ
求職者支援訓練は、求職者が希望の職種に就職するために必要な技能を無料で習得できる国の制度です。求職者支援訓練のコースは、誰でも下記URL(※)のハローワークインターネットサービスで検索ができますので、ハローワークに求職申し込みをする前でもご覧になれます。
希望のエリア・分野・募集期間・訓練期間で絞り込みながら検索も可能です。各コースの【訓練目標】と【訓練内容】は必ずチェックしておきましょう。
(※)厚生労働省「ハローワーク インターネットサービス」
(参考)
厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
厚生労働省「求職者支援制度があります!」
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント