更新日: 2019.01.10 貯金

お金が貯まる人と貯まらない人が考える100万円の価値はなにが違う?

執筆者 : 柴沼直美

お金が貯まる人と貯まらない人が考える100万円の価値はなにが違う?
「お金が好きな人は、お金もその人のことが好き」という言い伝えを聞いたことはありませんか。なぜか、あの人はお金が貯まる。何をやってもうまくいっている。自分とは何が違うのだろう。と探ってみました。

柴沼直美

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

「お金が好きな人」はお金の「雪だるま効果」を知っている人

「ROI=リターン・オン・インベストメント」日本語でいうと投資効率です。お金が好きな人は、投資効率を大事にします。投資効率を考えるときには同じ次元で比較選択を行います。
 
例えば、「この学校に100万円支払えば、グラフィックデザインのスキルが修得できる」という場合、どうしますか?お金が貯まらない人は、100万円という金額そのものを1万円札100枚とイメージします。そうして、えっつ!帯封がついたままのあの札束100枚。凄い。次に、「全く別のもの」と比較します。
 
例えば10万円のブランド靴など。そうすると、靴は履いた瞬間から女性の足元を美しく魅せる力を持っているので、もっと想像しやすくなります。100万円払っても、自分が勉強しなければお金は無駄になってしまう。仕事をしながらの勉強は時間管理の点でも難しいし挫折する可能性もある方や、10万円の靴は購入した瞬間に効果がわかる。しかも同じ金額ならば10足も買える。という考えで100万円の授業料を断念して靴の購入に決めます。
 
一方、お金がたまる人の場合は、「本当に修得できるのか?修得できたとして収入アップはどのくらいか?時給300円アップ?1か月で48,000円(300円×8×5×4)の収入アップ。
 
ということは、20カ月ほどで投資回収できる。更に新しい仕事の経験が雪だるまのように別のもっと時給のいい仕事獲得へのステップになるかもしれない、というように、キャリアに投資する場合、キャリアという軸で比較します。そこに全く別のものとの比較は登場しないのです。
 

向き合うか放棄するか、真剣さの違い

では、この差はどこから出てくるのでしょうか。最大の違いは「真剣にお金を使うということに向き合っているのか」「軽く考えるか」です。料理でいえば、人参という食材をどのように調理すれば無駄なく栄養価を損なうことなくおいしくあきがこないように使い切ることができるか、ということを追求します。
 
一方、お金が貯まらない人は食材について一通り自分の経験から想像できるレシピを思い起こしたあと、別の食材に思考の対象を移すのです。そして「やっぱり玉ねぎがないとね」ということになって人参のことを考えるということを無意識のうちに放棄してしまうのです。
 

真剣に考えれば必ず見つかるベストソリューション

ご相談でも「NISAやIDeCo(イデコ)など難しすぎるのでわからない」という声をよく耳にしますが本当にそうでしょうか? このような方の90%以上は「真剣に考えることを放棄している」人であると思われます。わからなければ、わかるように手助けしてくれるツールや人はいくらでもいる時代です。
 
しかし「考える」「決断する」ことを代わりにやってくれるツールがないことは認識すべきです。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

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