更新日: 2020.09.15 初めて

【個人・事業者別】国からお金を借りる方法と審査のポイント!

執筆者 : 鴨志田 大輔

【個人・事業者別】国からお金を借りる方法と審査のポイント!
鴨志田 大輔

執筆者:鴨志田 大輔

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー
 
大学卒業後、広告代理店に入社。
社会人生活をする中で、自分のお金の知識が高くない事を感じ、お金の知識をより持っている方が人生が豊かになると痛感。
 
人生をより幸せで豊かにする為にお金の知識を持ちたい気持ちが強くなり、ファイナンシャルプランナーの資格を取得
 
現在は、初心者の方が見て、分かりやすい記事を作成する事でお金の知識を発信することに注力している

「お金を借りる」というと、金融機関や消費者金融から借りるイメージが強いでしょう。しかし、国や地方自治体でも、さまざまな事情でお金に困っている人を救済するための融資制度を設けています。国からお金を借りる融資制度の種類や借入方法などを詳しく解説します。
 

公的融資制度なら無利子もしくは低金利

公的融資制度とは、国や地方自治体が無利子、または年利1.5%などの低金利で融資をする制度です。国や地方自治体は営利を目的としていないため、無利子や低金利で融資がでるのです。低所得者や高齢者、障害者、ひとり親家庭など生活が困窮している人の支えになるよう設立されています。
 
公的融資制度は、利用者の属性によって細かく分類されているのが特徴です。申し込みから実際に融資が行われるまで日数はかかりますが、金利の負担を最小限に抑えられる点は魅力といえます。

 

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国・自治体からお金を借りる方法【一般個人向け】

個人が国や地方自治体などからお金を借りる方法には次のような制度があります。
 

●生活福祉資金貸付制度
●求職者支援資金融資制度
●生命保険の契約者貸付制度
●教育一般貸付
●母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
●緊急小口資金

 
融資制度によって申し込み方法や融資の条件・貸付額などが異なります。それぞれの制度について解説しますので、参考にしてみてください。
 

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、居住している都道府県の社会福祉協議会が主体となって融資を行っています。貸付の対象となる世帯には次の3種類があります。
 

●低所得者世帯…必要な資金を他から借り入れすることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)
●障害者世帯…障害があり、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳などの交付を受けた者が属する世帯
●高齢者世帯…65歳以上の高齢者が属する世帯

 
貸付資金は使い道によって「総合支援資金」「福祉資金」「教育支援資金」「不動産担保型生活資金」などに分かれています。原則、連帯保証人が必要ですが、立てない場合も貸付は受けられます。金利は連帯保証人を立てる場合は無利子、立てない場合は年1.5%です。
 
返済に関しては資金ごとに据置期間が設けられているのが特徴です。例えば「総合支援資金」の生活支援費の場合、貸付金額は単身者で月15万円以内、2人以上の世帯は月20万円以内ですが、最終貸付日から6ヶ月以内は返済が据え置かれます。

 

求職者支援資金融資制度

求職者支援資金融資制度は、求職者支援制度で職業訓練受講給付金を支給する人を対象にした制度です。求職者支援制度では、転職や再就職を目指す人が無料の職業訓練を受講中に月10万円の生活給付金(職業訓練受講給付金)を受けられます。
 
しかし、その給付金だけでは生活費が不足する場合に求職者支援資金融資制度が適用されます。単身者で月額5万円、扶養家族がいる人で月額10万円を上限として、職業訓練受講予定の期間、最長12ヶ月支給されるのです。
 
融資を受けるためには、ハローワークで融資要件の確認をしたあと、ハローワークが指定する金融機関(労働金庫)で手続きを行わなくてはなりません。金融機関では所定の審査があり、審査に通れば年2.0%で貸し付けされます。担保や保証人は不要です。
 
貸付日の属する翌月の末から返済が始まりますが、職業訓練終了月の3ヶ月後の末までは利息のみの返済になります。

 

教育一般貸付

教育一般貸付とは、日本政策金融公庫が実施している国の教育ローンです。日本学生支援機構の奨学金との併用ができ、幅広い年収の世帯に対応しています。具体的には扶養している子供の人数に対して世帯年収の上限額は次のとおりです。
 

子供の人数 世帯年収(所得)の上限額
1人 790万円(600万円)
2人 890万円(690万円)
3人 990万円(790万円)
4人 1090万円(890万円)
5人 1190万円(990万円)

※日本政策金融公庫のホームページより抜粋
※括弧内は事業者所得の場合の上限額
 
子供の人数が2人以内の場合、勤続年数が3年未満や居住年数が1年未満など、いずれかの条件を満たせば、上限額は990万円(790万円)まで緩和されます。融資限度額は子供1人につき350万円(一定の要件を満たせば450万円)です。
 
金利は年1.66%(2021年5月6日時点)ですが、母子家庭や父子家庭、所得が少ない場合には0.4%差し引かれる金利優遇があります。保証は(公財)教育資金融資保証基金または連帯保証人のいずれかを選択でき、(公財)教育資金融資保証基金の場合は保証料が必要です。

 

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は厚生労働省が所管する制度です。20歳未満の児童を扶養している配偶者がいない男女、または寡婦などが貸し付けを受けられます。貸付金の種類と金利は次のとおりです。
 

貸付金の種類 内容 金利
事業開始資金 事業を始めるために必要な設備などの購入費 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
事業継続資金 現在営んでいる事業を継続するために必要な商品や材料などを購入する資金 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
修学資金 高等学校・大学・高等専門学校などに就学するために必要な資金 無利子
技能習得資金 起業、または就職に必要な技能や知識を習得するための資金 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
修業資金 起業、または就職に必要な技能や知識を習得するための資金(児童に貸し付け) 無利子
就職支度資金 就職するために必要な被服や通勤用自動車などを購入する資金 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
児童に貸し付けする場合は無利子
医療介護資金 医療または介護を受けるための資金(期間は1年以内) 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
生活資金 知識技能を習得している間、または医療介護を受けている間などに生活を安定させるための資金 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
住宅資金 住宅の建築・購入・改築・増築などに必要な資金 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
転宅資金 住宅を移転する際の住宅の賃借に必要な資金 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%
就学支度資金 就学・修業するために必要な被服などを購入する資金 無利子
結婚資金 母子家庭の母、父子家庭の父が扶養する児童、または寡婦が扶養する20歳以上の子の結婚に際して必要な資金 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.0%

 
貸付金の申請や問い合わせは、各地方自治体の福祉担当窓口で行っています。

 

緊急小口資金

緊急小口資金は、都道府県社会福祉協議会が主体となる生活福祉資金貸付制度の一部です。「低所得世帯」「障害者世帯」「高齢者世帯」が対象で、緊急かつ一時的に生計の維持が難しくなった場合に貸し付けが行われます。
 
貸付限度額は10万円以内で、無利子で保証人も不要です。貸し付けの日から2ヶ月以内は返済が据え置かれます。

 

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おすすめポイント

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最大800万円 年2.0%~14.0%※1 最短当日
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国・自治体からお金を借りる方法【事業者向け】

国や地方自治体からお金を借りられるのは個人に限りません。事業者のための融資制度も充実しています。事業者向けの融資制度には次のようなものがあります。
 

●新創業融資制度
●マル経融資
●小規模企業共済の貸付制度
●未払賃金立替払制度

 
事業を始めたばかりで運転資金が不足していたり、業績悪化で仕入れ代金や人件費が払うのが困難だったりする事業者は積極的に利用しましょう。それぞれの制度について解説します。

 

新創業融資制度

新創業融資制度は、日本政策金融公庫の国民生活事業として貸し付けを行う制度です。新たに事業を始める事業者、または税務申告の2期を終えていない事業を始めて間もない事業者を対象に、設備資金や運転資金を貸し付けています。
 
融資の限度額は3000万円(うち運転資金は1500万円)で、担保や保証人は原則不要です。2021年7月1日時点で基準利率は年2.41~2.90%になっています。
 
事業を開始して間もない事業者は実績がないため、通常の金融機関では融資が受けるのが難しくなります。しかし、新創業融資制度は創業したばかりの事業者でも審査に通るのです。新創業融資制度を利用して、よい実績を積めば他の金融機関からの融資も受けやすくなるでしょう。

 

マル経融資

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、小規模事業者に対して日本政策金融公庫が経営改善に必要な運転資金や設備資金を貸し付けする制度です。貸し付けの対象となる条件は次のとおりです。
 

●常時使用する従業員が20人以下(宿泊業・娯楽業を除く商業・サービス業の場合は5人以下)の法人・個人事業主
●商工会議所の経営・金融に関する指導を原則6ヶ月以上受けており、事業改善に取り組んでいる
●最近1年以上、商工会議所地区内で事業を営んでいる
●各種税金を完納している
●日本政策金融公庫の非対象業種などに属していない事業を営んでいる

 
条件を満たせば、担保や保証人は不要で最高2000万円が借りられます。金利は2021年7月1日時点で年1.21%です。
 
商工会議所には経営相談員が在籍しており、経営改善についての相談にのってもらえます。マル経融資を受けるためには、6ヶ月以上の経営指導が必須です。経営に不安を感じたら早めに商工会議所に相談するのがよいでしょう。

 

小規模企業共済の貸付制度

小規模企業共済の貸付制度とは、国の機関である独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営する制度です。小規模企業共済に加盟している事業者向けに掛金の範囲内(掛金の7割~9割)で貸付を行っています。具体的には次のような貸付制度が用意されています。
 

●一般貸付制度
●緊急経営安定貸付
●傷病災害時貸付
●福祉対応貸付
●創業転業時・新規事業展開等貸付
●事業継承貸付
●廃業準備貸付

 
2021年7月時点の金利は、一般貸付制度のみ年1.5%でその他の貸付は年0.9%です。低金利とともに、即日貸付が可能な点も大きなメリットといえます。

 

未払賃金立替払制度

未払賃金立替払制度は、労働基準監督署および独立行政法人 労働者健康安全機構が実施する制度です。企業の倒産によって賃金が支払われずに退職した労働者を守るために、未払賃金の8割を国が立て替えてくれます。
 
労働者が退職した日の6ヶ月前から立替払を請求した前日までに支払い期日が到来している賃金や退職手当のうち未払いになっている分が対象です。ボーナスや未払賃金が2万円未満の場合は、立替払の対象になりません。
 
倒産には、大きく分けて「法律上の倒産」「事実上の倒産」の2種類があり、それぞれに立替払の請求方法が異なります。法律上の倒産の場合は、破産管財人などの証明者に対して、立替払請求に必要な証明書の申請をしましょう。この時の証明者は倒産の区分によって次のように変わります。
 

破産の区分 証明者
破産 破産管財人
特別清算 清算人
民事再生 再生債労働者健康安全機構務者(管財人)
会社更生 管財人

 
証明書が発行されたあとは「立替払請求書」および「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」に必要事項を記入のうえ、労働者健康安全機構に送付します。
 
事実上の倒産の場合は、請求者が所管の労働基準監督署長に対して、勤務していた企業が事実上の倒産状況にあるとの認定を申請しましょう。「認定通知書」が交付されたら、労働基準監督署長に立替払請求に必要な事項についての確認申請を行います。
 
「確認通知書」発行後は、「立替払請求書」および「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」に必要事項を記入のうえ、労働者健康安全機構に送付します。
 
手続きに時間がかかるため、勤めていた企業が倒産したら速やかに労働基準監督署などに相談しましょう。

 

審査には協力的であることがポイント

国や地方自治体などからお金を借りるにあたって、気をつけたいのが審査です。公的融資は、国民の生活を守ることを目的にしているため、申込者の事情に配慮してくれます。制度によっては、多くの必要書類が必要になりますが、審査には不可欠な書類です。面倒に思わずに正確な書類を提出しましょう。
 
担当者の指導や指示をきちんと聞き入れると協力的とみなされ、審査に通りやすくなるといえるでしょう。

 

国からお金を借りるデメリットはスピード

低金利や無利子でお金を借りられる公的融資の唯一のデメリットは、一部の貸付制度を除いて即日融資には対応していないことです。国のお金を融資するため、審査や手続きは慎重に行われます。また、利用者側に手続きの負担があることは否めません。
 
生活や事業が苦しくなってきた時は、早めに公的機関に相談しましょう。最適な解決策が見つかるはずです。どうしても急にまとまったお金が必要になった時は、別の方法でお金を工面することも視野に入れましょう。

 

即日融資ならカードローン

国や地方自治体からの融資制度を利用すれば、無利子または低金利で融資が受けられます。しかし、融資が得られるまでの時間が長いのがデメリットです。急いでお金が必要な人は、即日融資が可能な消費者金融系カードローンを利用しましょう。
 
金利は高くなりますが、公的融資が受けられるまでのつなぎ資金として活用できます。カードローンの金利は、借入金額に対する日割り計算になっているため、早く返せば金利の負担はそれほど大きくなりません。
 
ただし、カードローンを利用するためには審査があります。安定した定期的な収入があることが申し込み条件になっているため、無職では利用できない点に注意しましょう。

 

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参考記事:SMBCモビット カードローン(特徴、金利、審査、限度額など)
出典:カードローン申込:カードローン、キャッシング、ローンはSMBCグループのSMBCモビット
 

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参考記事:アイフル キャッシングローン(特徴、金利、審査、限度額など)
出典:キャッシングのアイフル | キャッシング、カードローン、融資なら消費者金融のアイフル
 

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参考記事:アコム カードローン(特徴、金利、審査、限度額など)
出典:キャッシングのアコム | カードローン、キャッシングならアコム
 

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執筆者:鴨志田 大輔
ファイナンシャルプランナー

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