執筆者:鴨志田 大輔
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、広告代理店に入社。
社会人生活をする中で、自分のお金の知識が高くない事を感じ、お金の知識をより持っている方が人生が豊かになると痛感。
人生をより幸せで豊かにする為にお金の知識を持ちたい気持ちが強くなり、ファイナンシャルプランナーの資格を取得
現在は、初心者の方が見て、分かりやすい記事を作成する事でお金の知識を発信することに注力している
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最近はクレジットカードの審査基準も低くなり、学生でもクレジットカードを所有できるようになりました。さらに、消費税増税にともなうキャッシュレス還元策の追い風を受け、現金よりもカードを使っての支払いが増えている傾向です。
ただし、クレジットカード決済はあくまで引き落とし口座にきちんと残高がある場合のみ利用するべきものです。
したがって、利用者の収入によってショッピング限度枠というものがきちんと設けられているわけです。また、クレジットカードには、そのショッピング枠以外にキャッシング枠というものが存在します。今回はそのキャッシングについて説明します。
目次
キャッシングとは?
キャッシングとはクレジットカードに付帯する「ATMなどからお金を借りることができるサービス」を言います。キャッシングについては、クレジットカードに申し込む際に希望する借入上限額を伝え、審査を行ったうえで最終的な上限利用額が決定する仕組みになっています。
キャッシングを利用するときってどんなとき?
このキャッシングサービスは、一時的に手元にお金がなくなったときに非常に便利なサービスです。現在所有しているクレジットカードを利用して、ATMから限度額までのお金を借りることができるからです。返済方法については「翌月1回払い」や「リボ払い(残高スライド元利定額方式)」が選べるようになっています。
ただ、ここで注意してもらいたいのは、「キャッシングには必ず金利手数料がかかる」ということです。クレジットカード会社によって違いはあるものの、その金利は年15~18%くらいとなっています。もしも、自分がキャッシングを利用しようと思った際は、必ず公式サイトにて返済方法や金利などを確認しましょう。
意外と簡単なキャッシング利用方法
キャッシングについては提携金融機関のATMなどを使い、以下の方法で簡単に行うことができます。
- 1.ATMの画面上のメニューから「お引き出し」を選択
- 2.「クレジットカード」を差込口から投入する
- 3.「暗証番号」を入力
- 4.「お借り入れ」を選択。
- 5.返済方法を選択(「1回払い」か「リボ払い」)
- 6.「借入金額」を1万円単位で入力
- 7.クレジットカード、ご利用明細、現金を受け取る
なお、ATM利用時には、借入金額に応じて手数料がかかることにも注意しておきましょう。
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カードローンとは?
キャッシングが「クレジットカードに付帯するサービス」であるのに対し、カードローンとは銀行や消費者金融などが提供しているサービスで、ローン専用のカードを発行し、それを用いて借り入れを行うものです。
申し込み後の審査で決められた限度額の範囲内で、必要なときに必要な金額だけ、何度でも借り入れと返済を自由に行うことができます。
その点、クレジットカードのキャッシングでは、基本的に限度額が低く設定されており、応じて金利も固定されます。またカードローンでは利用目的が限定されていないことも、使いやすさの1つと言えるでしょう。
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キャッシングとカードローンの違い
キャッシングとカードローンの違いについては、まず「使うカードが違う」ということが挙げられます。繰り返しになりますが、キャッシングで利用するのはご自身所有のクレジットカード。そしてカードローンで利用するのは、カードローン会社に申し込んで作成したローンカードとなります。
また、「借入限度額」や「金利」、そして「返済方法」についても違いがあります。以下に楽天銀行でのカードローンとクレジットカード会社でのキャッシングとの違いを表にまとめてみましたので参考にしてください。
項目 | カードローン(楽天銀行) | キャッシング(クレジットカード会社) |
---|---|---|
借入限度額 | 10~800万円 | 10~100万円 |
金利 | 1.9%~14.5% | 15.0%~18.0% |
返済方式 | 残高スライドリボルビング方式のみ | 翌月一回払い or 残高スライドリボルビング方式 |
返済方法 | 口座引落 or 提携ATM or インターネット のいずれか選択 |
口座引落のみ |
ここで注目したいのはやはり「返済方法」です。キャッシングでは「翌月一回払い」もしくは「残高スライドリボルビング方式」が選択できるのに対し、カードローンでは選択の余地はありません。
この「残高スライドリボルビング方式」については、毎月の返済額を一定にできるので返済計画が立てやすいというメリットがありますが、逆に返済期間が長期にわたると利息がその都度加算されることになり、一括払いよりも利息分の金額が多くなることから、最終的な返済額に差が出てくることになります。
したがって、カードローンよりも金利が高く設定されているキャッシングでの返済においては、できるだけ「翌月一回払い」を選択するのが望ましいと言えます。
キャッシングはすぐに利用できる?
冠婚葬祭など、急に現金が必要となることがあります。そんなときすぐにキャッシングで現金を用意できると便利です。キャッシングはすぐに利用できるのかを見ていきましょう。
利用できるまでの期間は各社で異なる
クレジットカードを使ってキャッシングできるまでの期間は、各社で異なります。まずは審査を受けて、それに通過して初めてクレジットカードが発行されます。審査からカード発行までに時間を要すため、申し込んでからすぐにキャッシングすることは難しいと考えておきましょう。
すでに持っているクレジットカードに付帯することも可能
すでに持っているクレジットカードがあるのであれば、それにキャッシング機能を付帯させることが可能です。付帯させるにしてもキャッシング上限額を設定して審査に通過することが必要です。審査を受けることで初めてキャッシング利用枠が設定されます。
キャッシングを利用するのに必要なクレジットカードは手元にあるので、すぐにキャッシングできそうに思えます。しかしキャッシング審査の結果が出るまでに要する時間も各社で異なっており、申し込んでからの即日利用は難しい場合が多いようです。
キャッシングを利用する可能性があるのであれば、クレジットカードをつくるときやキャッシングが必要となる可能性が出てきた時点でキャッシング可能利用枠を設けるようにしましょう。
キャッシングは海外でも利用できる?
クレジットカード会社にもよりますが、海外でキャッシング利用できる場合は多くあるようです。特別な申し込みがなくても、そのまま海外のATM等でキャッシング利用できるカードもあります。
中には事前に海外キャッシュサービスの利用枠を設定する手続きが必要なカードもありますので、海外に行く前に自分のカード会社の対応はどうなのかを確認しておくようにしましょう。
ICチップ付きカードは、ICチップ対応のATMでないと利用できない場合があります。国によっては対応できるATMのない場合もありますので、そちらも確認しておきましょう。
海外でのキャッシング利用方法
海外に設置されている利用可能なATMにカードを挿入し、暗証番号を入力することでキャッシング利用ができます。カードによっては海外の提携金融機関でもパスポートとカードを提示し、利用金額を申し出ればキャッシングサービスを受けることができる場合があります。
返済方法は、利用日の翌日から支払日までの利息を合わせた金額が、引き落とし日にカード利用代金の支払口座から引き落とされます。
カード会社によってはキャッシング利用可能なATMの設置場所がサイト上で確認できる場合があります。訪れる国が決まっているのであれば、あらかじめATMの場所を確認しておくと便利です。
海外でキャッシング利用するメリット
カードで支払いできるか分からないからと、海外旅行に大金を用意して持ち歩く人もいるかもしれません。海外ではスリや置引などの窃盗にあう危険があり、現金が被害にあった場合まず戻ってくることはありません。また、税関検査では規定以上の外貨を持ち込もうとすると没収される場合もあります。
海外でキャッシングが利用できると、まとまった現金をあらかじめ用意していなくてもその場で必要な分だけを引き出すことができます。両替して持っていく必要もないので、その手間も省けます。
海外の現地通貨を空港や日本国内の銀行で両替するときに、通貨や金額などによって定められた両替手数料がかかります。通貨によっては、キャッシングのほうが両替するよりも手数料が安く済む場合があります。行き先の両替手数料と手持ちのカードのキャッシング手数料のどちらがお得か、事前に確認して上手に利用しましょう。
キャッシングするときに気を付けたいこと
キャッシングを利用するときに気を付けることはあるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。
ショッピング枠とキャッシング枠に注意
クレジットカードには買い物などで使えるショッピング枠と現金を借り入れできるキャッシング枠が設けられています。この2つはそれぞれ別で設けられているのではなく、ショッピング枠の中にキャッシング枠が設けられている形になっています。
例えばショッピング枠50万円、キャッシング枠10万円のクレジットカードがあるとします。50万円を買い物で使用してしまうとキャッシング枠は0円となります。またキャッシングを10万円利用すると、ショッピング枠の利用可能額は40万円となります。同じ月に両方利用する場合は、残りの利用可能額はどれだけか確認しましょう。
不正利用に注意
クレジットカードは、第三者による不正利用を防ぐためにさまざまな対策を行っています。それでも盗難などで不正利用されてしまうことがあります。例えばキャッシング枠の不正利用の場合、カードの盗難や紛失と同時に、設定しているカード暗証番号を何らかの方法で知られてしまうケースなどが考えられます。
キャッシングの不正利用で暗証番号が使われている場合は、基本的に補償の対象となりません。暗証番号を他人に教えないのはもちろんですが、メモをカードと一緒に保管しない、分かりやすい番号は避けるなどの対策をしましょう。カード偽造のようにカードの情報を抜き出すスキミングによって不正利用された場合は、補償の対象となります。
金利手数料がかかる
クレジットカードに付帯するキャッシングを利用すると金利手数料がかかります。金利はクレジットカード会社によって異なりますが、おおむね15.0〜18.0%程度です。
基本的にキャッシングの利息は日割り計算で利用日数分かかります。利息の計算方法は「元金残高×金利×据置日数÷365日」です。
例えば、3万円を実質年率18.0%でキャッシングして、3日後に返済する場合の手数料は「3万円×18.0%×3日÷365日=44円」となり、3万44円を返済します。
金利手数料の負担を軽減するためにも、可能な限り早く返済をしましょう。
返済が遅延・滞納すると信用情報に傷がつく
クレジットカードのキャッシングで返済の遅延や滞納が発生すると、信用情報に登録されます。
信用情報とは、CIC(株式会社シー・アイ・シー)やJICC(株式会社日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)などの信用情報機関が収集・管理する情報のことです。例えば、CICならクレジットやローンの申し込み、契約、支払い情報などを取り扱います。
金融機関は信用情報機関に照会して審査などを行うため、遅延や滞納などの情報があるとローン審査に落ちてしまいます。
キャッシングで返済遅延・滞納をすると信用情報に傷がつき、今後のローン審査に影響が出るため注意してください。
キャッシングに向いている人の特徴
キャッシングの金利は、カードローンと比べても限度額によってはあまり高くありませんが、銀行系のカードローンと比較すると多少の差があります。また、返済方法についてもクレジットカード申込時に登録した口座引き落としのみとなりますので、そういった意味でも融通が利かないなという感じは否めないかもしれません。
しかし、また新たにカードローン会社に申し込んでローンカードを作成するには手間も時間もかかります。したがって、キャッシングに向いている人の特徴としては以下のような方が挙げられます。
1.今現在クレジットカードを所有しており、キャッシング枠が設定されている。
2.上記に加え、借入額がそこまで高額ではない。
3.海外で急に現地の通貨が必要になった。
このような方であれば、カードローンよりもキャッシングを利用されるほうが良いのではないでしょうか。
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キャッシングに関するQ&A
クレジットカードに付帯したキャッシングは、審査や発行までに時間がかかるため即日利用できないことが多いです。利用枠の増額は可能ですが、申請方法は各社で異なり、審査に落ちた場合は増額ができません。
また、カードローンのような無利息期間はないことが多いです。
ここでは、キャッシングに関するQ&Aについて見ていきましょう。
キャッシングは申し込みをして即日利用できる?
クレジットカードのキャッシングは、申し込みをしてから即日利用は難しい場合が多いです。キャッシングの申し込みは、クレジットカード新規作成時に付帯するか、すでに発行しているクレジットカードに付帯するかのどちらかです。
どちらも審査があり、多くの場合、審査結果が分かるまでに時間がかかります。そのため、申し込みをしても必ず即日利用できるわけではありません。
ただし、即日発行できるクレジットカードなどもありますので、キャッシングが即日利用できるか申し込み前に確認をしてください。
利用枠は増額できる?
キャッシングの利用枠は増額できます。増額の申し込み方法はクレジットカード会社によって異なります。
増額申請をして審査を通過すれば、キャッシングを増額できます。ただし、審査に落ちた場合は増額はできません。
カードローンのように無利息期間はある?
クレジットカードに付帯するキャッシングには、大手消費者金融のカードローンのような無利息サービスが付いていないことが多いです。
アコムやアイフルなどの大手消費者金融カードローンは、初めて利用する方を対象として無利息期間を提供しています。例えば、アコムなら初めての方を対象に「30日間金利0円サービス」を提供しており、契約日の翌日から30日間が金利0円です。
しかし、クレジットカードに付帯するキャッシングは、無利息サービスがないことも多いので注意してください。
カードレスでキャッシングできる?
キャッシングは発行されるクレジットカードに付帯しているため、利用にはクレジットカードが必要です。カードを使ってCDやATMで引き出します。
ただし、インターネットや電話で申し込み、口座振り込みも可能です。その場合は、直接的にクレジットカードを使わなくてもキャッシングができます。
まとめ
キャッシングは一時的な借り入れです。したがって利用する前には、必ず返済計画を立てておきましょう。金利のこともありますので、なるべく早めに返済することを想定したうえで、余裕を持って返すことのできる額を借りるようにするべきです。
翌月の収入で一括返済する計画なのであれば、その収入が確実なものであるのかどうか、きちんと把握しておくことも大切です。
また、注意したいのは「キャッシングを利用すると、その分ショッピング枠が減る」ということです。あまり知られていないことですが、キャッシング枠はショッピング枠に含まれています。
例えば、仮にショッピング枠100万円、キャッシング枠50万円のクレジットカードがあるとします。このクレジットカードで10万円のキャッシングをすると、ショッピング枠は90万円になります。
逆に、このクレジットカードのショッピング枠を使って50万円の買い物をしてしまうと、キャッシング枠は0円になってしまいます。特にボーナス月や増税前の駆け込み消費の際にはついつい多額の買い物をクレジットカード払いで行うこともあるでしょう。
そういった際、キャッシング枠が残っていないことがないように、ご自身のクレジットカードの内容も確認しておくようにしましょう。以上の点に注意しながら、キャッシングについては余裕を持った範囲内で上手に活用しましょう。
執筆者:鴨志田 大輔
ファイナンシャルプランナー
※商号:アイフル株式会社
※登録番号:近畿財務局長(14)第00218号
※貸付利率:3.0%~18.0%(実質年率)
※遅延損害金:20.0%(実質年率)
※契約限度額または貸付金額:800万円以内(要審査)
※返済方式:借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式
※返済期間・回数:借入直後最長14年6ヶ月(1~151回)
※担保・連帯保証人:不要
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