更新日: 2020.04.25 その他資産運用
新型コロナウイルスで乱高下!ブレない資産運用とは?
コロナショックと呼ばれている今回の経済状況について、私たちは、どのように市場を分析したら良いのかを考えていきましょう。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
コロナショックの動き
新型コロナウイルスは、もともと中国が感染の中心となっていましたが、今はイタリアをはじめとして欧州諸国に広がり、アメリカにも拡大しています。感染を防ぐために、工場を営業中止にせざるをえなかったり、自宅待機となったり、世界中において経済活動が大きく制限されています。
さらに、国と国との行き来を制限する入国禁止措置は拡大中です。2020年4月3日現在、日本からの渡航者や日本人に対して、入国制限措置がとられている国や地域は180カ国・地域となっています(※1)。旅行などの観光業はもちろん、多くのビジネスチャンスが失われています。
アメリカや日本は、このような経済悪化を大きく危惧し、金融緩和政策が強化されています。例えば、日本では業績が悪化している企業の資金繰り支援のために、資金供給の拡大などが行われます。
このような政府の動きの影響も受けて、株式市場は乱高下を繰り返しており、全体的には株価が大きく値段を下げている状況です。
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リーマンショックのときはどうだった?
今回のコロナショックの状況を見て、2008年に起きたリーマンショックを思い出す方も多いのではないでしょうか。リーマンショックもコロナショックも、経済が悪化するという点においては同じですが、経済危機となった原因が大きく異なります。
リーマンショックの場合、主にアメリカの証券会社などの金融機関が破綻し、世界中にその影響が飛び火しました。当時、企業の業績は悪くなりましたが、私たち労働者は健康で、しっかりと働くことができたので、経済活動を行うことができました。
そして結果として、リーマンショックの際は、2013年頃から、日本の景気が上向きになりました。リーマンショック時の景気の動きについて詳しく知りたい方は、内閣府のレポート(※2)を参考にしてみましょう。
心配でたまらない人へ
リーマンショックとは異なり、コロナショックの場合、もともと企業の経営状態は問題なかったのですが、人が経済活動を行うことができず、景気が悪化しています。新しい価値を生み出すことができず、お金が循環しないため、運転資金などが回らずに、企業が倒産してしまうという状況に陥っています。
株や投資信託を保有している方の中には、どんどん値段が下がる状況を見て、心配になっている方も多いでしょう。焦って売却をしたり、デイトレーダーのような売買を繰り返すような人も出てくるかもしれません。
しかし、新しいワクチンが完成したり、新型コロナウイルスの蔓延が終息していけば、また以前のように、私たちは経済活動を平常どおり行うことが可能です。
もちろん、しばらく時間がかかりそうですが、資産運用においても、ここは少し耐えるのも戦略の1つです。今すぐお金が必要だという方以外は、慌てて売却をせずに、今後の様子をじっくりと見据えてみてはいかがでしょうか。
景気が上向きになるまで、じっくり長期投資を実践すると決めて冷静になる方が、毎日の株価にハラハラせずに過ごすことができるかもしれません。
市場が大きく荒れている今だからこそ、資産運用の基本である、「長期投資」や「分散投資」というルールに立ち戻ることが大切です。経済ニュースにアンテナを張りつつ、ブレない運用方針を持って運用を続けることが、資産運用の成功のポイントとなるでしょう。
参考
(※1)外務省 「海外安全ホームページ」
(※2)内閣府 「平成25年度 年次経済財政報告」
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者