更新日: 2020.04.07 株・株式・FX投資

株式には決してない・・債券の2つの約束とは

株式には決してない・・債券の2つの約束とは
最近、外貨投資にこだわって書いて参りましたが、ここで河岸を変えて、株式投資と債券投資の違いについて、述べてみたいと思います。なお、ここで言う債券とは「利付債」のことです。
 
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

株式投資と債券投資…共にインカムとキャピタルの両方があります

株式投資と債券投資、共に、インカムゲインとキャピタルゲインの両方があります。
 
インカムゲインとは、株式や債券などを保有期間中に得ることができる、収入のことです。株式を決算日に保有していると得ることができるのが配当金。債券を利払い日に保有していると得ることができるのが利息です。これらはインカムゲインに入ります。
 
キャピタルゲインとは売却益(損)のことです。株式を安く買って、高く売れば、その差額がキャピタルゲインになります。
 
債券を額面よりも安く買って、満期(=償還日)まで持ち続ければ、額面との差額がキャピタルゲインとなります。同じく、債券を安く買って、(満期を待たずに)高く売却すれば、その差額がキャピタルゲインとなります。
 

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株式には無い、債券の2つの約束

債券には、株式には無い2つの約束があります。
 
1つは満期です(ちなみに、債券では満期のことを償還と言いますが、本稿では満期とさせて頂きます)。株式には満期はありません。株式を発行した会社が上場する限り、ずっと有効です。
 
なので、保有している株式を現金化したい時には、証券会社を窓口にして、証券取引所で売却します。つまり、保有している株式を現金化したい時には「次の買い手」が見つからない限り、現金化できない、ということですね。
 
それに対し、債券には満期があります。会社が発行する社債の満期は、長くても10年を超えることは無いと思います。一方、日本政府が発行する国債の満期は、長いものですと、何と40年というものもあります。
 
債券は満期が来ると、債券を発行した会社・自治体・政府が、債券の額面で現金を返してくれることになっています。
 
もっとも、債券も満期前に売ってしまうことが可能ですが、その時の債券価格で売ることになります。なので、額面よりも高く売れるかもしれないですし、安く売ることになるかもしれません。
 
2つ目の約束は利息の受け取りです。
 
債券は発行の段階で、利率が約束されています。もっとも、満期10年の個人向け国債のように「変動利率」型もありますが。債券の発行の段階で、利率が約束されている、ということは、受け取ることできる利息の額が安定している、すなわち、債券の利息は安定している、ということです。
 
ところが、株式のインカムゲインである配当金は安定していません。と申しますのも、配当金は「会社の利益の配当」なのです。つまり、配当金の金額は「会社の利益しだい」ということになります。
 
まあ、中にはアマゾンのように大きな利益を上げても、「配当金はゼロ」のまま、という会社もありますが。ということで、配当金は利益と共に「経営者しだい」とも言えます。
 

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まとめに代えて

株式投資と債券投資の違いについて、大きく2つに絞って見て参りました。債券には、株式には無い2つの約束があります。そのため、株式に比べると、債券の方が「安定運用」とも言うことができます。
 
が、債券も預金とは違います。債券を発行した政府・自治体・会社が、デフォルトを起こしてしまうこともあります。デフォルトとは、「利息や額面を払うことができません」という意味です。
 
なので、債券も株式と同じように「自己責任による投資」です。しかし、あくまでも株式と比べて、債券は安定している、ということです。
 
ちなみに、外貨建て生命保険において、保険会社はお客様が払い込んだ保険料の中から経費等を差し引いた残りを、債券などで運用しているようです。その債券の多くは、ここで述べてきた利付債ではなく、ゼロクーポン債と言われています。
 
ということで、次回はゼロクーポン債について述べてみたいと思います。
 
執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
 

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