更新日: 2020.05.25 その他
海外旅行がお得なのは、円安時期?円高時期?
円が高くなったのだから、昨日は1米ドル=110円だったのでは? と思う方もいらっしゃるかもしれません。
円高・円安がすぐ判断できるように、円高・円安を理解していきましょう。
執筆者:安本貴子(やすもとたかこ)
やすもとファイナンシャルプランニング事務所代表/株式会社YFP代表取締役
1級FP技能士、CFP(R)、宅地建物取引士、証券外務員2種。
主婦となり家計を任されたとき、自分自身の「お金」にまつわる知識のなさに愕然とする。生命保険のこと教育費のこと、いつかは来る老後のこと。わかりにくい年金のこと……何から手を付ければよいのか、いったい誰に相談すればよいのか……そんなときに出合ったFPという資格。将来の人生設計に必要な「お金」のこと。FP資格を取得後、独立系FP事務所に約8年勤務。「本当にお客様のお役に立つ提案をしたい」という信念より「やすもとファイナンシャルプランニング事務所」を開業。現在は個別相談を中心に、経験に基づいた家計の相談と、無駄を省いたわかりやすい保険の解説が好評。そのほか、大学のFP講座講師や、セミナー講師としても活動中。大学生と高校生の母。
http://yasumotofp.com
例えば、ハワイでお買い物してみましょう
ハワイで箱入りのチョコレートが10米ドルで販売されていたとします。
1米ドル=100円の時は、このチョコレートは「10米ドル×100円=1,000円」です。そして、1米ドル=80円の時は、このチョコレートは「10米ドル×80円=800円」です。
同じ箱入りのチョコレートで、同じ10米ドルですが、為替が変わると日本円で支払う金額が異なります。1米ドル=100円の時は1,000円払っていたチョコレートが、1米ドル=80円の時には800円で買えます。同じものをより少ない円で購入することができます。これは、1円の持つ力が強くなっていると考えられ、1円の価値が上がります。すなわち円高です。
1米ドル=100円から1米ドル=80円になると、20円の円高になったといえます。
その逆を考えてみましょう。1米ドル=100円の時に、1,000円で購入できたチョコレートですが、1米ドル=120円になると、1,200円必要になります。沢山の円を支払わないと買えなくなり、1円の持つ力が弱くなります。1円の価値が下がる、すなわち円安です。
1米ドル=100円から1米ドル=120円になると、20円の円安になったといえます。
円高と輸入の関係
先ほどのチョコレートをハワイで購入するのではなく、日本に居ながらにして購入するのが輸入です。
同じ10米ドルのチョコレートを80円で購入するのと、120円で購入するのではどちらが買いやすいでしょうか。80円で購入するほうですね。一般的には、円が高くなると、海外の商品を輸入しやすくなります。
円安と輸出の関係
次に輸出です。日本から製品を海外に出す。日本円以外の通貨で購入してもらう時のことを考えてみましょう。
例えば、300万円の日本製自動車を輸出します。1米ドル=100円の時は「300万円÷100円=30,000米ドル」で販売します。これが円高になり、1米ドル=80円になると「300万円÷80円=37,500米ドル」必要になります。
逆に円安になり、1米ドル=120円になると「300万円÷120円=25,000米ドル」で販売します。そして、海外の企業や個人に日本製品を購入して欲しいと考えると、37,500米ドルで購入してもらうか、25,000米ドルで購入してもらうのでは、どちらが購入してもらいやすいでしょうか。
25,000米ドルで購入して貰うほうですね。一般的には、円が安くなると、日本の製品を輸出しやすくなります。
海外旅行はどちらが有利? それは円高時です
先ほどの例をみると、ハワイでチョコレートを購入する時に、円高時は80円、円安時は120円でした。海外旅行で有利なのは、80円で購入できる円高時と言えます。しかし、円高・円安は自分の意志でコントロールできるものではないので、旅行の予定がある時期が円高であればラッキーですね。
円高になったのか、円安になったのか、どちらかわからなくなったときは、ハワイでチョコレートを購入する脳内買物をしてみてくださいね。
(注)この記事内の為替の数字は、例としてわかりやすい数字を使用しています。
Text:安本貴子(やすもとたかこ)
やすもとファイナンシャルプランニング事務所代表/株式会社YFP代表取締役
1級FP技能士、CFP(R)、宅地建物取引士、証券外務員2種。