公開日: 2019.06.23

ゆとりある老後を過ごしたい。これからの時代の資産運用とは?

最近よく聞かれるようになった、「人生100年時代」という言葉。これに対して、先日金融庁が初めて指針案をまとめ、発表しました。退職するまでの現役期、退職前後、そして退職後の高齢期の3つに分け、資産形成の必要性、そしてその心がまえなどが記されています。
 

これまでの勤労者のイメージ

これまでの日本人の生涯設計イメージは、60歳で退職し、親からの相続と退職金を合わせた資金で、平均寿命である80歳くらいまで生きるというものでした。
 
もちろんその間、要介護生活になる可能性もあるものの、その資金についても退職金等の額でまかなうとされていました。
 

これからの勤労者のイメージ

ただし、これからはそうはいきません。退職年齢を65歳まで引き上げる企業も多くなっていますし、超高齢化社会に伴い親の介護も発生します。
 
日本人の平均寿命は現在、男性が81歳、女性が87歳ですが、「健康寿命」と言われる、介護を必要とせずに生きられる年齢は、男性で72歳、女性で74歳とされています。
 
そうなると、自分がまだ退職しないうちに、親の介護が必要となる可能性があります。親の介護を抱えながら、できるだけ長く働くのはなかなか困難ではありますが、そのような事態が当たり前な時代になると予想されます。
 

これからの時代の資産運用とは?

30歳~50歳手前くらいは、いわゆる「現役期」という働き盛りの世代です。この世代はまず、「資産を築く」ことを考えなければなりません。
 
具体的には、
1 NISAまたは積立の制度を活用し、継続的にそして計画的に資産形成を行う
2 まだ若い世代なので、できれば国内外の株式に投資する

ことがポイントとなります。
 
ここで重要なのは、「長期視点での継続投資」ということです。50歳手前から70歳を超えるくらいになると、「退職前後期」に位置づけられ、それまで築いてきた資産を今後どのように活用していくか、考える時期となります。
 
金融庁の発表では、95歳まで生きると仮定した場合、年金だけでは2000万円が不足するとなっていますが、この金額はかなり抑えた額です。
 
理想は、これから来る長生き(人生100年)時代に備え、70歳までに3000万円の資産形成を行う。そこから年3%の利回りで運用しながら、切り崩していくというスタイルです。
 
そうすることにより、70代後半からの高齢期時代でも、資産が不足することなく、ご自身が介護状態になった場合にも対応できるでしょう。ゆとりのある老後を過ごすには、大きな資産が必要となります。また、インフレにも備えておく必要があります。
 
最近の超低金利時代では、預貯金だけで資産を増やすことは困難ですので、どうしても自助努力での資産形成が必要となります。
 
自助努力での資産形成には「正しい金融知識」、そして「判断力」が不可欠です。投資の基本である「資産の分散」「時間の分散」「長期投資」をきちんと理解し、どのような商品で資産形成を行っていくかを考えることが大事です。
 
資産運用について、まだまだ抵抗のある方が多く、値動きの大きい株などはできれば避けたいという方もいらっしゃいます。最近はそのような方のための商品として、投資信託が注目を集めています。
 
もちろん、運用商品ですので元本割れのリスクはあるものの「少額で投資できること」「運用をプロに任せられること」「分散投資ができること」などで、人気が高まっています。そうした商品をいくつか組み合わせて、上手に資産形成を行っていくようにしましょう。
 
出典
金融庁「高齢社会における金融サービスのあり方(中間的なとりまとめ)」
厚生労働省「平成29年簡易生命表の概況」
公益財団法人生命保険文化センター「健康寿命とはどのようなもの?」
 
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者
一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー
住宅ローンアドバイザー
証券外務員
 



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