最終更新日: 2019.06.17 公開日: 2019.06.13

【FP解説】障害年金の疑問解決!「5年以上前のカルテに書かれていませんか?」

障害年金を受給しようと思って、請求の準備に取りかかったものの、たちまちのうちに行き詰まってしまう人が少なくありません。
 
その理由の多くが、「初診証明を入手できない」「初診までに保険料をしっかり納めていなかった」など、初診日をめぐるものです。請求の前提条件が整わないのですから、弱りますよね。
 
でも、解決法がないとも限りません。その解決法をシリーズで、いくつか紹介します。第1回は、「5年以上前のカルテに書かれていませんか?」です。
 

障害年金を受給するにあたっての3要件

本題に入る前に、障害年金を受給するにあたっての3要件をおさらいしておきましょう。次の通りです。
 
【1】加入要件
原則として、傷病の初診日が被保険者期間中にあること。
 
【2】納付要件
初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間があるときは、その被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除・猶予期間を合算した期間が3分の2以上であること。
 
または、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに、保険料の未納がないこと。
 
【3】障害要件
障害認定日において、国年令別表、厚年令別表第1・第2に定める程度の障害の状態にあること。
 
障害年金請求の前提となるのが、上記の【1】加入要件と【2】納付要件です。どちらも、特別な条件下の場合を除いて、初診日がはっきりしなければ、要件を満たしているのかどうかが判断できません。
 

「本人申立て」、かつては認められないことも

障害年金を請求するまでの間には、病院を転々としていることが珍しくありません。最初の病院の名前を覚えていなかったり、病院名はわかっても、すでに閉院していたり、病院に問い合わせるとカルテが残っていなかったり、ということがあります。
 
こうしたときは、2番目の病院、3番目の病院と順次、尋ねていきます。
 
しかし、2番目の病院、3番目の病院で、最初の病院について医師に話したことがカルテに残っていても、前の病院の紹介状でもない場合は、いわゆる「本人申立て」となります。かつては「証明力が弱い」として、認められないことがありました。
 

「本人申立て」でも、5年以上前のカルテに残っていればOKに

これが、平成27年の厚生労働省令と、これに基づく課長通知で変わったのです。障害年金請求時の5年以上前に、請求者が医師に話した初診日の説明がその当時のカルテに残っている場合は、その内容を認めることができるとされたのです。
 
ありていに言えば、「障害年金をもらうために、5年以上も前から医師にウソを言って、準備をするようなケースは考えにくい。請求者を信用しよう」ということですね。
 

請求を断念した経験がある人も、再検討を

初診日の証明のためには、2番目の病院、3番目の病院で「受診状況等証明書」を作成してもらいます。この証明書に、請求者が最初の病院についていつ、どのように医師に話したか、そのカルテの作成日はいつかをきちんと書いてもらうようにお願いすると良いでしょう。
 
先に、「特別な条件下の場合を除いて」と書きました。「特別な条件」というのは、初診日が、国民年金に加入する前の20歳以下の場合です。また、20歳の後でも、保険料の未納が少なくて、初診日がどの時点でも【2】の納付要件を満たしている場合です。
 
障害年金の制度も徐々に変化しています。請求を断念した経験がある人も、再検討してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:和田隆(わだ たかし)
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士
 



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