更新日: 2020.05.09 確定申告
確定申告期限直前! サラリーマンに多い“忘れがちな確定申告”を確認しておこう
しかし、そんなサラリーマンであっても、確定申告をしなければいけない場合もあります
今回は、サラリーマンに多い“忘れがちな申告”について、解説していきたいと思います。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
忘れがちな確定申告
確定申告というのは、それをしなければいけない人が決まっています。
毎年、確定申告をしている人というのは、基本的には確定申告を忘れることはありません。しかし、サラリーマンが毎年行っているのは年末調整であり、基本的には確定申告を行う必要がありません。
サラリーマンが確定申告をしなければいけないときというのは、“例年と違う”ことがあった場合に限られます。“例年と違う”ため、忘れがちになってしまうのですね。
そんな、サラリーマンが“忘れがち”になってしまう場合としては、以下の2通りが考えられます。
(1)副収入が20万円を超える場合
(2)特定の所得控除や税額控除を受ける場合
以下、この2点について詳しく見ていきたいと思います。
忘れがちな副収入
国税庁のホームページでは、副収入としてどのようなものがあるのか、具体例をあげています。参考として以下にあげておきましたので、確認してみてください。
(1)衣服・雑貨・家電などの資産の売却による所得
(2)自家用車などの貸し付けによる所得
(3)ホームページの作成やベビーシッターなどの役務の提供による所得
(4)仮想通貨の売却等による所得
(5)競馬などの公営競技の払戻金による所得
このような方で、その収入の合計額が20万円を超える場合、確定申告が必要となります。この申告(と納税)を行わなかった場合、“脱税”になってしまいますので注意が必要です。
忘れがちな所得控除・税額控除
一口に所得控除といっても、その種類は14種類あり、内容はさまざまです。
サラリーマンの場合、基本的な所得控除(基礎控除、生命保険料控除、扶養控除など)は、会社に申告することで年末調整時にその控除を受けることができます。
しかし、特定の所得控除については、自分で確定申告を行わなければ控除されないものがあります。
このうち、サラリーマンが忘れがちな所得控除としては、以下の2つが考えられます。
(1)寄附金控除(ふるさと納税)
(2)医療費控除
また、税額控除といって、所得税額から一定の金額を控除できるものもあります。税額控除の場合、所得控除とは違い、基本的には確定申告をする必要があります。
サラリーマンが忘れがちな税額控除として、以下の2つが考えられます。
(1)住宅借入金等特別控除(1年目のみ。2年目以降は年末調整で控除可能。)
(2)寄附金特別控除
これらの申告を行わなかった場合、控除はされず、“節税”にはなりません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。心当たりはありましたでしょうか。
例えばふるさと納税をしたとき、あるいは住宅ローンを組んだとき、「節税になる」という話を聞いたことのある方が多いでしょう。
しかし、手続きについて「どのようにしたら良いか」までは認識しておらず、“自動的に”税金が引かれていると思っていたら大間違いです。年末調整では、これらの控除は受けられません。
確定申告をして、しっかりと制度を生かしていきましょう。
[出典]
国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
国税庁「副収入などがある方の確定申告」
国税庁「『所得から差し引かれる金額』(所得控除)」
国税庁「医療費を支払ったとき」
国税庁「寄附金を支出したとき」
国税庁「No.1200 税額控除」
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー