更新日: 2019.12.18 控除

配偶者控除申告書とは? 書き方・注意点を解説

配偶者控除申告書とは? 書き方・注意点を解説
2017年度の税制改正により、所得税の「配偶者控除」の要件や申告方法が変わりました。
 
それまでは、「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」を提出すれば、配偶者控除の申請もできていましたが、2018年からは新たに「給与所得者の配偶者控除申告書」の提出が必要となりました。どのようなものなのか、見ていきたいと思います。
 
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

http://moneysmith.biz

配偶者控除申告書とは?

配偶者控除申告書とは、正式には「給与所得者の配偶者控除等申告書」と呼ばれるもので、配偶者控除や配偶者特別控除を受けようとする場合に、提出が必要となります。
 
これまで所得税の扶養控除内で意識されていた103万円の壁は配偶者控除のことで、この額には変更はありません。今回の改正では、配偶者特別控除が150万円まで拡大されています。

・配偶者控除とは?

配偶者控除とは、配偶者控除の38万円を給与所得者の収入から控除できるという制度です。よく、「年間103万円までは所得税の扶養の範囲内」といわれますが、これは、配偶者控除の38万円と配偶者本人の基礎控除65万円を足した103万円のことです。

・配偶者特別控除とは?

2017年までの税制では、配偶者特別控除は配偶者控除の要件以上の収入を得た場合には、段階的に控除額が減額され、76万円以上(収入金額141万円)の合計所得金額になれば、控除を受けることができなくなっていました。
 
しかし、今回の改定で配偶者控除と同額の38万円の控除が受けられる収入金額が150万円まで引き上げられ、201万円までの収入金額であれば配偶者控除が受けられるようになりました。
 

 

財務省「平成29年度税制改正」(平成29年4月発行)パンフレット「個人所得課税・資産課税」より
 

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配偶者控除等申告書の書き方

年末調整の書類を記入するときには、年内の年収が確定していませんので、12月までの見込み額を「あなたの合計所得金額」の該当する所得の個所に記入することになります。まず、真ん中あたりにある、合計所得金額の見積額の計算表で、給与所得者ご本人の所得金額を計算します。
 

 

 
給与所得のみの方は一番上の給与所得の収入金額の見込み額(見積額)を記入します。その額に対して、裏面の所得の区分から収入金額に対してどれくらいの給与所得の金額になるか計算し、右の欄に所得金額を記入します。
 
例えば給与所得の見込み額が500万円だとすると、346万円となります
500万円÷4=125万円
125万円×3.2-54万円=346万円
 
配偶者の方の所得金額も同様に計算し、合計額を算出しておきます。
 
一番上部には給与所得者ご本人の情報を記入して、下段には年収の見積額を記入します。見積額の右には判定とあり、900万円以下か900万円以上950万円以下か950万円以上1000万円以下かチェックを入れ、その右の区別Ⅰに該当するアルファベットを記入します。
 
その下段には、配偶者の情報を入れ、右に配偶者の見積額と判定をします。判定をしたら判定の右にある数字を区分Ⅱに記入します。
 
給与所得者ご本人の判定と配偶者の判定を記入したら、一番下段にある表から配偶者控除額を調べ、下段右の欄に配偶者控除額か配偶者特別控除を記入します。

・配偶者控除等申告書はどこでもらえるの?

配偶者控除等申告書は、お勤めの企業から年末調整のときに配布されます。上記に添付していますが、国税庁のホームページよりPDFやExcelファイル形式でダウンロード可能です。早めにほしい方は、国税庁のホームページをご覧ください。
 
その年の最後の給与等の支払いを受ける日の前日までに、給与の支払者へ提出をしてください。
 

まとめ

2018年から配偶者特別控除が拡大されました。所得税の扶養範囲であった103万円は変わりませんが、103万円を超えて収入を得た場合でも2017年以前よりわずかですが、給与所得者ご本人の所得税はお得になっています。
 
上記例の収入が500万円の方は、配偶者の方が150万円まで収入があった場合、以前だと配偶者特別控除もなくなっていましたが、この改正で103万円が控除されます。さらに、配偶者の方の収入も47万円増えますね。
 
しかし、扶養は所得税だけではなく社会保険の扶養もあります。130万円もしくは106万円以上の収入がある場合には、扶養から外れて配偶者ご自身で社会保険に加入する必要があり、手取りの額はさらに少なくなることもあります。
 
社会保険の扶養は外れたくないと思われる方は、どれだけの収入にすれば社会保険の扶養は外れなくて済むか考える必要があります。
 
出典
財務省「平成29年度税制改正」(平成29年4月発行)パンフレット「個人所得課税・資産課税」
国税庁 [手続名]給与所得者の配偶者控除等の申告
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー


 

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