更新日: 2019.07.31 その他税金

増え続ける「空き家」は何が問題?今後は空き家を放置すると税金が最大6倍になることも?

増え続ける「空き家」は何が問題?今後は空き家を放置すると税金が最大6倍になることも?
近年空き家が増加し続けています。総務省が今年の4月に発表した2018年10月時点の住宅・土地統計調査(5年ごと)によると、国内の住宅総数に占める空き家の割合は過去最高の13.6%となりました。
 
地方を中心に人口減少などで空き家が増え、戸数も最多の846万戸。政府は中古住宅の活用や老朽化した空き家の撤去を促す政策を相次いで導入していますが、空き家の増加に追い付いていないのが現状となっています。
 
今後空き家問題はどうなっていくのでしょうか?
 
宮路幸人

執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)

税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有

不動産・相続に強みがあります。会計事務所勤務が長く実務経験が豊富です。フットワ-クが軽くお客様のニーズに応えるよう日々努力しております。また離島支援活動も積極的に行っております。

空き家増加による影響とは

空き家が増加し続けている大きな理由は、やはり少子化であると言われています。また、雇用が都市部に集中し、地方が過疎化していることや、家が余っているにもかかわらず都心部においてマンションなどの開発が続けられ、戸数が増加していることもあげられます。
 
55年前の昭和38年の空き家率は戦後の住宅不足などもあり、わずか2.5%でした。その後右肩上がりに空き家率は増加し続けています。今後も人口や世帯数の減少が見込まれており、空き家問題は一層深刻になることが予想されます。政府は対策を急いでいますが、空き家の増加に歯止めがかからない状況です。 
 
そもそも、なぜ空き家が問題となるのでしょうか?
 
まず、人が住んでいないと建物が傷みやすく、老朽化し、倒壊の危険性が高まります。ごみの不法投棄もされやすくなり、害獣・害虫の温床になったり、路上生活者などの寝床になることも考えられます。そのため、管理面でも近隣住民に不安が生じることとなります。
 
少なくとも老朽化した建物は壊すべきですが、所有者が自宅を空き家にしたまま高齢者施設に入居したり、相続人が解体費用の資金負担を嫌がり、そのまま放っておいたりするということも多くあります。
 
空き家を解体する場合、小さな戸建てでも100万円程度の資金が必要となります。加えて、相続人にしてみれば「生まれ育った家を壊す」という感情面の難しさで、解体に踏み切れない場合が少なくありません。
 
また、空き部屋の種別については、半数以上が賃貸物件となっています。近年の銀行融資の緩和や相続税対策として、サブリースの賃貸物件を建設するという流れがありました。需要の低い地方においても賃貸物件を建設したため、賃貸物件の空きが目立ち始めてきています。
 
都心部においては、戸建ての空き家よりも、マンションなどの空き家のほうが多いのが特徴です。東京都では、共同住宅の空き家が71%となっています。戸建ての解体も大変ですが、マンションなどの場合、解体するのはさらに容易ではありません。
 
また、管理費などの滞納の問題も生じることとなり、事態は一層深刻です。今後は管理不十分なマンションはスラム化する危険性が高いため、将来に向けて区分所有法の改正を含めた対策を行うことが急務となっています。
 

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税金についての検討や今後の対策について

従来、空き家が放置されるのは、解体して更地にしてしまうと固定資産税が最大6倍になってしまうためという事情がありました。 
 
現在は改正により、建物が適正に管理がされていない場合については「特定空き家」に指定され、更地でなくても固定資産税が最大6倍になることがあります(負担調整の経過措置あり)。ほか、罰金が最高50万円、代執行が執行された場合はその費用が請求されることとなります。
 
今後の対策としては、空き家の解体費用を助成する自治体も多いため、まず助成金が受けられるかどうかを確認し、積極的に活用されることをおすすめします。空き家の利用予定がないのであれば早めに解体、処分を決断したほうが将来的によいと思われます。
 
また、平成28年4月より「空き家の3000万円特別控除」が創設されました。これは相続により空き家になった不動産を相続人が売却し、適用要件を満たした場合には、当該不動産の売却した際の譲渡所得から3000万円を控除することができるというものです。相続があった場合には、適用されるかどうか要件をチェックしてみましょう。
 
簡単ではありますが、空き家の現状と税金面においても優遇措置があるということについて述べさせていただきました。今後も増え続けると思われる空き家問題。まずはご自身の実家について考えてみるのがよいかもしれません。
 
出典:総務省 統計局「平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」
 
執筆者:宮路幸人
税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有

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