消費増税に合わせて実施される、ポイント還元制度って?
配信日: 2019.07.16
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ
保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なオンラインセミナーを毎月開催。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子どもが寝てからでも参加できるよう、セミナーや相談は夜も行っている。
ポイント還元制度とは
ポイント還元制度は、増税による消費の落ち込みを防ぐことを目的として作られた制度です。さらに、中小企業のキャッシュレス化を支援する目的もあるため、ポイント還元の対象となるのは、消費者が中小店舗でキャッシュレス決済をした場合に限られます。
対象となる中小店舗は7月下旬に発表され、9月ごろには、対象店舗で統一ポスターが掲示される予定です。実施期間は消費税引き上げ後9カ月間となっています。
ポイント還元率
還元率は対象店舗によって異なります。中小規模の店舗の場合は5%。中小規模のフランチャイズ店などは2%です。大手企業の店舗においては、ポイント還元対象外となっています。
ポイント還元対象外の企業においては、独自の施策が打ち出される可能性もあるでしょう。とはいえ「消費税還元セール」といった、消費税に関連付けた宣伝や広告は禁止されています。
一方で、たまたま消費税率と一致するだけの「8%還元セール」といった表示は禁止されておらず、ポイント還元対象外の店舗においては、どのような施策が実施されるかは10月1日以降になってみないとわからないと言えます。
ポイント還元対象外の商品や事業者
切手や商品券、プリペイドカードはポイント還元対象外です。また自動車や新築住宅においては、別途税制改正や増税支援対策が実施されるため、対象外となっています。さらに、そもそも消費税がかからない土地、学校の授業料・入学金、住居用の家賃もポイント還元対象外です。
次に、ポイント還元対象外となる事業者は、下記の事業者です。地方自治体、公共法人、保険会社、銀行、医療期間、介護サービス事業者、学校、宗教法人などこれらの事業者への支払いは、キャッシュレスで支払ったとしてもポイント還元はありません。
対象のキャッシュレス手段は
QRコード等です。一例として、ポイント還元対象となるキャッシュレスサービスは、下記のとおりです。
・クレジットカード
Visa、マスターカード、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ
・電子マネー
iD、WAON、nanaco、楽天Edy、交通系電子マネー(PiTaPaを除く)、QUICPay
・QRコード
PayPay、楽天Pay、LINEPay、メルPay、d払い、りそなウォレット
・その他
J-Debit
増税までにキャッシュレスに慣れておく
政府は現在、キャッシュレス化を推進しています。理由はいくつかあり、少子高齢化によって労働人口が減少するため、店舗を省力化させること、消費の利便性を向上させること、不透明な現金のやりとりを抑制することによる税収向上などです。
さらに、2020年にオリンピックが開催されることもあり、キャッシュレス化をより一層促進しています。最近では、様々なキャッシュレスサービスが登場しています。キャッシュレスについては、興味があるか、ないかで利用頻度が分かれるところでしょう。
今後キャッシュレス化のさらなる普及が予想されます。消費税増税までにお気に入りのキャッシュレス方法を見つけてはいかがでしょうか。
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ