更新日: 2019.08.20 その他税金
4月、5月、6月定時退社を目指すべき理由
ビジネスシーンにおいても春は、様々なタスクがあります。皆さまが毎月受け取る給与においても、4月・5月・6月はとても重要な数字の査定をする時期なのです。
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』 https://www.voicemarche.jp/advisers/781
社会保険料の標準月額が決まる月
毎月の給与から引かれる『社会保険料』。大きく分けると「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の5種類があります。
これらの金額はどうやって決めるのでしょうか!? 他の人と比べて不公平感はないのか? 基準は何なのか? 私も若い頃、全く知りませんでした。
実はこの『社会保険料』ですが、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」については、「標準報酬月額」という給与の平均額より等級が決まり、基本1年間はこの数字で計算されます。
しかし、1年分の平均を計算するにしては、期間が長すぎます。また、何を対象にするのか等も問題ですので下記の様なルールがあるのです。
<標準月額の計算と採用ルール>
仕事があるのに、「標準報酬月額」が決まるから残業をしない! となると、何か違和感がありますが、会社全体がその様なムードになっているかもしれませんね。
現物支給の計算方法
報酬は給与だけでなく、現物支給という形で支給されることもありまます。
現物支給とは、食事やタクシー券、会社で借り入れてくれている住居などです。アパレル等では洋服の支給もあるかと思います。その場合は、現物を通過に換算した後、報酬に合算して「標準報酬月額」を求めます。
そのうち、食事や住宅に関しては「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」(厚生労働所告示)に定められた額に基づいて通貨に換算します。この「厚生大臣が定める現物給与の価額」は都道府県毎に定められています。
主な数字は以下となりますが、機会があったらその細かい根拠をインタビューしてみたいと思います。住居に関しては、廊下や玄関等は対象にならず、台所等飲食のスペースと寝るスペースの「畳」数を足した部分となります。
<その他の都道府県は下記をご参照ください>
日本年金機構HP
全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物支給の価額/平成31年4月〜)
厚生年金と健康保険では算定表が違う
『社会保険料』(厚生年金・健康保険と介護保険)を決定する「標準報酬月額」は統一ではありません。「厚生年金」と「健康保険/介護保険」のふたつに分かれます。
<厚生年金>
月額下限88,000円~上限620,000円まで/31等級
日本年金機構HP
平成29年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表
<健康保険>
月額下限58,000円(日額1,930円)~1,390,000円(日額46,330円)まで/50等級
全国健康保険協会(協会けんぽ)HP
平成31年度保険料額表(平成31年3月分)
※都道府県により異なります。
健康保険に関しては、都道府県毎に違います。同じ給与でも、転勤などの要件で、給与の際の天引き金額が変わる可能性もありますので、注意してください。
また、皆さまの給与から天引きされている金額は、実は全体の保険料の「2分の1」のみ。「労使折半」という制度で、会社と個人で半分ずつを出し合っています。会社員になるということは、額面の給与以上にメリットがあるものなのです。
雇用保険・労災保険はどのように決まるのか!?
労災保険は全額企業負担となっています。ですから、社員からの給与天引きはありません。労災保険は、勤務中及び通勤の往路の事故の際も対象となりますが、こちらも注意が必要です。
仮に仕事が終わったあと、会社に請求している交通費の区間外の駅で、デートや飲み会に参加したとします。その帰りに、事故に巻き込まれたとしましょう。
その際は、労災の対象とはなりません。また出勤時、会社方面とは反対側の駅にあるジムに行き、その後駅の階段で怪我をした。そちらも対象とはなりません。あくまで、正規ルートでの話です。一方、雇用保険は給与額面に雇用保険料率を乗じた金額となります。
社会保険のありがたさは、若いうちにはなかなか気がつかず、天引きされる金額ばかりに目が行きがちです。しかし、自分の生活を守り、大きな保障もあります。
退職後この制度のありがたさを感じ、後悔するという話を伺うことも。新入社員の方にも、しっかり教えて差し上げてくださいね。
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー、相続診断士