新築住宅に「トイレを2つ」設置しようと検討中です。設備がいろいろあると固定資産税が高くなると聞きましたが、何があると高くなるのでしょうか?

配信日: 2025.06.14

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新築住宅の計画において、設備の選定は快適な暮らしを実現するために重要ですが、固定資産税への影響も考慮する必要があります。
 
特に、トイレを2つ設置する場合など、設備の数や使用する素材によって、税額が変動する可能性があります。本記事では、固定資産税が高くなる要因となる設備について解説し、税負担を抑えるためのポイントをご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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固定資産税が高くなる設備とは?

固定資産税は、土地や建物の評価額に基づいて課税されます。建物の評価は、構造や使用されている建材、設備の内容などが対象となります。特に、以下のような設備は評価額を押し上げる要因となります。
 

・トイレの数と種類

トイレの数が増えると、その分評価点数が加算されます。また、洋式トイレは和式トイレよりも評価が高くなる傾向があります。
 

・浴室のサイズと仕様

標準的な浴室サイズ(約160×160cm)を超えると評価額が上がります。また、タイルや石の壁、ヒノキの浴槽など高級な素材を使用した場合、評価額が上がることがあります。
 

・キッチンの仕様

システムキッチンやアイランドキッチンなど、高機能で大型のキッチンは評価が高くなります。
 

・床暖房やビルトインエアコン

これらの設備は建物の一部と見なされ、評価額が上がる要因となります。
 

・外壁や屋根の素材

タイル張りの外壁や屋根一体型の太陽光パネルなどは評価額が上がります。
 
他にもホームエレベーターの有無や、洗面台の数なども評価に影響します。これらの設備は、快適な生活を提供する一方で、固定資産税の負担を増加させる可能性があります。
 

トイレを2つ設置すると固定資産税はどれくらい増える?

トイレを2つ設置する場合、1つ追加するごとに評価点数が加算されます。例えば、京都市の「令和6年度 固定資産評価要領(別冊)家屋評点付設の手引」によると、洋式トイレ1つの評価点数は6万4400点です。
 
評価額はこの点数に1点あたりの価額や経年減点補正率などをかけて計算されます。1点あたり1.1円として、固定資産税の標準税率1.4%をかけると、トイレ1つあたり年間の税額はおおよそ800~1000円が目安です。
 
ただし、これはあくまで概算であり、実際の評価額は自治体の評価基準や建物全体の仕様によって異なります。
 

固定資産税を抑えるためのポイント

固定資産税の負担を軽減するためには、以下の点に注意することが有効です。
 

・設備の数を必要最小限にする

トイレや洗面台などの設備は、必要な数にとどめることで評価額の増加を抑えられます。
 

・高価な素材や特殊な設備を見直す

外壁や屋根、内装などに高価な素材を使う場合や、ホームエレベーターや防音室など特殊な設備があると評価額を押し上げる要因となります。一般的な仕様であれば評価への影響は限定的ですが、明らかに高価または特殊な場合は加算対象となるため、機能性とコストのバランスを考慮して選定しましょう。
 

・シンプルな間取りや屋根の形にする

凹凸の多い形状や複雑な屋根は施工費も上がりますが、それだけ評価額も高くなりがちです。シンプルな設計にすることで評価の抑制が期待できます。
 

・自治体の減免制度を活用する

新築住宅には、条件を満たせば一定期間固定資産税が軽減される制度があります。2026年3月31日までに新築された住宅が対象で、自治体によって書類の提出が必要なため、事前に確認しておきましょう。
 

まとめ:快適な住まいと税負担のバランスを考える

新築住宅の設備選定では、快適性と固定資産税の負担のバランスを考慮することが重要です。
 
トイレ1つあたりの税負担は大きくありませんが、設備の数や使用する素材によっては税負担が増加する可能性があります。必要な機能を満たしつつ、税負担を抑える工夫をすることで、長期的に快適で経済的な住まいを実現できます。
 
住宅の設計段階で、固定資産税の影響を考慮した設備選定を行ったり、減免制度を利用したりすることで、将来的な税負担を見越した計画づくりをおすすめします。
 

出典

京都市 京都市情報館 令和6年度 固定資産評価要領(別冊)家屋評点付設の手引
総務省 自治税務局 資産評価室 固定資産評価のしくみについて(家屋評価)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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