お得に購入できるのでよく「SHEIN」を利用しています。「消費税」がかかるようになると聞いたのですが、本当ですか？

プチプラでおしゃれなファッションアイテムが手に入ると人気の「SHEIN」。SNSやネットニュースで「SHEINに今後は消費税がかかるらしい」といった情報を目にして、不安に感じた方も多いのではないでしょうか？
 
実はこの話、現時点ではまだ「検討段階」の情報にすぎません。本記事では、その背景や今後の見通し、制度が変わった場合にどんな影響があるのかを解説します。

「SHEINに消費税がかかる」は本当？ 今の状況を解説

「海外通販サイトへの消費税課税が始まる」というニュースが一部で話題になりました。中でも名前が挙がったのが、人気ファッション通販「SHEIN」です。
 
ただし現時点では、これは検討中の制度案であり、正式決定ではありません。財務省の「関税・外国為替等審議会　関税分科会（令和7年5月14日開催）配付資料」によると、「適正な消費税の課税のあり方について政府税調等で検討が行われている」という段階であり、具体的な開始時期や対象となるサイトの詳細も明確にはなっていません。
 
つまり、「もうすぐ税金がかかる」と焦る必要はなく、まずは冷静に状況を整理することが大切です。
 

なぜ今、海外通販への課税が話題になっているの？

現在、SHEINをはじめとした海外通販サイトで商品を購入しても、1万円以下の個人輸入品は、関税と消費税が免除されています。
 
一方、日本国内の事業者が商品を販売する際は、原則として消費税を納める義務があります。
 
この差によって、「海外通販ばかりが得をして、日本の小売業が不利になっている」という問題が指摘されてきました。
 
こうした不公平感を解消するため、政府は海外事業者にも消費税を課す仕組みの導入を検討しているのです。
 

制度変更が実現したら、何がどう変わるのか？

仮に制度変更が正式に実施され、海外通販で買い物をする際の金額にも消費税が課されるようになると、以下のような変化が予想されます。
 
・商品価格が約10％アップする可能性
 
現在の日本の消費税率は10％です。そのため、2000円のワンピースを購入した場合、実際の支払額は2200円になります。これまでよりも購入コストが増えるというわけです。
 
・表示価格が税込価格に切り替わる可能性も
 
一部の海外通販サイトでは、これまで税抜価格で表示されていました。しかし、制度が整備されれば、あとから税金が加算されることによる混乱を避けるために、税込表示への切り替えが進む可能性があります。
 
・まとめ買いに注意
 
これまでは価格が安いからといって複数の商品を一度に購入しても、支払総額は比較的抑えられていました。しかし、消費税が加わると、購入点数が増えるほどその負担も大きくなっていきます。
 
このように、制度が実現すれば、単に税金が加わるだけでなく、買い物のスタイルや金額の感覚にも変化が出てくることが予想されます。これまでの「安いから気軽に買える」という感覚から、「少し慎重に金額をチェックする」という意識への転換が必要になってくるでしょう。
 

まだ確定ではないが、今後の動向には注目を

「SHEINでの買い物に消費税がかかるようになる」というニュースは、現在のところ検討段階にあります。すぐに制度が変わるわけではありませんが、将来的に何らかの見直しが実施される可能性は十分にあります。とはいえ、今すぐ何かを変える必要はなく、まずは事実関係をしっかりと押さえることが大切です。
 
もし制度が変更されれば、これまでのように気軽に安く買い物ができるとは限らず、消費者側にも多少の負担が生じる場面が出てくるでしょう。そのため、商品の価格や送料、税金の内訳をよく確認しながら、賢く判断する姿勢がこれまで以上に求められます。
 
これからも海外通販を便利に、そして安心して利用し続けるためには、制度の動向を注視し、必要な知識を身につけておくことが大切です。変化を恐れずに、柔軟に対応しながら、自分に合ったスタイルでお買い物を楽しんでいきましょう。
 

出典

財務省 令和7年5月14日 関税・外国為替等審議会 関税分科会 財務省関税局 （資料4－1）少額貨物の輸入状況等について
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー