歯のかみ合わせを治す「歯列矯正」が「医療費控除」の対象になると知りました。「確定申告期間」は終わってしまいましたが、いまからでも間に合いますか?

配信日: 2025.06.03

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歯のかみ合わせを治す「歯列矯正」が「医療費控除」の対象になると知りました。「確定申告期間」は終わってしまいましたが、いまからでも間に合いますか?
かみ合わせに問題がある場合、歯を正しい位置に誘導して歯並びを整える歯列矯正という治療法があります。歯列矯正は、医療費控除を受けられる可能性がありますが、確定申告期間が終わっても申告できるのでしょうか。本記事では、歯列矯正の医療費控除の扱われ方や医療費控除の還付申告を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「不正咬合(こうごう)の歯列矯正」は「医療費控除」の対象

不正咬合(こうごう)の歯列矯正は、医療費控除の対象です。国税庁によると「歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります」としています。ただし、容貌を美化するための歯列矯正は医療費控除の対象外です。
 

原則保険適用外で高額な「歯列矯正」は「医療費控除」を受けられる可能性が高い

国税庁によると、医療費控除額は以下の式で計算した金額(最高200万円)となります。計算方法は以下の通りです。
 
(実際に支払った医療費の合計額-保険金で補てんされる金額)-10万円(その年の総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5パーセント)
 
そのため、基本的に医療費の合計額が10万円以下の場合は控除額が0円となり、医療費控除を受けられません。しかし、原則保険適用外である歯列矯正は費用が10万円を超えるケースが多いため、医療費控除を受けられる可能性が高いでしょう。
 
株式会社DRIPSの調査を基に、歯科矯正にかかった費用を表1にまとめました。
 
表1

費用総額 割合
10万~50万円程度 27.6パーセント
51万~100万円程度 21.9パーセント
101万~150万円程度 20.8パーセント
151万~200万円程度 4.7パーセント
200万円以上 4.7パーセント
その他 20.3パーセント

※株式会社DRIPS「歯列矯正に関するアンケート調査(PR TIMES)」
 
回答は「10万~50万円程度」「51万~100万円程度」「101万~150万円程度」が多く占めており、金額の差は大きいものの10万円を超えるケースが多いようです。
 

医療費控除の「還付申告」は「確定申告期間」とは関係ない

国税庁によると、医療費控除を受けるためには確定申告書に医療費控除の明細書、またはセルフメディケーション税制の明細書を添付する必要があります。確定申告の期間は通常2月16日~3月15日となっているため、歯列矯正を受けた年から翌年の3月15日までに確定申告を済まさなければなりません。
 
しかし、確定申告期間を過ぎても過去5年以内であれば還付申告が可能です。国税庁によると、還付申告書は確定申告書とは関係なく治療費が発生した年の翌年1月1日から5年間提出できます。
 
なお、医療費の領収書の添付・提示は不要です。ただし、明細書の記入内容を確認するために確定申告期限から5年間、税務署から領収書の提出を求められる場合があるため、領収書は自宅で5年間保管しましょう。
 

まとめ

審美目的の歯列矯正は医療費控除の対象外ですが、不正咬合(こうごう)の歯列矯正は医療費控除の対象です。また、基本的に医療費が10万円を超えないと控除額は0円となりますが、歯列矯正は10万円を超えるケースが多いため、医療費控除を受けられる可能性はあるでしょう。
 
医療費控除の還付申告は確定申告期間にかかわらず、治療費が発生した年の翌年1月1日から5年間提出可能です。医療費の領収書の添付・提示は原則不要ですが、税務署から領収書の提出を求められる場合があるため、領収書は確定申告期限から5年間保管することをおすすめします。
 

出典

国税庁 No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
株式会社DRIPS 歯列矯正に関するアンケート調査(PR TIMES)
国税庁 No.2030 還付申告
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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