先日、宝くじで「12億円」の当せんが出たニュースを見ました。当せんすると「税金」はかかるのでしょうか?

配信日: 2025.06.02

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先日、宝くじで「12億円」の当せんが出たというニュースが話題になりました。これほどの高額当せんになると、「税金はかかるの?」「手元に残る金額は?」と疑問に思う方も多いでしょう。
 
本記事では、宝くじの当せん金と税金の関係、そして家族や他人にお金を渡す際に発生する可能性のある贈与税・相続税について、わかりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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宝くじに当たると税金がかかる? 基本を解説

宝くじに当せんした場合、まず気になるのは「税金がどれくらい引かれるのか」という点でしょう。特に、数億円規模の当せんとなれば、そのままの金額を受け取れるのか不安になります。
 
結論から言うと、日本で公的に販売されている宝くじ(ジャンボ宝くじ、ロト、ナンバーズなど)の当せん金に税金はかかりません。つまり、仮に12億円に当たっても、その金額はすべて非課税で受け取れます。
 

当せん金に税金がかからないのはなぜ? その理由と法律

宝くじの当せん金が非課税である根拠は、「当せん金付証票法」にあります。この法律では、国や自治体が販売する宝くじについて、当せん金に所得税を課さないことが明記されています。
 
これは、宝くじの販売時点ですでに「税金相当分」が含まれているという考え方に基づいています。つまり、購入者は購入時に間接的に税負担をしており、当せん時に再び課税されることはない、という仕組みです。
 
したがって、ジャンボ宝くじやロトで当たった場合は、受け取り時に税金が差し引かれることもなく、確定申告も不要です。
 

贈与や相続で税金が発生するケースに注意

ただし、当せん金そのものは非課税でも、「他人と分ける」「相続される」場合には注意が必要です。
 

他人に分けた場合は贈与税の対象に

たとえば、家族や友人と当せん金を分ける場合、年間110万円を超える金額を渡すと「贈与」とみなされ、贈与税の対象になります。
 
贈与税の税率は10%~55%と高く、うっかり申告を忘れると、追徴課税や加算税の対象になることもあります。特に注意したいのが「共同購入」のケースです。
 
友人と一緒に購入し当たった場合でも、受け取りの名義や証明が不十分だと、分配された金額が贈与と判断されてしまうリスクがあります。こうしたトラブルを避けるためには、次のような工夫が有効です。
 

【対策のポイント】

・宝くじ公式サイトを利用して共同購入する(一部商品のみ)
・購入時の出資比率や金額を記録しておく
・購入した全員で受け取りに行く
・書面で「誰がいくら受け取るのか」を明記しておく

 

相続時には相続税の対象に

また、当せん者が亡くなった場合、その当せん金は相続財産としてカウントされ、相続税の対象になります。相続税には非課税枠がありますが、高額当せんの場合は課税対象となるケースがほとんどです。
 

まとめ:当せん金をめぐる税金ルールを正しく理解しよう

宝くじの当せん金は原則として非課税であり、受け取り時に税金はかかりません。確定申告も不要で、12億円の当せんであっても、全額そのまま受け取れます。
 
ただし、人に分ける場合(贈与)や、相続する場合には税金がかかります。特に贈与税は見落とされやすく、トラブルにつながりがちです。
 
「当たってから慌てる」のではなく、「もしも」に備えて制度を知っておくことが大切です。実際に高額当せんしたときは、税理士などの専門家に相談し、安心してお金を管理できるよう準備しておくことをおすすめします。
 

出典

e-Gov法令検索 当せん金付証票法
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
宝くじ公式サイト 仲間で当てよう! 共同購入
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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