え?手取り17万? 給料からどのぐらいの社会保険料が引かれているのだろう
配信日: 2019.03.19 更新日: 2020.04.07
今回は、社会保険料の金額について確認していきましょう。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
そもそも社会保険料とは?
社会保険料とは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料など、私たちが納付する義務がある保険料のことを総称した呼び方です。
まず、健康保険は、風邪や怪我などで病院を受診した場合などに、自己負担率が軽減されるものですね。みなさんが日々生活しているうえで、最も馴染みがある保険なのではないでしょうか。
一般的な70歳未満の会社員の方の場合、診療費や薬代の自己負担額は3割となっています。
次に、厚生年金保険は、国民年金に加えて、会社員などの方が加入する保険です。きちんと保険料を納めて一定の条件を満たした場合、将来年金を受け取ることができます。老後の生活を支える大切な保険です。
また、雇用保険は、会社員の方などの雇用を守る保険で、解雇された場合などに、失業手当をもらうことができます。出産して会社を休む場合に、育児休業給付が受け取れたり、会社を退職した場合に、職業訓練などを受けることも可能です。
さらに介護保険は、40歳から保険料を納める義務があります。要支援・要介護などに認定された場合は、介護サービスなどを自己負担が少なく利用することができる保険です。
社会保険料を計算してみよう
では、実際に私たちが納めている社会保険料の金額を計算してみましょう。社会保険料の金額は、自分の月収金額に、一定の保険料率を掛け合わせることによって計算します。
全国健康保健協会の平成30年度保険料額表(※1)や、厚生労働省が公開している平成30年度の雇用保険料率(※2)によると、東京都に住んでいる方で、一般企業に勤めている40歳以上の方の場合は、以下のとおりとなっています。
健康保険料:標準報酬月額の9.90%
厚生年金保険料:標準報酬月額の18.3%
失業等給付の雇用保険料:標準報酬月額の0.6%
介護保険料:標準報酬月額の1.57%
会社に勤めている方の場合、これら社会保険料の半分は、会社が支払ってくれるので、残りの半分の金額を自分で支払う必要があります。また、社会保険料の正確な金額は、標準報酬月額の「等級」というものに基づいて計算します。
例えば、企業に勤めている40歳以上の方で、標準報酬月額が40万円の場合、毎月差し引かれる保険料は以下のとおりとなります。
健康保険料:2万295円
厚生年金保険料:3万7515円
雇用保険料:1200円
介護保険料:3218円
自分の社会保険料を知る方法
自分が納付している社会保険料の具体的な金額が知りたいという方は、毎年12月頃に会社から配布される「源泉徴収票」をチェックするようにしましょう。
源泉徴収票の「社会保険料等の金額」という項目に、1年間で支払った健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料の合計額が記載されています。
毎月、何となく給与を受け取っていると、あらかじめ差し引かれている社会保険料の金額について、なかなか意識する機会は少ないのではないでしょうか。
今回のご紹介した内容を参考にしながら、給与明細書や源泉徴収票をぜひ細かく確認してみてくださいね。
出典
(※1)全国健康保健協会 平成30年度保険料額表
(※2)厚生労働省 平成30年度の雇用保険料率
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者