知っている?医療費控除とセルフメディケーション税制の違い

配信日: 2019.02.26 更新日: 2019.06.28

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知っている?医療費控除とセルフメディケーション税制の違い
日本においては平成29年1月度より、医療費控除の特例として「セルフメディケーション税制」が導入されました。
 
「セルフメディケーション」とは、世界保健機関(WHO)において、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。
 
ここでは「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」について、それぞれの内容と税制の違いについて見ていきましょう。
 
小久保輝司

執筆者:小久保輝司(こくぼ てるし)

幸プランナー 代表

30数年の営業経験と金融・経済の知識をマッチング納得いくまでお話しさせていただきます。

日本の医療費はどのくらい?

2025年に、約700万人いると言われている団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に達することで、介護や医療費など社会保障費が急増されることが懸念されています。
 
ちなみに平成29年度の医療費は約42兆円で、平成29年度の国家予算およそ100兆円の40%を超える額となっています。厚生労働省は住民の健康増進や医療費の適正化に向けた取り組みを進めており、その一環として「セルフメディケーション税制」を導入しました。
 

医療費控除とは

医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)に、生計を同じくする家族が支払った医療費の合計が一定の金額を超えた場合に、「所得控除(減税)」を受けることができる制度です。
 
「医療費控除額」は、1年間の医療費の合計額(交通費を含む)から保険金などの補填金額と10万円(総所得金額が200万円以下の人はその5%)を差し引いた金額になります。ただし上限は200万円です。
 
平成29年度分からの確定申告は「医療費控除の明細書」のみで領収書の添付が不必要となりましたが、領収書の5年間の保管が義務付けられております。
 

セルフメディケーション税制とは

セルフメディケーション税制は、国民の自発的健康管理や、疾病予防の促進・医療の適正化につながることを目的に「医療費控除の特例」として導入されました。
 
健康の維持増進および疾病への予防の取り組みとして「一定の取り組み(健康診断を受けるなど)」を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(処方箋なしで買える市販薬)を購入した際に、その購入費用について「所得控除(減税)」を受けることができる制度です。
 
対象の期間は平成29年1月1日から平成33年12月31日(元号未定で平成表示)までの5年間限定となっており、対象となる品目は約1700品目となっています。
 
セルフメディケーション税制分の医療費控除額は、支払った購入費用から1万2000円を引いた金額が対象です。ただし上限は8万8000円で、確定申告時に当該取り組みを行ったことを明らかにする書類を添付または提示する必要があります。
 

医療費控除とセルフメディケーション税制、どちらがお得か

医療費控除かセルフメディケーション税制、どちらかを選ぶに当たって、まず、「医療費」については医療費の領収書を、「スイッチOTC医薬品」については対象品目(商品に識別が掲載)の購入費用の領収書を1年間保管することになります。
 
次に、双方の領収書を「医療費」と「スイッチOTC医薬品」別々に金額を合計し、計算して比較してみましょう。
 
目安として、総所得金額が200万円を超える場合、医療費の合計金額が10万円以下の人は「医療費控除」の対象にはなりませんが、スイッチOTC医薬品の購入金額が1万2000円を超えるなら「セルフメディケーション税制」が利用できます。
 
そして医療費の合計金額が10万円を超え18万8000円までの間は計算が必要となります。18万8000円を超えるなら「医療費控除」がお得になります。そして最後に「医療費控除」にするか「セルフメディケーション税制」にするか有利な方を選択し、確定申告することになります。
 

まとめ

病気に対しては早期発見・早期治療が大切ですが、「予防をすること」も重要であると考えられます。健康な状態のときはなかなかピンとこないとは思いますが、適切な食事・適当な運動を心がけ、そして年に一度は定期的に健康診断を受けましょう。
 
執筆者:小久保輝司(こくぼ てるし)
幸プランナー 代表
 

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