更新日: 2019.07.02 確定申告

2019年からスマホで確定申告!利用する際の注意点とは

2019年からスマホで確定申告!利用する際の注意点とは
2019年1月から、スマホやタブレットからも電子申告ができるようになりました。
 
会社員や公務員などの給与所得者で、年末調整実施済みの方の中にも、今年からふるさと納税を始めて寄付金控除したい方や、医療費控除を受けたい方なども多いことでしょう。国税庁はこのような状況を踏まえ、e-Taxのスマートフォン専用画面を準備するなどの対応を実施し、「いつでもどこでもスマホで申告できます!」と告知しています。
 
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

2018年までの電子申告

これまでe-Taxによる電子申告を個人が利用する場合には、パソコンや必要なソフトウェアとともに、マイナンバーカードと、それを読み取るためのICカードリーダライタが必要でした。
 
マイナンバーカードとは、「マイナンバー通知カード」ではなく、市・区役所で別途発行する電子証明書を格納したカードのことです。そのため、マイナンバーカードの作成に要する期間を考慮して、確定申告の事前に発行しておく必要があります。
 
さらに、本人確認のために、マイナンバーカードに格納されている電子証明書を読み取るための「ICカードリーダライタ」という装置が必要となります。ICカードリーダライタは、インターネット通販や家電量販店などで3000円程度で購入できますが、年に1回だけのe-Taxのためにわざわざ購入しなければならないとの印象があり、e-Taxを断念する個人の方も多かったようです。
 
※ちなみに、ICカードリーダライタは、e-Tax以外に、電子マネーの残高確認やチャージ、ネットショッピングにも使え、さらには、「Suica」「PASMO」などのICカード交通乗車券の利用履歴、残高などの確認もできます。
 

2019年からスマホで電子申告

このような状況を踏まえ、国税庁は2019年1月から、スマートフォンやタブレットからでもe-Taxができるように、新たな方式となる「ID・パスワード方式」の利用を開始しました(従来の方法を「マイナンバーカード方式」と呼びます)。
 
「ID・パスワード方式」とは、本人確認の方法を、これまでのマイナンバーカードに格納された電子証明書をICカードリーダライタを使って読み取る方法から、ID・パスワードを使って確認できるようにしたものです。
 
そのため、「ID・パスワード方式」を選択した場合には、マイナンバーカードやICカードリーダライタは不要となります。
 

「ID・パスワード方式」利用の注意点

マイナンバーカードやICカードリーダライタを準備することなく、e-Taxを利用できる「ID・パスワード方式」ですが、少々注意点もあるようです。
 
「ID・パスワード方式」を利用する際のID は、原則、税務署で職員と対面による本人確認をした後に「ID・パスワード方式の届出完了通知」として発行されます。
取得を希望する方は、運転免許証などの本人確認書類を持参し、一度は税務署に行く必要があります。
 
※2019年1月からマイナンバーカードとICカードリーダライタを使って、自宅などから「ID・パスワード方式」の利用届け出書を送信することで、IDを取得できます。この場合には、当然ながらマイナンバーカードとICカードリーダライタが必要です。
 
もう一点、国税庁のパンフレットなどには、「(「ID・パスワード方式」は、)マイナンバーカードおよびICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応です。」と記載されています。
 
つまり、将来的に「マイナンバーカードが全く不要になる」ということではなく、「ID・パスワード方式」は、あくまでも暫定的な措置で、国税庁としては将来的に「マイナンバーカード方式」に一本化していく方針であるようです。
 
もちろん、将来的にスマートフォンなどで直接マイナンバーカードの電子証明書を読み取ることができれば、さらなる普及につながるのかもしれません。
 

まとめ

以上のように、「ID・パスワード方式」の採用は、苦肉の策であることが見え隠れします。
 
あまり知られていませんが、申告手続きにはマイナンバーの記載と写しの添付が『毎回』必要です。それが、e-Taxを利用することで不要となります。さらに、源泉徴収票などの申告時の添付書類も提出が不要となり、自宅保管のみでOKです。
 
国としては、一度取り組みを始めたe-Taxやマイナンバーカードなどの普及は、最優先課題なのでしょう! 利用するメリットなどを小出しにしつつ、普及促進が図られています。ただ、筆者もマイナンバーカードを保有していますが、現状ではこれといった使い道はありません…。
 
出典:
e-Tax 国税庁/e-Tax利用の簡便化の概要について
国税庁 スマホ × 確定申告 スマート申告始まります!
 
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
 

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