更新日: 2019.08.27 控除

住宅ローン控除の還付金が少ないと感じたら確認したいポイント

住宅ローン控除の還付金が少ないと感じたら確認したいポイント
家を買って住宅ローンを組んだ方。戻った税金を確認してみましょう。
 
あれ?思っていたよりも少ないかも?! と感じる方もいるかもしれません。
 
【家を買う】という人生の中でも大きな買い物をした際の所得税や住民税について解説していきます。
 
福本眞也

執筆者:福本眞也(ふくもと しんや)

FPコンシェル代表取締役

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP® 認定者、証券外務員
できる限り解り易い言葉で、お一人お一人のご理解にあわせてご説明することをモットーにしています。
 
日系証券会社(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)で約8年間金融の基礎を学び、外資系投資銀行(TDグループ、NAB、クレディ・スイス、JPモルガン証券)では約15年間に渡り高度な金融技術を学び、独立して約9年、金融一筋に32年が経ちました。
 
「お金・経済・金融マーケットに関わること」について、特に個人顧客向けには住宅・保険・教育・老後の資金(運用)を目的としたご相談を得意としています。
http://www.fpconcier.com

まずは所得税!

住宅を購入した年度の翌年2月中旬~3月中旬に確定申告をしたら、その申告時期により、税務署から国税還付金振込通知書(見開きハガキ)が届きます。
 
その通知が届いてから4~5日後にご指定された口座に還付金が振り込まれます。
 
次年度以降は、借りている銀行から送付される「借入金年末残高証明書」や、税務署から送付される「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」を年末までに勤務先に提出すれば、年末調整で税金は還付されます。
 

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あれ?思っていたよりも少ないかも?!

先述したお話は、年末の住宅ローン残高の1%(限度額40万円。長期優良住宅は50万円)が戻る制度です。例えば、昨年末の住宅ローン残高が4000万円であれば、40万円を限度に所得税が戻ります。(注)
 
以下の二つを確認しましょう。
 
・昨年末に勤務先からもらった源泉徴収票の一番右端にある「源泉徴収税額」はいくらですか?
・昨年末の住宅ローン残高に1%を掛けるといくらになりますか?
 
実際に戻った金額が、思っていた金額よりも少ないと感じた人は少なくないかも知れません。
 
この住宅ローン控除は、あくまでご自身が支払った税金が確定申告により戻る制度です。以下のどちらにあてはまるのかを確認してみましょう。
 
(1)所得税の範囲内で還付された場合
支払った所得税が40万円以上であれば満額の40万円戻ります。
 
(2)所得税では還付しきれなかった場合。
支払った所得税が例えば30万円であれば、その30万円が限度として戻ります。
 
(2)の、「所得税では還付しきれなかった場合」に該当する方は次をよくお読みください。
 

所得税で戻りきらなければ住民税が減る!

戻った税金が少ないと感じて悩む方、結構多くいらっしゃいます。しかし、実は所得税だけで満額戻りきらなかった方は、6月からの住民税が減額されています。
 
所得税のように還付金が振り込まれる訳ではないため、気づかない方が多いようです。
 
上述の(2)を例に充てると、所得税で戻りきらなかった不足分は10万円なので、住民税は1カ月分が10万円÷12カ月=8333円(初月6月は8334円)ずつ減額されます。
 
住民税は勤務先が給与から天引きしてくれますので、仮に今年の給与が昨年と変わらない方は手取りが増えたと実感できます。
 
補足ですが、所得税だけで還付できなかった場合、実際の管轄市区町村役所の実務上は、次のいずれか小さい額の範囲で住民税が減額されます。
 
・前年の所得税の住宅ローン控除可能額のうち所得税で控除しきれなかった金額
・前年の所得税の課税所得金額等の額に7%乗じた金額(13万6500円を限度額とし、平成21年から平成26年3月までに入居した方は7%を5%に置き換えて9万7500円が限度額となります。)
 
この住民税の減額を確認できずに、総還付額が見込みより少なかったと感じていた訳ですね。
 

次年度以降、住宅ローン控除可能額は借入額や収入減によって減っていく

住宅購入時に計算した初年度分の住宅ローン控除可能額よりも、次年度以降の同可能額は減ることが多くなります。
 
(a)所得税は収入に応じて課税(超累進課税税度)されますが、もし収入が減れば支払う所得税も減り、住宅ローン控除可能額も減ることがあります。
 
(b)仮に次年度以降の収入が同じでも、基本的に住宅ローンの元金は少しずつ減る仕組みです。(変動金利で金利上昇した場合は除く)つまり、年末の住宅ローン残高が少しずつ減るので住宅ローン控除可能額は減っていきます。
 
住宅ローン借入額が元々高額で、この制度を受けられる最長期間である10年後も年末の住宅ローン残高が4000万円(長期優良住宅で5000万円)以上であれば、所得税の支払額と住民税で10年間満額が還付されます。
 
しかし、(a)(b)のいずれか、もしくはどちらにも該当する場合には、税金還付額は少しずつ減っていくことを覚えておいてください。
 
(注)住宅を購入された時期や新築や中古の別により住宅ローン控除限度額が変わります。詳細は国税庁HPの「3住宅借入金等特別控除の控除期間及び控除額の計算方法」と「4認定住宅の新築等に係る住宅借入額等特別控除の特例」をご覧ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm
 
Text:福本 眞也(ふくもと しんや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP® 認定者、証券外務員
FPコンシェル代表取締役


 

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