更新日: 2023.03.14 確定申告

年金受給者の「確定申告」は本当に不要? 必要・不要な場合について解説

年金受給者の「確定申告」は本当に不要? 必要・不要な場合について解説
年金を受給すると確定申告をする必要はあるのかと、不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。年金の受け取りに対して、確定申告が必要な人と不要な人がいます。
 
今回は、年金の受給で確定申告が必要な人と不要な人の違いについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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「確定申告不要制度」により原則不要

年金受給者は「確定申告不要制度」があるため、基本的に自分で確定申告を行う必要はありません。年金は通常、雑所得という所得区分で所得金額を計算して確定申告を行い、所得税や復興特別所得税を納税しなければいけません。

【確定申告とは】

確定申告とは、1月1日から12月31日までの間に受け取ったすべての所得を計算して税金の過不足を清算するための手続きです。

しかし、確定申告不要制度の対象者である人は、源泉徴収によって納税が完了するため確定申告の必要はありません。
 

確定申告不要制度の対象者

年金受給者に対する確定申告不要制度の対象者は以下のとおりです。

・公的年金等の収入が400万円以下であり、その全部が源泉徴収の対象となっている場合
・公的年金等の雑所得以外の所得が20万円以下である場合

上記に該当しない人は、原則確定申告が必要となりますので注意してください。
 

例外あり! 申告が必要なケースとは?

例外として以下に該当する人は確定申告が必要です。ただし、すべてが義務となるわけではありません。

・所得税の還付申告(義務ではない)
・住民税の申告(確定申告が義務)
・民間年金を受け取ったとき(確定申告が義務)

 

所得税の還付申告

所得税の還付申告を行う場合は、確定申告を行っておいたほうが良いです。還付申告とは、支払いすぎていた税金を還付してもらうための手続きです。
 
そもそも、確定申告の目的は1月1日から12月31日までの所得を計算し、税金の過不足を清算するための手続きです。そのため、計算をした結果、支払いすぎていた税金がある場合は還付を受けられるため、確定申告を行います。
 
還付申告の対象となり得る人は、高額な医療費を支払った人、対象となるリフォームを行った人、災害や盗難にあった人など、所得控除となり得る事情がある人です。所得税控除はさまざまなものがあるため、「もしかしたら……」と思い当たる人は、税務署へ確認してみると良いでしょう。
 
なお、還付申告は確定申告が義務ではありません。しかし、確定申告をしなければ、税金が還付されることもないため注意してください。また、公的年金に対する源泉徴収も最終的には年末調整を行いません。そのため、年金の受け取り金額次第では、還付を受けられる可能性があります。
 

住民税の申告

所得税や復興特別所得税の申告が不要であっても、住民税の申告が必要となる場合は、確定申告を行わなければいけません。住民税の申告が必要となる人は、以下のとおりです。

・公的年金の雑所得のみがある人で、「公的年金の源泉徴収票」に記載されている控除以外の控除を受ける場合
・公的年金の雑所得以外の所得がある人

上記に該当する場合は、確定申告が必要です。忘れずに手続きを行いましょう。
 

個人年金(民間)を受け取ったとき

民間の年金へ加入している人で、実際に年金を受け取った人は基本的に確定申告が必要です。例えば、本人が受け取る個人年金が該当します。
 
確定申告不要制度の対象者は「公的年金等の雑所得以外の所得が20万円以下である場合」であるため、年間で20万円以上の個人年金の所得がある場合は確定申告を行いましょう。
 
なお、民間保険から受け取る年金の所得区分も「雑所得」です。そのため、「必要経費(保険料)-受け取った年金=雑所得」で計算をし、20万円を超えた場合は確定申告を行いましょう。
 

正しく申告・納税をしよう

公的年金制度は、確定申告不要制度によって基本的には申告義務がありません。
 
しかし、給与所得者とは異なり、年末調整が行われないため正しく納税をするためには確定申告を行っておいたほうが良いです。確定申告は1年間の所得を計算し、税金の過不足を清算する手続きです。
 
確定申告が義務ではない人も、申告をすることによって税金の一部が還付される可能性もあります。正しく納税するためにも、今一度、税について学んでみると良いかもしれません。
 

出典

国税庁 高齢者と税(年金と税)
政府広報オンライン ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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