更新日: 2023.02.19 その他税金
住民税が高い! そう感じたらチェックすべきポイントとは?
本記事では住民税の仕組みを解説したうえで、「住民税が高い!」と感じている人にチェックしてもらいたい2つのポイントと、住民税を抑えるための対策を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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個人住民税とは
住民税とは、その地域に住む個人や事務所を置く法人に課せられる税金です。住民税には個人住民税と法人住民税があり、個人の所得に対して課せられる住民税を「個人住民税」といいます。
個人住民税は、所得(※)に対して課せられる「所得割」と、所得に関わらず一定額が課せられる「均等割」があります。所得割の税率は所得に対して一律10%。均等割は年額5000円を課す自治体が一般的です。
このように均等割は原則として誰に対しても定額なので、個人住民税が高くなる要因は「所得割」にあります。つまり「所得」の変化が個人住民税に影響するのです。
(※)所得=収入から必要経費(給与所得者の場合は給与所得控除)を差し引いた金額
ポイント1:前の年より年収が増えた
昇給や転職、ボーナスの増加などで前年より年収が増えた人は、住民税の所得割が増える可能性があります。
個人住民税は前年1~12月の所得をベースに計算されます。会社員や公務員などの給与所得者の場合、毎月の給与から天引きされる「特別徴収」という方法で納めますが、前年の所得が反映されるのは毎年6月です。
年の途中に天引きされる住民税額が見直されるので、「急に住民税が高くなった」と感じる人もいるかもしれませんが、このような仕組みが影響しているからです。また、副業などの収入が増えて確定申告や住民税の申告をしている場合も、住民税が増える要因となります。
ポイント2:受けられる所得控除の金額が減った
年収が変わらなくても、所得控除の金額が減った場合は結果的に「所得金額」が高くなってしまうため、住民税が高くなる可能性があります。
所得控除とは、個人の事情に応じて所得から一定額を差し引ける仕組みです。個人住民税の所得控除には以下の14種類があります。
・雑損控除
・医療費控除
・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・障害者控除
・寡婦控除
・ひとり親控除
・勤労学生控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・基礎控除
例えば、扶養している家族がいる場合は扶養控除が受けられますが、子どもの就職などで扶養から外れた場合は、その分の控除が受けられなくなるため住民税が高くなる要因となります。
また、これまでは専業主婦(夫)であった配偶者が働き始めた、または年収が上がったなどの理由で配偶者控除を受けられなくなった場合なども同様です。
ふるさと納税の活用や所得控除の漏れのチェックを
住民税が高くなった場合の対策として、有効なのは「ふるさと納税」の活用です。ふるさと納税とは、自己負担2000円で任意の自治体に寄附できる制度のこと。
先に寄附金額を支払う必要がありますが、寄附金額のうち2000円を超える分は住民税の減額や所得税の還付金といった形で戻ってきます。なお、自己負担2000円で寄附できる金額には、年収や家族構成等に応じて上限額が設けられています。
実質的に住民税の税負担を軽くする制度ではありませんが、ふるさと納税の寄附金額に応じて各自治体の返礼品がもらえるので、米や調味料、日用品などを選べば家計の節約につながります。
また所得控除の漏れがないかチェックすることも有効です。会社員や公務員なら勤務先の年末調整で所得控除の申請ができますが、自分で書類に記入が必要なものもあるので、受けられる所得控除がある場合は忘れずに記載しましょう。
例えば生命保険や医療保険の保険料を支払っている場合は「生命保険料控除」、iDeCo(イデコ)の掛金を積み立てている場合は「小規模企業共済等掛金控除」が受けられます。
まとめ
住民税は前年の所得に対して課せられる税金ですが、会社員や公務員の場合、その見直しタイミングは毎年6月です。年の途中で天引きされる金額が変わるので「急に住民税が高くなった」と感じる人も多くいるようです。
住民税の仕組みを知ったうえで、「なぜ住民税が高くなったのか」その理由を理解することは大切です。住民税が高いと感じる場合は、ふるさと納税を活用して節約につなげたり、本来なら受けられる所得控除の申請を忘れていないかチェックしたりして、税金や家計の負担を減らす工夫をしましょう。
出典
総務省 個人住民税
東京都主税局 個人住民税の特別徴収推進ステーション 特別徴収Q&A
東京都主税局 個人住民税 7 個人住民税の所得控除
総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税のしくみ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部