本記事では「確定申告」を行うと有利になる人の条件などを解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職後に確定申告を行ったほうがよい人は?
定年退職後に確定申告を行った方がよい人は、主に下記の2つの場合に該当する人です。
・退職金を一時金として受け取ったときに「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない
・年の途中で退職した
「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人は退職所得控除が受けられず、所得税と復興特別所得税を合わせた20.42%が源泉徴収されてしまっていることがあります。
<試算例>
退職金2000万円、勤続38年(退職所得控除2060万円)の人が定年退職を迎えて退職金を一時金として受け取る場合
計算式 :(退職金の額-退職所得控除額)×1/2=退職所得
A 受給に関する申告書を提出していた場合
(2000万円-2060万円)×1/2 =0円(結果がマイナスなので、所得税・住民税は非課税)
B 受給に関する申告書を提出していない場合
2000万円×20.42%=408万4000円
408万4000円が退職金から源泉徴収されてしまいます。
<年の途中で退職した場合>
年の途中で退職した場合には「年末調整」を受けていないため、所得税などの税金を納めすぎていることもあります。確定申告を行うことで、納めすぎた税金が戻ってくる可能性があるのです。
定年後に年金を受け取り始めて、確定申告が不要・必要な人の条件は?
年金を受け取り始めて「公的年金による収入が400万円以下・そのほかの所得が20万以下」の場合は、「確定申告不要制度」の対象で、確定申告は原則不要です。
確定申告が必要な人の条件は、以下の2つの場合に該当する人です。
・公的年金など(老齢基礎年金・老齢厚生年金・企業年金などの合計)の収入額が年間400万円以上
・公的年金以外の所得金額(アルバイトなどで働いた収入・不動産収入など)が年間20万円以上
確定申告をしていないと、後日に税務調査の対象になる場合がありますので、注意が必要です。
ほかに、確定申告で税金が戻ってくる可能性のある人は?
確定申告で税金が戻ってくる可能性がある人は、主に以下のような事例に該当している人です。
1.「扶養親族等申告書」を提出していない人
毎年9月ごろに日本年金機構から送付される「扶養親族等申告書」で、扶養親族の人数などを申請します。申告書に書いた内容で翌年の源泉徴収額が決まるので、必ず返送しましょう。
2. 10万円を超える医療費を支払った人、または市販薬を年間で1万2000円以上購入した人
入院などで医療費を支払い、医療保険金などで補填された金額が10万円を超えた場合は、超過した金額を「医療費控除」、または市販薬を1万2000円以上購入した場合は、超過した金額を「セルフメディケーション税制」と申告して控除が可能です(医療費控除とセルフメディケーション税制は合わせて申告できないので、どちらかを選びます)。
3. 個人年金や生命保険などに加入して保険料を払っている人(生命保険料控除)
1種類につき最高4万円、平成24年1月1日以後の契約の場合は3種合わせて12万円まで
4. 公的な団体に2000円を超える寄付や「ふるさと納税」を行った人(寄付金控除)
5. iDeCoなどに加入している人(小規模企業共済等掛金控除)
6. 災害や盗難被害などで損失があった人(雑損控除)
1年間の生活支出を振り返って、確定申告が必要かどうか確認しておくことをお勧めします。
まとめ
定年退職を迎える前後に、必要な書類は提出したか、納めすぎた税金や支払う必要がある税金があるか、チェックしておくのもよいでしょう。
確定申告は毎年2月16日から3月15日までですが、納めすぎた税金の還付申告(年末調整を受けていなかったなどの場合に修正申告をして、税金を戻してもらうこと)は1月から申請できます。
出典
国税庁 退職金と税
政府広報オンライン ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部