堅実に預貯金に回す人や、なかには思いつくままにすぐに使ってしまうという人もいるかもしれません。もし、あなたが後者のタイプなら、後々困った問題を抱えるかもしれません。ここでは、そうならいように「もし大金を手に入れたら、最初にすべきこと」を説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大金が手に入るケースと、そのときにするべきこと
人生のなかで「思わぬ大金」に恵まれることはまれでしょう。それでも宝くじが高額当選したり、競馬、競輪などのギャンブルで大穴が当たったり、相続や贈与で大金を受け取ったりする可能性がないとは言い切れません。運や他人任せで手に入ったお金ということで、懐に入ってきた途端、すぐに使ってしまいたくなる人もいるでしょうが、それは後悔することになるかもしれません。
大金が手元に入ってきたということは、当然ながら「税金を徴収される可能性が高い」からです。それを考えずにすべて使ってしまったり、すぐには現金化できないような投資に回したりすると、税金を支払えなくなる可能性があります。税金を納めなければ財産の差し押さえや、意図的に所得を隠して課税を逃れた場合は脱税となり刑事罰を受けることもあります。そうならないためにも、大金を得たときにはまず納税額を確認することが必要です。
宝くじや競馬などで大金が手に入ったときの税金は?
大金が手に入るであろう3つのケースのうち、まずは宝くじと競馬、競輪などの公営ギャンブルのケースを考えてみましょう。
・宝くじでの高額当選金
宝くじは都道府県および指定都市が主催しており、宝くじの当選金は金額に関わらず「非課税」となっていて、確定申告も不要です。ただし、宝くじと名がつくものすべてが非課税とはかぎらず、あくまでも都道府県および指定都市が主催している宝くじの当選金だけですので注意してください。
・競馬や競輪など公営ギャンブルでの払戻金
競馬や競輪のほか、競艇やオートレースの「公営ギャンブル」で受け取った払戻金は「一時所得」として課税の対象となります。一時所得金額の計算は以下の通りです。
一時所得金額=(収入(払戻金)-費用(当たり券を購入するのに支出した額)-特別控除額(年間50万円))×1/2
ただし、一時所得金額が1年間を通して特別控除額(50万円)以下である場合や、給与所得者が1年間で「給与以外で得た、一時所得金額を含む所得の合計」が20万円以下の場合は、所得税の確定申告をしなくてもよい、すなわち非課税となります。
相続や贈与で大金が手に入ったときは?
最後に3つ目の大金が手に入る、相続と贈与のケースです。それぞれ基礎控除があり、その額以下ならば非課税となります。
・相続の場合
相続税の基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数)
なお、相続財産には金銭だけでなく不動産や有価証券なども含まれます。それらは時価で評価して金銭に換算しますが、それらの計算は煩雑になるので割愛します。
・贈与の場合
ここでは贈与税の暦年課税についてだけ触れておきます。贈与を受けた人は贈与税を支払わなくてはなりません。
贈与税の課税対象額=(1年間に贈与された総額)-110万円(基礎控除)
もし1年間に受け取った贈与の額が基礎控除の「110万円」以下の場合は税金がかかりません。
なお、文中の「1年間」と「暦年」の期間は「1月1日~12月31日」となります。税の申告の際、「1月1日~12月31日」を1年としているためです。
大金で人生が狂わないよう、計画的に
「大金が手に入ったら」という夢のある話とは裏腹に、実現したときには税金という現実的な問題にぶつかります。会社勤めの人にはなじみのない確定申告も必要になるかもしれませんので、税の勉強をしておくといいかもしれません。
なお、最後に大きな夢のある話をすると、毎年受賞者の予想で盛り上がる「ノーベル賞」の賞金も非課税です。
出典
総務省 宝くじ
国税庁 競馬の馬券の払戻金に係る課税について
国税庁No.1490 一時所得
国税庁 相続税がかかる場合
国税庁 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 所得税および復興特別所得税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部