更新日: 2020.04.07 控除

インフルエンザの予防接種は医療費控除の対象? 確定申告をする際に知っておきたいこと

執筆者 : 上山由紀子

インフルエンザの予防接種は医療費控除の対象?  確定申告をする際に知っておきたいこと
朝夕の寒暖差が激しく、体調を崩して、病院へ行く機会も増えるかもしれません。また、インフルエンザにかからないように予防接種を受けることもあるでしょう。医療費の支出も多くなる季節です。そこで今回は、医療費控除等についてお伝えします。
 
上山由紀子

執筆者:上山由紀子(うえやま ゆきこ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者 鹿児島県出身 現在は宮崎県に在住 独立系ファイナンシャル・プランナーです。
 
企業理念は「地域密着型、宮崎の人の役にたつ活動を行い、宮崎の人を支援すること」 着物も着れるFPです。
 

医療費控除ってそもそもなに?

1月1日から12月31日までの間に、家族全員が支払った医療費合計が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除(※1)と言います。なお、確定申告をすると、すでに納めた所得税の還付が受けられます。
 
(医療費控除の対象となる医療費の要件)
・税金を納めている人が、自分と生計を一にする家族のために支払った医療費であること。
・その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること。
 
(医療費控除の金額の計算式)
 実際に支払った医療費の合計額
―  受け取った保険金などの金額(注1)
―          10万円(注2) 
  医療費控除の金額(最高で200万円)
 
(注1)受け取った生命保険などの金額は、生命保険契約などで受け取る入院給付金や健康保険から受け取る高額療養費などのことです。
(注2)その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額の5%の金額になります。
 

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インフルエンザの予防接種は医療費控除の対象外?

インフルエンザの予防接種は、治療ではなく予防接種であることから医療費控除には該当しません。控除対象となるもの、ならないものは以下のようになっています。
 
(医療費控除の対象)(※2)
・医師または歯科医師による診療、治療に支払った金額
・治療または療養に必要な医薬品の購入に支払った金額
・通院に利用する電車代やバス代
・緊急時で利用したタクシー代
・あん摩マッサージ指圧師、はり師などの治療を行ったときに支払った金額
・異常が見つかったときの健康診断や人間ドックで支払った金額(※3)
 
(医療費控除の対象とならないもの)
・病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金
・予防接種
・異常なしの健康診断や人間ドックで支払った金額
・自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金
 

医療費控除の申請方法

医療費控除を受ける場合には、「確定申告」が必要です。平成29年分確定申告から、領収書の提出の代わりに「医療費控除の明細書」の添付が必要となりました。
 
ただし、
(1)医療費の領収書は自宅で5年間保存する必要があります。
(2)医療保険者から交付を受けた医療費通知を添付すると、医療費控除の明細の記入を省くことができます。(医療費通知とは、健康保険組合等から発行される「医療費のお知らせ」などです。)
そして、会社員は源泉徴収票が必要です。確定申告の際は忘れないようにしましょう。
 
確定申告の期間は、2月16日から3月15日までですが、医療費控除などの還付の場合は1月から行うことができます(※4)。もし、申告を忘れていたときは5年間さかのぼることができます。心当たりのある方はお住まいの地域を管轄する税務署に相談してください。
 

覚えておきたい制度! セルフメディケーション税制

医療費控除の特例に、セルフメディケーション税制というものがあります(※5)。これまでお話してきた医療費控除との選択になり、確定申告をする際にセルフメディケーション税制か医療費控除か、どちらか一方を選んで申告をする必要があります。
 
医療費控除は、治療や療養にかかる金額を控除するものでしたが、セルフメディケーション税制は、健康の保持増進および疾病の予防のために一定の取り組みを行っている方が、自分と生計を一にする家族のために特定一般用医薬品等購入費(※)を支払った場合に、一定の金額の所得控除(医療費控除の特例)を受けることができます。
 
(※)特定一般用医薬品等購入費とは?
医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)、ドラッグストアで購入できるスイッチOTC医薬品(具体的な品目一覧は※6を参照)の購入費のこと。
 
【控除額の計算式】
対象市販薬の年間購入額-1万2000円=医療費控除の特例(最高8万8000円)
 

セルフメディケーション税制の注意点

セルフメディケーション税制の適用を受けるためには要件があります。適用を受けられる方が健康の保持増進および疾病予防への取り組みを行っていること、例えば、健康診断を受ける、または、インフルエンザ予防接種を受けるなどです(※5)。
 

まとめ

医療費控除は、治療や療養に支払った金額を、計算式に当てはめて計算した金額が控除できます。また、セルフメディケーション税制は、一定の取り組みを行っている人なら、特定一般用医薬品等購入費の合計額を計算式に当てはめて計算した金額が控除できます。
 
医療費控除やセルフメディケーション税制は、確定申告をすることでしか、還付金は返ってきません。ぜひ、ご自分に当てはまるかを確認し、申告をしてみてください。
 
出典
(※1)国税庁:NO.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
(※2)国税庁:NO.1122 医療費控除の対象となる医療費
(※3)国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
(※4)国税庁 NO.2030 還付申告
(※5)国税庁 NO.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)(セルフメディケーション税制)
(※6)厚生労働省 セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について 2 セルフメディケーション税制対象品目一覧
 
執筆者:上山由紀子
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者