最終更新日: 2019.05.17 公開日: 2018.05.28
税金

消費税率8%適用の経過措置期限まで1年を切った これから、駆込み需要開始か?

安倍首相が発言した「リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り、2019年10月に消費税率を10%に予定通り引き上げる」との見解が正しければ、あと1年あまりで消費税率は10%となります。
 
過去の消費税率引き上げの際にもさまざまな混乱や影響が見られましたが、今回の引き上げではどれほどの影響が生じるのでしょうか?
高橋庸夫

Text:

Text:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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高橋庸夫

執筆者:

Text:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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早くも請負契約の駆け込み需要発生!?

消費税率の適用には経過措置が設けられています。
 
例えば、経過措置が適用されるケースとして、注文住宅を建築する場合にその工事の請負契約が、消費税率が10%となる半年前の2019年3月31日までに完了していれば、たとえ引き渡し時期が2019年10月以降となったとしても、消費税は8%で対応されることとなります。
 
そのため、消費税率引き上げの影響はまだまだ先と考えている方も多いと思いますが、住宅市場においては2018年秋以降には駆け込み需要による商戦が激化することが予測されます。
 
例えば、現状で建物代が税込み3000万円という物件を想定すると、現行8%での消費税額は約222万円、これが10%になると約278万円と、実に56万円増えることになります。
 

過去の消費税率引き上げ時にも反動減が発生!

 2014年4月に実施された消費税率8%への引き上げ時には、大幅な駆け込み需要とその後の反動減が発生し、市場減少を招く結果となりました。
 
個人消費を中心に景気が大幅に後退し、15年度経済財政白書によれば駆け込み需要の反動減で3兆円程度、物価上昇で2兆円台半ば程度に及んだとされています。(2014年度の実質GDP成長率は前年比0.9%減とマイナスとなった。)
 
そのため、政府は消費税率10%への引き上げに伴う景気の悪影響を緩和するための対策を協議する検討会を立ち上げ、消費の落ち込みを最小限に抑える方策の検討を開始し、今後の予算編成や税制改正に反映する方針を打ち出しています。
 

住宅取得に関する2つの代表的な負担軽減策

消費税率が8%に引き上げられた際に大幅に拡充されたのが住宅ローン減税制度です。住宅ローンを借り入れて住宅を取得する場合に、毎年末の住宅ローン残高1%が10年間に亘り所得税の額から控除されます。
 
また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。最大控除額はそれ以前の200万円から400万円に倍増され、控除額が最大200万円増額になりました。(平成26年4月~平成33年12月取得分)
 
ただし、住宅ローン控除は住宅ローンの残高に対する割合で決まりますので、住宅ローンの年末残高が2000万円であれば、その1%の20万円ということになります。
 
また、夫婦で別々にローンを組んでいる場合や共同債務としているケースなどでは、個人単位で申請できますので注意が必要です。
 
もう一つの負担軽減策は「すまい給付金」です。この制度は、消費税率引き上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設された制度です。
 
住宅ローン減税は、支払っている所得税等から控除する仕組みであるため、収入が低いほどその効果が小さくなります。
 
すまい給付金は、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない低収入層に対しても住宅ローン減税とあわせて消費税率引き上げによる負担の軽減を図るものです。
 
このため、収入によって給付額が変わる仕組みとなっています。
 
すまい給付金の対象者は、住宅を取得し登記上の持分を保有するとともに、その住宅に自分で居住する収入が一定以下の方が対象となります。
 
消費税率8%の時には収入額510万円以下が目安となり、10%の時には775万円以下が目安となります。
 
給付額は、住宅取得者の収入および不動産登記上の持分割合により決まりますが、具体的には持分保有者1名の場合の給付額を給付基礎額とし、収入に応じて決まる給付基礎額に持分割合を乗じた額が給付額となります。
 
消費税率8%の時は最大30万円、10%の時は最大50万円が給付されます。
 
なお、すまい給付金の給付には申請が必要となります。取得した住宅に居住した後に給付申請書に必要書類を添付してすまい給付金申請窓口への持参または郵送により申請します。
 
とかくネガティブなイメージが先行する消費税率の引き上げですが、売り手側の危機感をあおる一方的な便乗商法などに踊らされることなく、冷静に判断していくことが必要です。
 
ご自身に合った負担軽減策などをフルに活用することも忘れないようにしましょう。
 
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー,住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士



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