更新日: 2019.01.11 iDeCo(確定拠出年金)

「人生100年計画」老後資金でお得なのはどの年金?個人年金保険 or 個人型確定拠出年金

「人生100年計画」老後資金でお得なのはどの年金?個人年金保険 or 個人型確定拠出年金
2007年に日本で生まれた子供の半分は、107年以上生きることが予想されるという長寿の国、日本。現在50歳未満の人は100年ライフを過ごすつもりでいたほうがよさそうです。
と同時に心配なのが老後資金。「日本の人口ピラミットをみると、賦課方式である公的年金は、今後、減額や支給開始が遅くなる可能性が高い。老後を安心して過ごすには自分年金作りが必要」納得だけど、実際どうすればいいの?個人年金保険を勧められるけど他に選択肢はないの?老後の資産形成の手段としてどんなものがあるのでしょうか。

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渡辺和子

Text:渡辺和子(わたなべ・かずこ)

株式会社 Miriz 取締役 

確定拠出年金相談ねっと 認定ファイナンシャル・プランナー
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員 AFP
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
一般社団法人公的保険アドバイザー協会 公的保険アドバイザー
青山学院大学FP3級講座 リスク管理講師
東京海上火災保険株式会社の地域型社員として勤務後、結婚を機に宮城県へ移住。大手電機メーカーの機関代理店や第一地方銀行の窓口業務を経て、2016年に創業39年続く保険代理店取締役に就任。公的保障制度や金融に関する知識を幅広くお伝えできるよう、公的保険セミナー・資産運用セミナーを多数開催。

個人型年金保険とは

個人年金といっても種類がたくさんあり、それぞれメリット・デメリットがあります。一般的なのは確定年金ですがそれ以外にも選択肢はありますので、加入を考えたらしっかり検討したいです。
 
(1)将来の年金受取金額が確定している確定年金

年金受取総額が確定している。
年金開始が60歳以上で年金支払期間が10年以上だと個人年金保険料控除により所得控除が受けられる。設定した確定期間しか年金が受け取れない期限付きである。

(2)生きている間は年金を受け取れる終身年金

終身年金は生きている間は一生涯年金がもらえる。大抵の商品は最低保証期間が設定されている。長生きリスクに対応できる。年金が開始され、早い段階で亡くなると払込保険料総額よりも年金受取額が少ない可能性がある。
確定年金に比べて同じ年金額に設定をすると割高になる。

(3)運用によって年金額が変わってくる変額年金

株式や債券を中心に資産を運用し、その運用の実績によって年金や解約返戻金などが増減するもので、投資リスクは本人に帰属する。運用が実績によっては年金額が増える可能性がある。インフレに対応できる。
運用リスクがあり、将来の年金額が変動する。個人年金保険料控除ではなく一般生命保険料控除になる。

(4)外貨建て年金は為替変動によって年金額が変わってくる

外貨建て個人年金も円建ての商品と同じく年金額は確定。特徴としては日本円より利率の高い外貨での運用となる。
ただし、年金の受取りが外貨になるため、実際に円で受け取るときにはその時の為替レートの影響を受ける。円が低金利のため外貨の方が利率が高い場合が多い。為替手数料が掛かる
 

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税制優遇メリットがある確定拠出年金とは

個人型(iDeCo)と企業型があります。
確定拠出年金法によって定められた国の制度です。自分年金積立のひとつで、掛金を拠出してその資金を運用し、損益が反映されたものを老後の受給額として受け取れます。
確定拠出年金には、3つの非課税枠があります。
 
1、積立金の非課税
2、運用益の非課税
3、一時金の退職所得控除対、年金受取の公的保険料控除
 
確定拠出年金は積み立てた全額が所得控除の対象で、払った税金が戻ってきます。
 
たとえば、課税所得が500万円の会社員のかたが毎月2万3000円を積み立てると、所得税と住民税合わせて8万2800円程度軽減されることになります。個人年金保険でも生命保険料控除を受けられますが、控除額に上限があるので、同じ例で年額6万8000円となります。※新生命保険料控除適用
 
ただし原則60歳まで引出し不可。定期預金のような元本確保もありますが、価格変動商品を選んで運用した場合には元本割れのリスクもあります。
 

ほかの老後資金の作り方って?

上記以外で、老後の資産を備えられるものピックアップしてみます。
 
(1)安全な定期預金

完本保証の定期預金。預ける期間を決めて銀行に預金します。
マイナス金利でまったく殖えませんが、比較的ネット銀行のほうが金利が高めに設定されています。今後インフレが進んでいった場合には、額面は変わらなくても、実際に使えるお金は少なくなります。

(2)はじめて投資をするなら投資信託

多くの人のお金を集めて、運用のプロであるファンドマネージャーが投資先を決定し運用を行い、そこで出た利益を出資した額に応じて配分するのが投資信託です。
少額から積立てることもでき、長期運用・資産分散も可能となるので、投資初心者向きです。
 
ただし、運用によっては元本割れをする可能性があるので、商品選びはポイントを絞ってしていく必要があります。NISAが開始され、税制面でも優遇が受けられるようになりました、2018年からは積立NISA も始まります。 さまざまな手数料が選んだ投資信託によって異なります。
 

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自分に合った老後資金のつくり方って?

なんだかたくさんあるし、前提条件も違うし、なにを基準に選んだらいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。わからないことを整理していけば、「よし!これでいこう!」と自分に合った資産のつくり方が選べるようになります。
 
結婚して子供が生まれたら教育資金を、住宅購入を考えたら頭金を準備し始めますが、こと老後資金になると問題が大きく先送りしがちです。ですが、人生のイベントの中でもっともお金がかかるのが、「退職後の費用」となりますので、100年ライフに向けてスタートしましょう。
 
Tex:渡辺和子(わたなべ・かずこ)
株式会社 Miriz 取締役 
確定拠出年金相談ねっと・認定ファイナンシャル・プランナー
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員・AFP

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