更新日: 2020.01.14 国民年金

国民年金基金の掛け金は所得控除できるってホント?

執筆者 : 大泉稔

国民年金基金の掛け金は所得控除できるってホント?
自営業者やフリーランスの方(=双方をあわせて、以下ではフリーランスとします)なら、一度は、国民年金基金に関心をお持ちになられたことがあると思います。本稿では、国民年金基金のアウトラインについて、大まかに見ていきたいと思います。
 

【PR】SBIスマイルのリースバック

おすすめポイント

・自宅の売却後もそのまま住み続けられます
・売却金のお使いみちに制限がないので自由に使えます
・家の維持にかかるコスト・リスクが無くなります
・ご年齢や収入に制限がないので、どなたでもお申し込みいただけます

大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

老後の年金について……会社員とフリーランスとの格差を埋めるために登場した国民年金基金

会社員の方は、国民年金に加え、厚生年金保険にも加入しています。また、勤め先によっては退職金などが設けられていることもありますね。会社員の方は老後の、つまり定年退職後の生活を支える制度が設けられていることが多いのです。
 
では、会社員の方に比べて、フリーランスの老後の年金はどうでしょうか?
 
フリーランスは国民年金の第一号被保険者として、国民共通の国民年金はありますが、厚生年金保険には加入していません。ということは、フリーランスには最低限の年金しかありません。
 
会社員とフリーランスとの間に、老後の年金において格差が生じています。そこで、この格差を埋めるために、国会審議を経て1991年にスタートしたのが、公的な年金制度である国民年金基金です。
 

【PR】SBIスマイルのリースバック

おすすめポイント

・自宅の売却後もそのまま住み続けられます
・まとまった資金を短期間で手に入れられます
・家の維持にかかるコスト・リスクが無くなります
・借り入れせずに資金を調達できます

国民年金基金の掛け金について

国民年金基金は公的な年金制度なのですが。「会社員なら、皆、加入」という厚生年金保険とは異なり、フリーランスが国民年金基金に加入するか否かは、あくまでも任意です。
 
ですが、フリーランスが国民年金基金に加入すると大きなメリットがあります。それは、国民年金基金の掛け金の全額が所得控除の対象になるということです。国民年金基金の掛け金は月額にして最大6万8000円。年額最大81万6000円の所得控除を受けることができます。
 
フリーランスが老後の生活資金の準備をしながら、掛け金の全額が所得控除になるのは、これは大きなメリットですね! この「掛け金が全額所得控除」になることをきっかけに、国民年金基金への加入を検討される方もいらっしゃるかと思います。
 

国民年金基金への加入の検討について

国民年基金基金は性別と加入時の年齢、それに加入型で、将来の受給額をシミュレーションすることが可能です。そうした点は、「加入時に掛け金の金額だけが確定していて、将来の受給額は運用の成果しだい」という確定拠出年金、いわゆるイデコに比べると、将来の見通しが立てやすいともいえます。
 
しかし、もし今後、インフレが生じた場合はどうでしょうか? 将来の受給額に変化はなくとも、実質的な価値は目減りしてしまっている可能性も否めません。
 
また、国民年金基金は一度加入すると、任意で脱退することは許されません。フリーランスの皆さんなら、売上が変動するという経験をしているでしょうし、病気等で売上が減ってしまう可能性もあるでしょう。そのような状況になっても、掛け金の払い込みを続けることができるかも検討するべきではないでしょうか?
 

まとめに代えて

先述のとおり、国民年金基金は国会審議を経て制度が始まった公的な年金制度です。だからこそ、掛け金の全額が所得控除の対象になるのです。あわせて、フリーランスにとっては、老後という将来の、まして稼ぐ力が衰えるかもしれない時期の生活を支えるための年金です。
 
「掛け金の全額が所得控除になる」という点だけを見て、掛け金を高額にして申し込む方も多いようですが、十分に内容を確認してから加入することをお勧めします。
 
出典
国民年金基金「制度のあゆみ」
国民年金基金「掛金について」
国民年金基金「事業の概況・状況」
国民年金基金「平成30年度国民年金基金連合会資産運用結果」
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役