更新日: 2019.08.13 iDeCo(確定拠出年金)

税金を抑えて資産作りができる「iDeCoとつみたてNISA」どう使い分ければいい?

税金を抑えて資産作りができる「iDeCoとつみたてNISA」どう使い分ければいい?
iDeCoとつみたてNISAは、どちらも税制優遇を受けながら資産形成をしていくための制度です。両制度は似ている部分もありますが異なる部分もあり、どのように使い分ければいいのか悩む人もいるかもしれません。使い分ける時には、目的や制度の特徴から考えるとわかりやすいでしょう。
 
※税制等は2019年7月現在
 

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國村功志

執筆者:國村功志(くにむら こうじ)

CFP(R)、証券外務員一種

大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品営業に携った後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経験。現在は資産形成専門FPとしてセミナーや個別相談のほか、マネー系記事の執筆も行う。個人でも投資信託やFXでの資産運用を行い、実践に即したわかりやすいアドバイスを心がけている。

iDeCoとつみたてNISAの共通点と異なる点

初めにiDeCoとつみたてNISAのポイントを整理しておきましょう。
 
共通しているのは、どちらも主に投資信託で積立する制度だということです。積立額にはそれぞれ上限があり、基本的には長期投資によって資産形成することを前提としています。その他には運用益に通常かかる約20%の税金が免除されており、効率的な運用ができることも共通点でしょう。
 
一方、大きく異なる点は以下の通りです。
 

 
ここでは詳細は割愛しますが、所得控除はiDeCo最大のメリットといえます。掛金や自分の税率に応じて所得税と住民税が軽減され、毎月数百円の口座管理手数料がかかったとしても、一般的にはそれを税金の軽減額が上回るからです。
 
こうした特徴を踏まえて、どのように使い分けすればいいのか見ていきましょう。
 

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老後資金が目的ならiDeCoが適している

両制度とも資産形成のための制度ですが、老後資金を目的とするならiDeCoが向いています。
 
iDeCoには原則60歳未満では引出できない換金制限があり、これはデメリットともいわれています。解約して換金するには、国民年金の保険料免除者になるなど一定の要件をクリアしなければならず、ほぼ不可能といっていいでしょう。
 
しかし考え方によっては、解約制限がメリットにもなります。老後資金の貯蓄は数年程度ですぐに目標達成できるものではなく、10年や20年といった長い年月がかかります。簡単に引き出せてしまうとその間にお金を使ってしまうかもしれません。
 
大切な老後資金だからこそ、解約制限のあるiDeCoが適しているでしょう。
 

専業主婦(夫)はつみたてNISAが向いている

老後資金の貯蓄にはiDeCoが適しているとしても、専業主婦(以下、専業主夫も含む)には当てはまらない可能性があります。
 
iDeCoの解約制限以外のデメリットとして、毎月の口座管理手数料があります。金額は金融機関により、安くても月額167円(年間2004円)です。収入のある人なら所得控除によって手数料のデメリットは打ち消せますが、収入がないか税金のかからない程度でパートをする専業主婦は所得控除ができません。
 
そのため、口座管理手数料を払いながら積立することになり、もったいないのです。専業主婦の場合は、口座管理手数料のかからないつみたてNISAを検討してみてください。
 

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さまざまな目的で利用しやすいのはつみたてNISA

上述した以外にもさまざまな使い分けがありますが、大別すると老後資金はiDeCo、それ以外の資金はつみたてNISAに分けられるでしょう。
 
もちろん使い道は自由ですので、iDeCoだからといって老後資金に使わなければいけないわけではありません。利用のしやすさを考えた場合、つみたてNISAは自由度が高いというだけです。つみたてNISAは貯めるのに長期間かかる資金なら何にでも利用しやすく、いくつか例を挙げてみましょう。
 
・教育資金
・住宅のリフォーム資金
・退職祝いの世界一周旅行の資金

 
他にもありますが、これらは準備に時間がかかるお金です。教育資金はお子様が生まれてから大学入学まで18年程度先の目標に対して長期間貯蓄しますし、リフォーム資金が必要になるのも住宅を購入してから10年以上先になるでしょう。
 
解約制限がないつみたてNISAはさまざまな目的に利用しやすいため、将来かかりそうな費用のために今から準備しておくのが良いのではないでしょうか。
 

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目的に合わせてiDeCoとつみたてNISAを選ぶ

iDeCoとつみたてNISAは効果的に利用したいですが、資産形成という意味で考えれば両方の制度を活用するのがいいでしょう。長期の資産形成をするうえで、両制度ほどの税制優遇を受けられるものは他にないからです。
 
まずはどちらか片方から始めてみたいという人は、何のために利用するのかを考えて目的に合った制度を選んでみてください。
 
<出典>
iDeCo公式サイト
日本証券業協会/みんなにいいさ!NISAがいいさ!!
 
執筆者:國村功志
CFP(R)、証券外務員一種
 

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