新しい職場は「退職金制度」がなくビックリ…! 代わりに「企業型DC」を導入しているそうですが、すでに「iDeCo」に加入していても併用できますか?
配信日: 2025.06.05

本記事では企業型DCの概要や、併用にあたっての拠出上限額の注意点、併用によるメリット・デメリットを解説します。
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目次
「退職金制度」の代わりに「企業型DC」を導入する企業が増えている
「企業型確定拠出年金(企業型DC)」は2001年に導入された年金制度です。
厚生労働省の公表している「平成15年就労条件総合調査の概況」によれば、退職給付(年金)制度において、企業型DCを導入している企業の割合は、2003年時点では全体の1.8%にとどまっていました。
しかしながらその10年後に実施された「平成25年就労条件総合調査結果の概況」においては35.9%、さらに10年後の「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」においては50.3%まで増加しており、近年では調査対象企業の半数まで拡大していることが見て取れます。
「企業型DC」と「iDeCo」の併用は原則として可能
普及が進む企業型DCは、2022年の制度改正により個人型確定拠出年金である「iDeCo」への加入要件が緩和され、iDeCoと併用することが比較的容易になりました。
また2024年12月の改正では、それまで一律に定められていた企業型DCの掛金の上限が「月額5万5000円からDB等の他制度掛金相当額を控除した金額」までと見直され、iDeCoとの併用も含めてさらに幅広い運用が可能となっています。
ただし、現在「マッチング拠出」で掛金を上乗せしている場合は注意が必要です。マッチング拠出は企業の設定した掛金額を上限に、加入者自身も掛金を支払うことで運用額を増額する制度ですが、この制度を利用していると企業型DCとiDeCoを併用することができません。
さらに、iDeCoの最低拠出金額は5000円であるため、上限までの残額が5000円未満の場合はそもそもiDeCoに加入できない点にも注意しましょう。
「企業型DC」と「iDeCo」を併用するメリット・デメリット
企業型DCとiDeCoを併用する場合の主なメリット・デメリットを見ていきましょう。
・併用のメリット
企業型DCでは企業が指定した金融機関から投資商品を選択しますが、iDeCoでは金融機関と投資商品を自分で選択できます。対象分野やリスク・リターンの割合を自分で決めることができるため、資産運用の幅を広げることが可能です。
また、企業型DCの掛金額が拠出上限額に達していない場合、iDeCoと併用して拠出することで拠出可能枠を有効活用することができます。
・併用のデメリット
iDeCoを併用する場合、企業型DCのマッチング拠出よりも拠出額の合計が少なくなることがあります。
2025年6月現在、確定拠出年金の拠出上限額は月額合計5万5000円で、うちiDeCoの拠出上限額は月額2万円です。掛金の額面だけ見れば、企業型DCの掛金が2万円超3万5000円未満の場合、iDeCoとの併用よりもマッチング拠出のほうが多く拠出可能といえるでしょう。
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まとめ
企業型DCとiDeCoは条件を満たせば併用が可能ですので、すでにiDeCoに加入していても問題なく企業型DCを利用できる可能性が高いといえます。ただし、企業型DCの掛金額やマッチング拠出の有無によっては、併用できないケースも考えられますので注意しましょう。
出典
厚生労働省 平成15年就労条件総合調査の概況 2 退職給付(一時金・年金)制度
厚生労働省 平成25年就労条件総合調査結果の概況 4 退職給付(一時金・年金)制度(3ページ)
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況 3 退職給付(一時金・年金)制度(13ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー