年金機構から「赤い封筒」が届いたという息子。「年金を払ってなかった」とのことですが、このままでは“差し押さえ”になってしまうでしょうか? 親として立て替えるべきですか? 利用できる制度も解説

配信日: 2025.06.18

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年金機構から「赤い封筒」が届いたという息子。「年金を払ってなかった」とのことですが、このままでは“差し押さえ”になってしまうでしょうか? 親として立て替えるべきですか? 利用できる制度も解説
日本年金機構からはがきや封筒などが送られてくることはよくあることですが、「赤い封筒が届くとまずい」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
 
この赤い封筒、実は年金滞納者に向けたお知らせなのですが、この封筒をこのまま放っておくと、どうなってしまうのでしょうか。もし学生の子どもが年金を滞納していた場合、親が立て替えて支払ったほうがいいのでしょうか。
 
本記事では日本年金機構から赤い封筒が届いたときの対応の仕方や、学生向けの制度について解説していきます。
新川優香

「赤い封筒」ってなに? 届いたらどうすればいいの?

日本年金機構から届く「赤い封筒」は、正式には「最終催告状」と呼ばれるものです。この通知は国民年金保険料の納付が長期間滞っている場合に送付されます。
 
通常、保険料の未納があると、納付勧奨として「催告状」が送られます。このあとも未納が続く場合、引き続き催告状が送られますが、「赤い封筒」はその中でも最後の警告といえるものです。
 
この「最終勧告状」には現時点での滞納金額や納付期限、また対応しなかった場合に財産調査や差し押さえなどの可能性が記載されています。催告状が届いたらできるだけ早く保険料を納付するか、年金事務所に相談に行くようにしましょう。
 

放置すると差し押さえに? 学生にも影響はある?

「赤い封筒」を無視し続けて保険料を納付しない場合、日本年金機構は本人の財産状況を調査し、必要に応じて差し押さえを行うことがあります。
 
「学生だから大丈夫なのでは」と思う人もいるかもしれませんが、アルバイトなどで一定の収入がある学生は納付対象者とされることもあります。また、保険料の未納は将来自分が受け取る年金額にも関わってくるため注意が必要です。
 

親が立て替えるべき?「学生納付特例制度」とは

学生の子どもが保険料を滞納していた場合、財産が差し押さえられる前に親が立て替えるべきなのでしょうか。
 
結論からいうと、必ずしも親が支払う必要はありません。実は保険料の支払いが難しい学生のために「学生納付特例制度」という制度があります。これに学生本人が申請することで、在学中の国民年金保険料の納付が猶予されるため、保険料が支払えなくても差し押さえなどのリスクを回避できるのです。
 
ただし申請には期限があるため、未申請のままだと通常の滞納扱いになります。また将来、経済的に余裕ができた時点で、未納となっている保険料を「追納制度」を利用して、あとから納めることもできます。期限内に追納すれば、将来の年金額にも反映されるため安心です。
 

放置は厳禁! 親子で早めに相談・手続きを

子どもあてに「赤い封筒」が届いたと聞くと、親としては驚きや不安を感じるかもしれません。
 
しかし、これはあくまで「最終的な対応をしてください」というお知らせです。金銭的な余裕がない場合でも、学生であれば「学生納付特例制度」を利用することで保険料の支払いが免除されることもあります。
 
いずれにしても、「知らなかった」「どうせ学生だから関係ない」といった思い込みで放置せず、まずは中身を確認し、親子で一緒にどうするかを話し合うようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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