年金が「月額11万円」ですが、さすがに少なすぎますか? 20歳から60歳まで年金を納めてきました。

配信日: 2025.06.15

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年金が「月額11万円」ですが、さすがに少なすぎますか? 20歳から60歳まで年金を納めてきました。
60歳までしっかり会社員として働き、年金を納めてきたのに、いざ年金を受け取ってみると「月額11万円」程度で驚いた……そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際にそうなると、「これだけで、これから生活できるのか?」と不安になってしまうかもしれません。
 
そこで、この記事では、年金の受給額が思ったより少なくなる理由を解説しつつ、今後の生活をより安定させる方法について考えていきます。
柘植輝

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

40年間納めてきたのに、なぜ年金が少ないのか?

年金の受給額は、加入していた年金の種類だけではなく、納めた金額や加入期間によっても変わります。そのため、国民年金よりも受給額が多いとされている厚生年金に加入していても、給与が低かった場合や、加入している期間が短かった場合は年金額が少なくなります。
 
具体的にいうと、平均的な収入(平均標準報酬45万5000円)で40年間就業した場合、年金の受給額は16万円ほどとなります。
 
今回の相談者のように年金が11万円しかもらえないという方の場合、40年間での平均的な収入は年収250万円程度になると想定されます(1984年6月1日生まれ、20歳から59歳まで厚生年金に加入と仮定して試算)。
 

年金11万円で老後は生活できるのか?

正直なところ、年金11万円での生活は困難といえます。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における消費支出は月額およそ26万円、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月額およそ15万円となっています。
 
もちろん人によっては不可能ではないのかもしれませんが、この額の年金だけで生活するのは決して容易ではない、ということは肝に銘じておく必要があるでしょう。
 

年金が少ない場合の対策

年金が少ないと感じたときは、その時点で何かしらの対策を講ずる必要があります。早めに対応することで、将来、年金だけでは生活できなくなり困窮するといった事態を防ぐことができます。
 
年金が少なく、このままでは生活できなくなるだろうと判断した場合、まずは生活費を見直し、支出を削りましょう。
 
その上で、まだ年金だけでは支出を賄えないようであれば、週2・3日程度からでも働くというのもよいでしょう。仮に時給1000円で1日5時間、週3日程度働いた場合、月6万円ほど収入を増やすことができます。
 
なお、近年の投資ブームから、NISAなど投資で収入を増やそうと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、投資は、収入が限られている場合や生活が厳しい場合、安易に手を出すと多くの損失を出す可能性があるため、慎重に検討した方がよいでしょう。
 

まとめ

11万円という年金額は、平均的な生活費と比較して決して多い額とはいえません。とはいえ、支出を抑えたり、働いたりすることでカバーすることは可能です。
 
年金が少なすぎないか、と不安になるかもしれませんが、不安は行動することで緩和することができます。手遅れになってしまう前に、まずは支出の削減など、できることから始めてみましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2024年-(19ページ)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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