「ねんきん定期便」を見て老後に受け取れる年金の少なさにびっくり! 実際「年金だけ」で生活している世帯は何%?

配信日: 2025.06.11

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「ねんきん定期便」を見て老後に受け取れる年金の少なさにびっくり! 実際「年金だけ」で生活している世帯は何%?
年1回届く「ねんきん定期便」では、これまでの保険料納付額や年金加入期間以外に、これまでの加入実績に応じた将来の受取額の試算結果も見ることができます。その額を見て、想定していたよりも少ないことに驚かれた方もいるかもしれません。
 
老後の生活を不安に思われた方のために、本記事では年金の平均受給額や、年金だけで生活している方の割合といったデータに触れつつ、老後の資産形成に向けたポイントも解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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厚生年金の平均受給額は「月額14万7360円」

まずは、年金の平均受給額を見てみましょう。厚生労働省が発表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、令和5年度末時点における厚生年金保険受給者の平均年金月額は、併給する老齢基礎年金の額も含めて「14万7360円」です。
 
また、日本年金機構によれば、夫婦2人世帯に的を絞った場合の支給額について、令和7年度のモデル世帯における老齢基礎年金を含む標準的な年金額は月額「23万2784円」です。
 
一方、将来の受給見込み額については、同じく厚生労働省の「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し-令和6(2024)年財政検証結果-」によると、成長型経済移行・継続ケースにおいて、2049年時点での平均年金受給額は男性が「18万円」、女性が「約13万円」となる見通しになっています。
 

年金等だけで生活している世帯の割合は「41.7%」

厚生労働省が発表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、「高齢者世帯」の2022(令和4)年の1世帯あたり平均所得金額は304万9000円です。所得の内訳としては「公的年金・恩給」が62.9%、「稼働所得」が26.1%と、公的年金または恩給が大きな割合を占めていることが分かります。
 
同資料によれば「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」、つまり公的年金や恩給だけで生活している世帯の割合は41.7%です。さらに各種世帯の意識調査において「生活が苦しい」と回答した高齢者世帯の割合は59.0%と、過半数に上っています。
 
収支のバランスは各世帯で異なりますので、「年金だけで暮らせるか?」という問いに直接答えを出すのは難しいですが、現状でも少なくない高齢者世帯が生活に苦しさを感じていることは確かなようです。
 

「老後の生活費」を確保するためのポイント

老後の生活費を確保する方法はいくつかありますが、前提として「ねんきん定期便」で年金の見込み額をチェックしておくことは重要かもしれません。見込み額と現在の貯蓄額を照らし合わせて、月々どれだけの貯蓄を確保しておけば安心できそうか、目星をつけておきましょう。
 
また、併せて退職金の見込み額の確認もしておきたいところです。退職金制度は企業によって計算方法が異なるほか、近年では従来の退職金制度に代わって、企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入している企業もあります。試算結果をあらかじめ知っておくことは、年金の見込み額チェックと同様に老後の生活設計の助けになるでしょう。
 
その上で、貯蓄や退職金で足りないと考えられる部分は「iDeCo」や「NISA」といった、税制優遇を受けられる長期的な資産形成制度を活用し、リスクをある程度抑えて増益を見込むのが理想的です。
 

まとめ

老後を年金等のみで暮らしている高齢者世帯が半数近く存在する一方、少なくない世帯が収入源を問わず「生活が苦しい」と感じているようです。ねんきん定期便を見て「少ない」と感じられたのであれば、老後に向けた長期的な収支計画の作成や、資産形成を検討し始める好機かもしれません。
 

出典

厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II. 厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)
厚生労働省 国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し-令和6(2024)年財政検証結果- 年金額の将来見通し (令和6(2024)年財政検証 年金額分布推計) 成長型経済移行・継続ケース(17ページ)
厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況(9ページ、11~12ページ)
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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