過去に「国民年金の支払い免除」を利用した場合、「受け取れる年金」はどのくらい「減少」する?
配信日: 2025.06.10

しかし、経済的な事情により保険料の支払いが難しくなることもあるでしょう。その場合は、支払い免除の手続きをおこなうと受給資格を失う心配がなくなります。
本記事では、国民年金の支払い免除について紹介するとともに、支払いが免除された場合にもらえる年金額や追納についてもまとめています。

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「国民年金の支払い免除」とは?
国民年金の支払い免除とは、保険料の支払いが困難な場合に、申請書の提出により支払いが免除されることをいいます。
老齢年金を受け取るためには、保険料を納付した期間と免除された期間などの合計が10年以上必要です。そのため、保険料を支払わないまま放置した場合、将来、老齢年金を受け取れなくなる可能性があります。
また、万が一のときに障害年金や遺族年金を受け取れなくなることも考えられるため、手続きをしておくことが重要です。
保険料の免除を申請できるのは、保険料の納付期限から2年以内であり、申請時点からは2年1ヶ月前までの期間となります。電子申請、または紙での申請が可能なので、基礎年金番号通知書のコピーなど、必要書類をそろえて申請しましょう。
支払いが免除された場合の年金額はどうなる?
国民年金の支払い免除で免除される額は以下の4パターンがあります。それぞれ、保険料を全額納付した場合に受け取れる年金額よりどのくらい低額になるのかをまとめました。
●全額免除:2分の1
●4分の3免除:8分の5
●半額免除:8分の6
●4分の1免除:8分の7
今回の事例では「過去に国民年金の支払い免除を利用した場合、受け取れる年金はどのくらい減少するか?」なので、まずは免除の割合を確認してみましょう。
日本年金機構によると、国民年金保険料を40年納付した場合に受け取れる老齢年金は83万1700円なのに対し、40年全額免除となった場合に受け取れる老齢年金は41万5850円になるということです。
保険料を追納することで年金額をふやすことが可能
上記で紹介したように、支払い免除を利用すると将来受け取れる老齢年金が減ってしまいます。しかし、10年以内であれば追納が可能なため、将来もらえる老齢年金をふやせるでしょう。
日本年金機構によると、全額免除を受けていた保険料を1年分追納した場合、老齢年金が年間で約1万円ふえます。ただし、追納のタイミングによっては経過期間に応じた加算額が保険料に上乗せされるため、確認が必要です。
追納を希望する際は、事前に申請しなければなりません。日本年金機構のホームページから追納申込書をダウンロードし、必要書類をそろえ、年金事務所の窓口または郵送で申請してください。
年金事務所から納付書が届いたら、金融機関や郵便局・コンビニなどで追納分の保険料を納付しましょう。
免除を受けた割合によって受け取れる老齢年金額が変わってくる
経済的な理由などで国民年金の保険料を支払うことが困難になった場合は、申請により支払い免除を受けられる可能性があります。保険料を支払わずそのままにしておくと年金の受給資格を失ってしまうこともあるため、注意が必要です。
どのくらい免除するかによって将来受け取れる年金の額が変わってくるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
また、10年以内であれば保険料の追納が可能です。支払い免除を利用するともらえる年金が減ってしまう可能性がありますが、追納すると受け取れる年金の額をふやせるため、経済的に余裕ができた場合は早めに追納を検討することをおすすめします。
出典
国民年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー