妻は3歳年上です。配偶者に対する「加給年金」は「年齢が自分より下」でなければ受け取れないのですか? 受給要件や支給額は?

配信日: 2025.06.07

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妻は3歳年上です。配偶者に対する「加給年金」は「年齢が自分より下」でなければ受け取れないのですか? 受給要件や支給額は?
一般的に、65歳になると年金をもらえますが、それに上乗せされる「加給年金」について知りたい人もいるでしょう。将来自分が受け取れる年金はいくらなのかを確認するためにも、詳しく調べておくことをおすすめします。
 
本記事では、加給年金とはどのようなものなのかを紹介するとともに、受給要件や支給額についてもまとめています。
FINANCIAL FIELD編集部

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加給年金をもらえるのはどのような人?

加給年金が支給されるのは、厚生年金保険の加入期間が20年以上あり、65歳の時点で配偶者、または子どもがいる人です。配偶者と子どももそれぞれ以下の要件を満たしている必要があるため、確認しておきましょう。
 

【配偶者】

・65歳未満であること

 

【子ども】

・1人目・2人目:18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障がいの状態にある20歳未満の子であること
・3人目以降:18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障がいの状態にある20歳未満の子であること

 
今回の事例では「配偶者に対する加給年金は、年齢が自分より下でなければ受けられないのか? 」ということでした。受給者本人が65歳になっている場合に65歳未満の配偶者に対して支給されるため、「配偶者の年齢が自分より下の年齢であること」が条件になると考えてよいでしょう。
 
加給年金は、配偶者や子どもの年齢が上記に該当しなくなった場合に終了となります。加算が終了となる際に届け出が必要になる場合もあるため、年金事務所などに問い合わせておくと安心です。
 

加給年金はいくら受け取れる?

日本年金機構によると、令和7年4月からの加給年金額は表1の通りです。
 
表1

対象者
配偶者 23万9300円
1人目・2人目の子 各23万9300円
3人目以降の子 各7万9800円

※日本年金機構「加給年金額と振替加算」を基に筆者作成
 
さらに、配偶者に対する加給年金には、年金受給者の生年月日に応じて表2の金額が特別加算されます。
 
表2

受給権者の生年月日 特別加算額 加給年金額の合計額
昭和9年4月2日から昭和15年4月1日 3万5400円 27万4700円
昭和15年4月2日から昭和16年4月1日 7万600円 30万9900円
昭和16年4月2日から昭和17年4月1日 10万6000円 34万5300円
昭和17年4月2日から昭和18年4月1日 14万1200円 38万500円
昭和18年4月2日以後 17万6600円 41万5900円

※日本年金機構「加給年金額と振替加算」を基に筆者作成
 
加給年金の対象となる可能性がある人は、いくら受け取れるのか確認してみるとよいでしょう。
 

実際に受給している人はいくら受け取っているの?

厚生労働省年金局が公表している「第6回社会保障審議会年金部会」の資料によると、配偶者加給(老齢厚生年金)を受給している人は、令和3年末時点で約92万7000人とされています。平均加給年金額は38万9681円で、月額に換算するとおよそ3万2473円となります。
 
また、配偶者加給と子加給の両方を受給している人は、2万3000人です。平均加給年金額は66万4015円で、月額に換算するとおよそ5万5335円となります。
 

加給年金の対象となる配偶者は自分より下の年齢である「65歳未満」でなければならない

老齢年金の受給者は65歳の時点で「65歳未満」の配偶者がいる場合、通常の年金のほかに加給年金を受け取れる可能性があります。つまり、自分より下の年齢の配偶者がいる人に関係する制度であると考えてよいでしょう。
 
また、一定の要件を満たす子どもがいる場合にも支給されるため、確認しておくことをおすすめします。加給年金の額を確認するとともに、特別加算の対象にならないかチェックしてみるとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 加給年金額と振替加算
厚生労働省年金局 加給年金制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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