「年金だけ」では「不安」なため、定年後も働こうと考えています。「定年後も働いている人」はどのくらいいますか?

配信日: 2025.06.06

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「年金だけ」では「不安」なため、定年後も働こうと考えています。「定年後も働いている人」はどのくらいいますか?
定年をむかえる年齢が近づいてくると、年金だけで生活できるのか不安になる人もいるでしょう。
 
老後の生活にどのくらいのお金が必要なのかを確認し、年金だけで足りるのか確認してみてもよいかもしれません。
 
本記事では、定年後も働いている人の割合や、定年後に受け取れる年金額についても紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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定年後も働いている人の割合

定年後も働いている人がどのくらいの割合でいるのか、確認してみましょう。
 
総務省統計局の「労働力調査(基本集計) 2024年(令和6年)平均結果」によると、65歳以上の人口に占める就業者の割合は25.7%(男性34.2%、女性19.1%)となっています。うち、65~69歳が53.6%、70~74歳が35.1%、75歳以上が12.0%です。10年前の2014年と比較すると、65歳以上の就業率は5%ほど増加しています。
 
なお、55~64歳の就業率は79.2%であり、それと比較すると65歳以上で働いている人の割合は大幅に減っているのが分かります。それでも一定数の人が働いていると分かるため、今回の事例のように「年金だけでは生活に不安がある」という人もいるかもしれません。
 
ただし、65歳で定年をむかえるとは限らないため、今回の「定年後も働いている人の割合」と必ずしも一致するわけではないでしょう。
 

老後に必要な生活費

定年後に働くかどうかを考えるにあたって、老後にいくらぐらいのお金が必要になるのかを確認してみましょう。
 
総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の消費支出は25万6521円となっています。税金や社会保険料などの非消費支出とあわせると、月々28万6877円です。消費支出の内訳は表1のようになっています。
 
表1

項目 金額
食料 7万6352円
住居 1万6432円
光熱・水道 2万1919円
家具・家事用品 1万2265円
被服および履物 5590円
保健医療 1万8383円
交通・通信 2万7768円
教養娯楽 2万5377円
その他の消費支出 5万2433円

※総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
65歳で定年をむかえて90歳まで生きると仮定した場合、生活費だけで8600万円以上が必要ということになります。高齢になると医療費や介護費などがかかることも考えられるため、さらに多くの資金が必要になる場合もあるでしょう。
 

定年後はどのくらい働けばよい?

日本年金機構によると、令和6年度における厚生年金の夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は、22万8372円です。
 
平均と同じくらいの金額の年金を受給する場合、月々の支出と比較して6万円ほど不足する計算になります。これを踏まえると、90歳までの25年間では1800万円ほどの資金が足りなくなる可能性があります。そのため、生活費の不足をカバーしたいのであれば、月6万円を目安として働くとよいでしょう。
 
貯蓄も殖やしたいと考えているのであれば月6万円以上、貯金を切り崩しながら生活するのであれば月6万円より少なくてもよいかもしれません。
 

65歳以上のうち働いている人の割合は25.7%

年金だけでは老後の生活に不安があるため、定年後も働き続けることを検討している人もいるでしょう。
 
今回紹介した調査の結果によると、65歳以上人口に占める就業者の割合は25.7%ということです。
 
65歳以上の夫婦2人世帯の1ヶ月の支出と年金の平均受給額を比較すると月6万円ほど不足する場合もあるため、生活費の不足をカバーするには月6万円ほどの収入が得られるように働くとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 労働力調査(基本集計) 2024年(令和6年)平均結果
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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