3月末で退職し、年金の「受給申請」をしました。最短でいつ振り込まれるのでしょうか?

配信日: 2025.06.05

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3月末で退職し、年金の「受給申請」をしました。最短でいつ振り込まれるのでしょうか?
年金の受給開始年齢は65歳となっており、65歳の誕生日の前日に年金の受給権が発生します。ただし、年金の支払いは自動的に開始されるわけではなく、受給するためには年金請求書で受給申請しなければなりません。
 
初めて年金をもらう場合、年金請求書による受給申請から約2~3ヶ月後に年金が振り込まれます。本記事では、年金の支給開始時期や、請求の流れを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金の支給開始は申請から約2~3ヶ月後

年金は、年金請求書を提出してから約2~3ヶ月後に支給が開始されます。年金の受給開始年齢に達する2~3ヶ月前に日本年金機構から年金請求書が送付されます。年金の受給を開始するためには、年金請求書を提出しなければなりません。
 
年金請求から約60日で年金証書が日本年金機構から送付され、さらに約50日で初めての年金の振り込みが開始されます。年金は原則として偶数月の15日に2ヶ月分まとめて振り込まれますが、初回受取時は奇数月の受け取りとなる場合もあります。
 

年金の請求手続き

年金請求書の提出から受給開始までの流れは、次のとおりです。

・年金請求書の送付:受給開始年齢に到達する3ヶ月前に年金請求書が送付される
・年金請求書の提出:紙または電子申請により年金請求書を提出する
・年金証書・年金決定通知書の送付:年金請求書の提出から1~2ヶ月後に送付
・年金の受け取り:年金証書・年金決定通知書が届いてから1~2ヶ月後に年金の支払いの案内が送付され、年金の受け取りが開始される

年金の加入期間に抜けがないなど、一定の条件を満たす方は老齢年金請求書を電子申請できます。電子申請の対象者には、電子申請を案内するリーフレットが年金請求書に同封されます。
 
リーフレットが同封されていない場合、紙の請求書に必要事項を記入のうえ、受給開始年齢の誕生日の前日以降に年金事務所に提出しなければなりません。
 
年金は、受給権が発生した月の翌月分から受け取りが可能です。原則として、偶数月の15日に前月および前々月の2ヶ月分の年金が振り込まれます。
 

年金には時効がある点に注意

年金を受ける権利には5年間の時効があるため、年金の受給権が発生してから5年経過すると時効によって年金を受ける権利が消滅してしまいます。
 
ただし、やむを得ない事情により、時効を超過してしまった場合には、その理由を書面で申し立てることで時効消滅を防ぐことが可能です。また、年金の種類によって図表1のとおり時効の期間が定められています。
 
【図表1】

年金の種類 時効の期間 時効の起算日
老齢年金 5年 支給事由が生じた日の翌日(※)
障害年金 5年 支給事由が生じた日の翌日(※)
遺族年金 5年 支給事由が生じた日の翌日(※)
未支給年金 5年 受給権者の年金支払日の翌月初日
死亡一時金 2年 死亡日の翌日
脱退一時金 2年 日本に住所を有しなくなった日

※支分権については年金支払日の翌月初日
日本年金機構「年金の時効」より筆者作成
 
ただし、年金記録が訂正されたうえで裁定が行われた場合には、たとえ本来の支給権が時効によって消滅している場合でも時効特例給付の対象と認められれば、その分の年金は全額支給されます。
 

年金の受給開始年齢は65歳。繰上げ・繰下げでの受給も可能

2000年の法律改正により、老齢厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられることとなり、2013年度から2025年度にかけて引き上げが行われました。
 
経過措置として60歳から受け取れる特別支給の老齢厚生年金が設けられましたが、段階的に支給開始年齢が引き上げられ、1961年4月2日生まれ以降の男性と1966年4月2日生まれ以降の女性は受給できません。現在、年金の受給開始年齢は65歳ですが、繰上げ・繰下げでの受給も可能です。
 
最大で75歳までの繰下げ受給、60歳からの繰上げ受給が可能となっており、繰下げ、繰上げの期間によって受給できる年齢が増減します。最大で75歳まで繰下げた場合は84%増額、60歳まで繰上げた場合は24%減額(昭和37年4月2日以降生まれの方)されます。
 
増減は月単位となるため、生涯の年金額を考えると増減は大きな影響を受けます。繰上げや繰下げを行う際には、老後資金をしっかりと試算し、慎重に検討しましょう。
 

スムーズな受給のために、年金の受給手続きを早めに進めよう

年金の受給開始には請求手続きが必要となっており、請求手続きから約2~3ヶ月で初めての年金が振り込まれます。加入期間に抜けがない場合など、一定の条件を満たす方は電子申請も可能です。
 
年金の支給開始年齢は65歳ですが、60歳からの繰上げ受給、75歳までの繰下げ受給も可能です。繰上げ、繰下げの期間によって受け取れる年金額が増減するため、試算したうえで検討するようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢年金の請求手続き
厚生労働省 老齢基礎年金 お手続きの完了について
日本年金機構 年金の時効
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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