年金が「2ヶ月ごと」の支給だと1ヶ月目で使い切ってしまいそうです。毎月支給に変更できませんか?
配信日: 2025.06.04

本記事では、2ヶ月ごとの支給の仕組みとその理由、年金を無理なく管理するための方法などを紹介します。

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年金の支給は2ヶ月ごとと決まっている
毎月の支給を希望する声もありますが、現状では年金制度のルールとして、偶数月に2ヶ月分がまとめて振り込まれる形がとられています。
ここでは、具体的な支給スケジュールを見ていきましょう。
初回は誕生日月の翌月
年金の受給権は、65歳の誕生日の前日から発生します。しかし、実際に最初の年金が支給されるのは、受給権が発生した翌月からです。例えば、5月2日生まれの方は、5月1日に受給権が発生し、年金の支給開始は6月になります。
一方で、誕生日が1日の場合は受給権が前月の末日に発生します。例えば、5月1日生まれの方は4月30日に受給権が発生するため、支給開始は5月です。このように、誕生日が1日の場合のみ、その月から年金が支給される点に注意しましょう。
2回目以降は2ヶ月ごと
年金の支給額は1年分を12で割った金額が月額となり、それを2ヶ月分まとめて偶数月に 受け取る形です。
支給は後払い方式のため、例えば8月に振り込まれる年金は6月と7月の分にあたります。2ヶ月ごとにまとめて支給されるため、家計管理を意識しないと、支給直後に使いすぎて翌月の生活費が不足する恐れがあります。
そのため、年金を頼りに生活している方にとって、計画的な支出は重要です。支給された年金を2ヶ月分の生活費として均等に使えるように工夫し、無理のない家計管理を心掛けましょう。
年金の受け取り方法
年金は、基本的に2ヶ月ごとに支給されますが、受け取り方法はいくつかの選択肢があります。ここでは、主な2つの受け取り方法について紹介します。
口座振り込みで受け取る
金融機関の口座に年金を振り込んでもらう方法では、指定した銀行や信用金庫、ゆうちょ銀行の口座に、年金の支給日に自動的に振り込まれます。
ゆうちょ銀行の窓口で受け取る
年金の受け取り方法として、ゆうちょ銀行(郵便局)の窓口で直接受け取る方法もあります。年金送金通知書が届いたら、指定されたゆうちょ銀行の窓口で、各支払日から受け取ることが可能です。
年金の支給が2ヶ月に1回の理由
公的年金は、全国で数千万人もの受給者に支給されています。そのため、毎月支払い処理するよりも、2ヶ月ごとにまとめて振り込むことで、行政の業務負担を軽減できていると考えられます。
また、支給のたびに発生する振込手数料や通知書の発送コストを抑えることで、年金制度全体の運用コストを削減する目的もあるでしょう。
こうした理由から、現状では隔月支給の方式が採用されており、毎月支給へ変更するのは難しいことが分かります。
2ヶ月に1回の支給でやりくりするコツ
2ヶ月に1回の年金支給だと、人によって無計画に使ってしまい、次の振り込みまでの生活が厳しくなってしまう可能性があります。ここでは、年金をうまくやりくりするためのコツについて紹介します。
予算管理は1ヶ月ごとにする
2ヶ月分の年金を受け取った後は、まず1ヶ月ごとの予算を決めて、計画的に使うようにしましょう。また、1ヶ月ごとに収支の確認を行い、実際に使った金額と当初の予算を比較することで、自分の生活費の傾向を把握できます。
数ヶ月続けてみると、老後資金の減り方が見えてくるため、予想よりも支出が多い場合は、無駄な出費を見直し、節約の工夫を取り入れることが大切です。
食費は週ごとの予算も決めておく
2ヶ月分の支給額から1ヶ月分の食費を決め、さらにそれを4週間で割り、週ごとの予算を意識すると無駄遣いを防ぎやすくなります。
なるべく自炊を基本とし、計画的に食材を購入することで、経済的にも健康面でもメリットがあります。
突発的な支出を予測しておく
毎月の生活費を計画的に管理できていても、予想外の出費が発生することは避けられません。
例えば、自宅の修繕費、医療費、家電の買い替えなど、突然の支出が必要になる場面は多くあります。こうした出費に備えて事前に一定の金額を貯蓄しておくことが大切です。
年金を毎月支給に変更は不可。家計をしっかり管理しよう
年金は2ヶ月ごとに支給される仕組みになっており、現時点で毎月支給に変更する予定はありません。その理由としては、受給者数が多く、振込手続きや通知の発送にかかるコストや業務負担を考慮しているためです。
そのため、受給者は支給額を計画的に管理し、1ヶ月ごとの予算を設定することが大切です。年金生活を安心して送るためにも、しっかりとした家計管理を心掛けましょう。
出典
日本年金機構 年金はいつ支払われますか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー