更新日: 2019.06.28 iDeCo(確定拠出年金)

社会人3年目です。老後を考えたら。iDeCoに入るべきでしょうか? 

社会人3年目です。老後を考えたら。iDeCoに入るべきでしょうか? 
2017年から対象者が広がったこともあり、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する方が増えてきました。
 
運用中、受取時にも節税効果があり、老後の資産準備にぜひ活用したいiDeCo。
 
「人生100年時代」と言われる今、70歳まで働いたとしても、残りの30年間は給与収入なしで暮らすわけですから、それなりに備えておくことは肝心です。
 
今回は、若い方こそ活用したいiDeCoに入るメリットをお伝えします。
 

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杉山夏子

執筆者:杉山夏子(すぎやま なつこ)

2018年日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員
一般社団法人 家族信託普及協会®会員

大学卒業後外資系IT企業にて金融機関のシステム営業に従事。その後シンガポールへ移住しファンド会社に就職。

帰国後ファイナンシャルプランナーの資格を取得し、資産形成から保全にいたる多くの知識と経験を駆使し、ファイナンシャルスタイリスト(R) として、ライフプラン、資産形成、保険見直し、相続等の相談業務、セミナー、執筆業務を実施。

 iDeCoに入った方がよい3つの理由

仮に社会人3年目でも、iDeCoに入っておいた方がよい理由は3つあります。
 
長期で積立できること。収入が少なくても、少額から始められること。iDeCoで扱いのある投資信託にはコストが安いものが多く、手数料負担が軽くできることです。
 

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時間は心強い味方、長期で積立するのがよい

わかりやすく、月1万円でiDeCoをやっていくと考えてみましょう。
 
25歳から60歳までの35年間で、積み立てる金額は420万円。420万円もの大金をすぐに準備することはできませんが、時間をかけて貯めていくことはできます。
 
さらに、この毎月1万円を3%で運用すると、35年後には77%増の約740万円になります。1万円をコツコツ貯金するだけでもお金は貯まりますが、運用をすると複利効果で雪だるま式にお金が増えていくのです。
 
逆に、1000万円を貯めよう!という場合で考えてみます。
 
3%で運用できるとして、10年しかない人は毎月7万円以上を積み立てないと1000万円には到達しません。しかし、20年なら月3万円、35年なら月1万3000円ほどで済みます。
 
iDeCoは投資信託か、定期預金などの元本確保型と呼ばれる商品で積み立てていきます。投資信託は値動きがありますので、必ずしも一定の割合で増えていくわけではありません。
 
ただ、毎月同じ金額を値動きのある投資信託にかけ続けることで、値段(基準価額)の安い値下がり時にたくさん買って数量を増やしておき、値上がりした時に大きくジャンプアップできます。
 
この手法を「ドルコスト平均法」と言います。長期の積立投資では、「値下がり時」と「値上がり時」を複数回経験することで、より大きく資産を増やすことができるでしょう。
 

一番多い毎月の掛け金は1万円程度

iDeCoに拠出できる金額は、勤め先に企業年金のない会社員の場合、年間27万6000円、毎月にすると2万3000円が上限です。
 
勤務先に企業型確定拠出年金がある方の場合、上限月額は2万円です。確定給付企業年金がある方と公務員の方は、月1万2000円が上限となります。(その他、自営業者や学生、専業主婦の方も加入することができ、限度額は異なります)
 
これらはあくまで上限で、iDeCoは月5000円から始めることができます。国民年金基金連合会によれば、平成30年3月末現在、会社員でiDeCoをされている方の平均掛け金額は1万4352円です。
 
5000円刻みで見ていくと、会社員の場合、一番多い月額掛け金は1万円~1万4999円までで44%、5000円~9999円までも17.5%ですので、半数以上の人は毎月1万5000円以下の掛け金なのです。
 
さらに、iDeCoは口座引き落としですから、無意識のうちに「使えるお金」から省けてしまえます。ちょっとした習い事や、ジムに払っている会費感覚で始められる金額ですよね?
 

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コストに対して意識高く!

投資信託で気にしなければならないのは、「運用管理費用」と言われる手数料です。
 
運用管理費用は、運用資産の中から差し引かれるため、「支払っている」とはあまり意識しないものです。しかし、このコストが運用実績に影響を及ぼします。iDeCoで利用できる投資信託には、通常よりも運用管理費用の安いものがあります。
 

 
先の、3%で運用したケースと比較してみます。
 
運用管理費用が1%かかった場合、2%の運用となります。月1万円の掛け金で、35年後には45%増の約600万円です。
 
たった1%でも、長期間では140万円もの差が付いてしまいます。コストは意識する必要があるのです。
 
出典:国民年金基金連合会
 
執筆者:杉山夏子(すぎやま なつこ)
2018年日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員一般社団法人 家族信託普及協会(R)会員
 

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