

Text:福島えみ子(ふくしま えみこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
マネーディアセオリー株式会社 代表取締役
リュクスセオリーFPサロン 代表
大学卒業後、都市銀行に入行。複数の銀行、法律事務所勤務中に、人生の悩みは結局のところお金と密接に関係することを痛感、人生をより幸せで豊かにするお手伝いがしたいとファイナンシャルプランナーに。FP会社にて勤務後、独立。これまで500件以上の個人相談を担当すると共に、セミナー、執筆と幅広く活動。相続・資産運用・住宅相談・リタイヤメントプラン等を得意とし、個人相談にも力を入れる一方で、セミナーや企業研修、執筆を通じてわかりやすくお金の知識を発信することに注力している。
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運営管理機関(金融機関)によって運用商品ラインナップは異なる
そもそも、運営管理機関(金融機関)によって選べる運用商品の数、つまり商品ラインナップには違いがあります。多いところでは約60のラインナップから選べる一方、3~4の商品のみが用意されているところも。このラインナップをどう感じるかは、人それぞれです。ズラリと並んだ運用商品の一覧に、「もうそれだけでどう選べばわからなくなってしまう」という人も少なくないようです。一方で、選べる運用商品が多ければ多いほど選びがいがあり楽しいという人もいます(筆者も実はこのタイプです)。そういった選びがいがある人には存分に運用商品選びを楽しんでいただくとして、ここでは、「どう選ぶかわからない!」という人向けに解説していくことにします。
運用商品を決めていくステップとは?
まずは、確定拠出年金という老後のお金をどのような方針で運用したいか、以下の2つから、ご自身の考えに近いほうを選んでみてください。

AとBは、確定拠出年金で選べる運用商品の大きな2つのカテゴリーにリンクしています。Aは「元本確保型」で、元のお金は基本的には確保されるというカテゴリー、Bは「元本変動型」(投資信託)で価格が変動するカテゴリーのため、元本確保型よりも元のお金が増やせる可能性があるけれど減ってしまうという可能性もあります。もちろん、どちらか一択ではなく、両方を組み合わせて選ぶことも可能です。
ただ、ここで、多くの人が迷われるのが、Bの投資信託の選び方のようです。そこで、ここからは確定拠出年金での「元本変動型」、投資信託の選び方を中心にお話していくことにします。
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選び方はステップをふんで
世の中の投資信託商品は何千とありますが、確定拠出年金では最多でも約60商品、大抵は20~30商品のラインナップであるため、ゆっくりステップをふんで、消去法的に進めていけば、自然に商品が定まっていきます。
選ぶ際のイメージとしては、おおまかな部分を決めてから細部を決めていく、つまりおおまかな商品カテゴリーと配分を決めて、実際の運用商品に落とし込んでいくという手順です。
そして、投資信託選びで最も大切となるのが、運用商品のカテゴリー、すなわち何を運用対象としている投資信託なのかということです。その運用対象によって、値動きの変動の大きさ、つまり変動幅が違うからです。この変動幅を資産運用の世界では、「リスク」といっています。
まずは、どのような投資信託を選べば、どれくらいのリスクをとることになるのかを最初におさえておきましょう。

上の図のように、株式を選ぶと、債券を選んだときよりも、リスクが大きい、つまり、価格変動幅が大きいことがわかります。なぜこれが重要なのでしょうか?単純なお話ですが、変動幅の大きいものを選べば、上がるときは大きく上がるかわりに下がるときも大きく下がる可能性があります。反対に、変動幅が小さければ、上がるときが限定的である一方で、下がるときもそれなりの下落幅で済む、というように、「どれくらいの価格変動の幅のものを選ぶか?」が、皆さんの確定拠出年金のお金の増減にダイレクトに影響するからなのです。